妊活応援ブログ

池田麻里奈

第14回

21人に1人が体外受精児

「2014年に国内で行われた体外受精により、過去最多の4万7322人が誕生したことが日本産科婦人科学会のまとめでわかった。約21人に1人が体外受精で生まれたことになる」(読売新聞)というニュースがありました。

ここ数年は毎年5000人ペースで増加し、体外受精はすでに珍しい治療ではなく、赤ちゃんを望んでいる人が妊娠率、出生率の可能性の高い施術を求めるのは自然な流れかもしれません。

私が体外受精にトライし始めた頃、そのことを限られた友達に話しました。「大変だね」と心のどこかで言ってくれるのを期待してたのかもしれません。でも、返答は、「あの試験管ベイビーの?!」と奇異の目で見られました。まさか試験管の中で育てているとは思ってないだろうけれど、そんなに驚くこと?やっぱり自然に子供を授かった人からすると、カルチャーショックなのだろうか・・・、そして友達は続けて、「女性ホルモン注射したらオッパイ大きくなるんでしょ!羨ましい!」という、どこまでも的外れなもので、完全に話したことを後悔しました。

あれから8年以上が経過し、21人に1人が体外受精児というニュースも流れるようになり、当事者以外にも不妊治療や体外受精という言葉が耳に入るようになりました。

社会に、理解が深まればいいなと思います。

でもこれらのニュースが社会に出るようになって新しい弊害が時々生じます。
2つあります。

1つ目は、
「私、知ってるよ」という人です。

もっと詳しく言うと「私、不妊治療の大変さ、知ってるよ」という人です。
「不妊治療って大変みたいよ、体外受精はお金もかかるし~。そういえば、あなたはお子さんいないけれど、不妊じゃないのよね?」

きっとテレビで体外受精の特番を観たのかもしれません。
その場に子ナシは私だけでしたから、私に質問が飛んできました。この質問に回答するには上級テクニックが必要です。ただ単に、「子供はまだ?」と無邪気に聞く人の方がかわいい!

情報、知識を自分は持っている、社会のマイノリティの人のこと考えています、と言わんばかりに豪語する割には、そのマイノリティで悩んでいる人がオープンな場でそんな気軽に「不妊です」と回答できない気持ちまでは想像できていない。一見、不妊当事者を心配しているように見える発言だけど、当事者の苦悩は見えていないケースです。

そして2つ目、
子供がいない人、または不妊治療している人に「体外受精すればいいでしょ」というものではない。

これは、ニュースを見て「体外受精児増えている=体外受精すれば子供が授かる」と頭の中で変換されてしまい、不妊治療を始めた後のことは考えず先走ってアドバイスしてしまうケースです。

体外受精児が増えているのは、体外受精を施術する患者が増えているだけで、体外受精の1回の生産率は若くても20%と低く、これが生殖補助医療の限界です。100%ではありません。40歳の体外受精生産率は、8.3%(日本産婦人科学会2013)です。

精神的負担、経済的負担、身体的負担の三重苦の不妊治療。いったん始めると、目の前の妊娠率に惑わされます。期待と絶望の繰り返しで、自己肯定感の低下。一度妊娠という目標をかかげてしまったら、それを達成するまでは簡単に治療をやめることができません。当事者のつらさを考えると、不妊治療は安易におすすめできないことなのです。

不妊の番組や話題が増え、知識が広まることは大変ありがたいです。まずは知ることが偏見をなくすからです。

できればあと一歩、想像してくれると嬉しいです。

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はじめての不妊治療の方に向けて、「不妊治療とは」「セルフチェック」「不妊治療の流れ」「治療方法」「運命の病院に出会う5つのコツ」「初めて体験」「パートナー(男性)の不妊について」「不妊治療用語集」をまとめました。

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