妊活応援ブログ

池田麻里奈

第8回

子供ができない自分を否定する毎日

前向きに臨んだ体外受精が連続で失敗したころ、テレビでは「35歳から妊娠率が急激に下がる、早く産まないと大変なことになる」としきりに警告していました。34歳の私は焦るばかり、誕生日なんて嬉しくない、誕生日よ来ないで・・・と、思っていました。

採卵しても卵胞が見えているのに中身が空という状態の「空砲」が続き、卵子の老化を突きつけられました。当時、仕事と治療のどちらも全力で頑張っていましたが、こんなに努力を重ねても、毎日まじめに注射を打っても、苦い漢方薬を飲んでも、食べ物に注意しても、ダメ。何をしてもダメの連続。はっきり言って絶望していました。
不妊のことを「生殖機能の働きが悪い」、今なら切り離して考えられます。でも、あの時は、「自分という人間、自分自身そのものが欠陥品」と思えてしかたなかった。なんなく妊娠していく多くの女性たちが羨ましく、学生時代は同じ場所で同じ立場で笑っていたのに、どこで私はみんなと違う道に来てしまったのだろう。何がいけなかったのだろうと思うばかり。
「明日の朝起きたら子供のいない人生がまた始まる、誰か人生を終わらせてくれないかな」とさえ思うようになっていました。夫は、「そんな悲しいこと言うなよ〜」と言ったものの、その気持ちについて2人で話し合うことはなかった。
周囲にもピリピリしていて、親しい人の妊娠・出産の知らせを喜ぶ余裕もなく、友人の集まりから遠ざかっていました。つまらない人間になってしまったことで、更に自分をどんどん嫌いになっていきました。

体外受精を始めて1年以上が過ぎたころ、ようやく妊娠しましたが再び流産となりました。自分を否定して生きていると、あらゆる出来事で自分を更に責めてしまう。悲しみ、怒りをぶつける場所もなく、自分の運命を呪ったり、無気力な日々。

子供のいない自分は私じゃない
妊娠・出産した友人を祝福できない自分は嫌い
親の期待に応えられない不甲斐なさ
私は母として選ばれない人間

父の死から1年半、きっとその喪失感も重なっていたと思いますが、振り返ると相当鬱に近い状態だったと思います。

不妊当事者団体のNPO法人Fineで不妊の心理を学ぶピアカウンセラー養成講座を受講したのはその頃でした。どうしてこんな気持ちになるんだろう、私はおかしいのではないか、その謎を知りたかったのがきっかけです。
子供関連のボランティアをはじめたのもその頃。「子育て経験がない私にはできない、そんな資格がない」と躊躇いました。なにせこの頃はすべてに自信をなくしていたので、ちょっとのことでも他人から否定されることを恐れビクビクしていたのです。でも一緒に活動を初めたメンバーたちは偶然にも子供がいなく、「あ、私でもいいんだ」と少しずつ考え方が変わってきました。

「子供は天からの授かりもの」と言いますよね。なぜでしょう。それは努力と結果が必ずしも比例しないから、受験勉強や就職活動とは全く違う生殖分野のことだからです。妊娠率を追うあまり、こんな当然のことを忘れていた。私だけではなく、私の周囲の人たちも「子供はまだなの?早くしなさい」と私に忠告することで妊娠は早まると錯覚していたのです。神でもないのに。

今、この妊活応援ブログを読んでいる人の中には、自信を失っていたり人生が嫌になっている人、きっといると思います。努力家でまじめな人ほど思い詰めてしまいます。
私は、不妊治療は大変な作業だと思う。確約の無いことに何度もトライし、期待と絶望を繰り返す。砕け散ってもまだ見ぬ我が子を抱くことのみを原動力とし、立ち上がる。そして命と向き合い、自分の人生や夫婦の意味を考えさせられること。
不妊治療をしている人は、相当の忍耐力とポジティブな思考の持ち主です。
きっとこの粘り強さがあれば不妊治療以外のことはなんなくクリアし達成感を味わえるでしょう。「え!こんなに成果が簡単に表れるの?」と驚くはずです。 不妊治療は特別なのです。
「子供ができない自分」だけではなく、「とても大変な作業に取組んでいる自分」「頑張っている自分」という見方も加えてみてください。たくさんの素敵な面があなたの中にあるはずです!

つづく

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