妊活応援ブログ

池田麻里奈

第9回

養子縁組は考えたことがありますか?

「養子はダメなの?乳児院にたくさんかわいい子がいるよ」と言われました。また、別の人にも「養子縁組を考えたことはある?」と聞かれ、今まで全く考えたことがなかった「特別養子縁組制度」が私の頭の中で突然グルグル回り出し、調べることに・・・

養子・・・日本でできるの?乳児院ってどんなところ?
恥ずかしながらそんな無知状態の私でしたが、調べていくと次のことがわかりました。

・実親が育てられない0〜2歳は乳児院、3〜18歳は児童養護施設で集団生活をしている。
・ 戦争孤児とは違い、ほとんどの子供に親がいる。
・ 実親が全く面会に来ないケースもあり、集団の中では特定の大人との愛着形成が難しい。
・ 欧米では里親や養子縁組を行い要保護児童が家庭で暮らしているのに対し、日本では9割が施設で暮らす。
・ 施設退所後(18歳)の自立は容易ではなくその後も苦労が続いている若者がいて、支援する団体もある。

「乳児院は満床だけど養子に出せる子はいないんです・・・」そんな言葉が“普通”に飛び交っていました。

当時、私は34歳。夫は不妊治療に望みを託す気持ちが強く、今すぐ養子縁組で子供を迎えたいとは思っていなかった。私も自分の子供が産みたいし、まだ授かる可能性があると信じ治療を続けたけど、調べれば調べるほど3000人もの赤ちゃんがこのままでいいのかな、不満や疑問は募っていきました。

日本では、養子縁組制度が活用されていないのはわかった。でも果たして環境が整っていたら、私はその一歩を踏み出すだろうか。普通に自然妊娠する人は親子のDNAについて深く考えることは無いだろうけれど、養子という選択をする場合は、「子をちゃんと愛せるだろうか」「自分に子育てはできる?」ともんもんとした不安な感情が浮かんでは消え、また浮かびを繰り返していました。
同窓会で子供の話になった時、「私は養子を考えてるんだけど」と話したら、「え!・・・」と驚かれ、一瞬凍りつく空気。さすがにそれ以来は不妊治療も養子縁組もあえて言わず今に至ります。
やはり、不妊があった上で養子を考えているので、子がいる人には気持ちの想像は難しいものなのです。
友人にも同僚にも養子を迎えた人はいない、頼りはインターネットのみ。養親になった人のブログを夜中まで読み、迎える当日の投稿には「良かった、良かった」と号泣しました。

産めなくても育てたい・・・
そんな気持ちが大きくなって

でも、背中を「えい!」と押してくれないと自信はない。「きっと大丈夫だよ」と勇気付けて欲しい夫は養子縁組には消極的。説明会に夫を連れ出す説得もできず、心細いけれど一人で行ってました。

「40歳までは不妊治療をして」

養子縁組の話をした時に夫が言いました。その言葉を胸にひたすら不妊治療に取り組みました。とてつもない時間とお金を使い、ホルモン摂取で体調が悪く、治療のスケジュールで予定の立たない生活。私の30代は本当に不妊治療1色。

「二人でもいいよ、楽しいし」

40歳になった私に夫が言いました。夫の言葉は、最後まで頑張っていた細い糸をプッツリと切るようなものでした。これからは養子縁組を考えてくれるのではなかったの?“二人でもいい”ってどうしてそんな簡単に言えるの。
考えてみると夫の生活スタイルは不妊治療前と不妊治療中、不妊治療後、何ひとつ変わっていません。遅刻、早退、急に休むことも無く、同僚や上司に謝罪することなく仕事ができ、自由に予定も組める。楽しい社会人生活を謳歌していたのです。子供が授からず悲しい気持ちは同じだとしても、引き換えにしてきた生活はありません。不妊治療は不公平なものですね。振り返ってその代償の大きさに涙が出ます。

いろいろあって結婚10年以上継続していますが、真剣に別れを考えました。

この世は夫だけの人生ではありません、私の人生でもあるのです。相手を嫌いではないけれど、別々の人生を選択した方が良いケースもあるんだなぁとしばし考えました。
夫婦一緒にいて、楽しいことありますよ、趣味、外食、旅行・・・好きにできますよね。でも「美味しかったね、楽しかったね」というその一時のイベントではなく、人生のやりがい、私の生まれた役割を考えるようになりました。
長く大人をしてきて、自分が楽しむこと思い出を作ることはもう十分してきました。私はこの先の残りの人生をどうやって生きていくか、それは、誰かのために何かしたい、ひとりの人間が成長していく様を継続して見守っていきたい・・・、それがハッキリとわかりました。

多くの女性が経験しているお母さんになりたいのです

子供の世話をやき、作った食事がその子の血や骨になり、たくさんのものを見せ、興味関心、情動の心を養って欲しい、いろんな経験をさせてあげたい。困った時にはそっと見守り、時には一緒に悩み、成人したら良きパートナーとして大人の付き合いがしたい。
それは、養子縁組を拒否する夫と一緒にいる限り、叶えられない夢でした。

つづく

お知らせ

みんなで語るコウノトリの会
「養子縁組を考える会」
日時 6月28日(火曜)13:30〜16:00
場所 渋谷区東京ウイメンズプラザ
参加費 3000円(リピーター様 2000円)
詳しくはコウノトリこころの相談室HPへ
http://kounotori.me/?p=2680

はじめての不妊治療

はじめての不妊治療の方に向けて、「不妊治療とは」「セルフチェック」「不妊治療の流れ」「治療方法」「運命の病院に出会う5つのコツ」「初めて体験」「パートナー(男性)の不妊について」「不妊治療用語集」をまとめました。

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