妊活応援ブログ

池田麻里奈

第16回

死産から5年、あの頃を振り返って。

今日は流産、死産について書いてみようと思います。

先日、死産の経験者として5年を振り返りイベントで体験談を話しました。会場は満席で、支援者も当事者も多くの方が集まっていました。
前に立つと、ご夫婦が寄り添っている姿や、涙を流される人の姿が目に入り、きっとあの時の私のように、どうしようもなくつらい状況に今いるのだろうなぁ・・・と思いながら話しをさせていただきました。

5年経った私がその頃を思い出すと、死産から予定日までの間はほとんど記憶がありません。本当につらかったです。予定日だけを楽しみにしていて、それから始まる生活だけを描いていたので、それが、その予定日が来ても何も変わらない、何も始まらないという事実を受け入れることができなかったのだと思います。
その期間、ほんの数人2、3人にしか会わず、何日も外に出ない日もありました。
私は、自治体の妊婦支援を妊娠中から利用していました。産前産後ケアとして家事代行スタッフが毎週来てくれます。スタッフさんたちは私のことを「ママ」とか「お母さん」って呼んでいました。利用者がみんなママだから楽なのでしょうね。
死産後、60代のスタッフが来てくれて、「ママ」といつものように呼ばれました。私はもうママじゃないから、死産をしたことを早く伝えなければと思い、ベッドから起き、台所で作業しているスタッフさんに「実は私、先週死産して・・・」と言いかけたところで、涙が溢れてきて泣き崩れてしまいました。
スタッフさんは、「私は、あなたはママだと思うよ」と言って温かいうどんを作ってくれました。久しぶりに食べ物の味を感じました。
それからも、赤ちゃんの性別は?お名前聞いてもいい?素敵な名前ね、と誰も聞いてくれなかったことを初めて聞いてくれて、毎週そのスタッフさんが来るたびに少しずつ起きあがれるようになって、食事も作れるようになって、全然違う話しをすることもあって、日々過ぎました。しばらくするとスタッフさんが、「初めて来た時から見違えるように顔色が良くなった」とホッとしていました。私のことをすごく心配していたのだと思います。

不妊の悩みを話せる場所は少ないです。ですが、流死産の支援はもっと少ないと痛感しました。不妊治療と違い、産後は病院とは接点がなくなります。当時、保健所に死産したことを伝えると、窓口の人に「え・・・」と言われ、それ以上言葉が出てきませんでした。一般的な友達の反応と一緒です。 話すと相手が困る。何度もそんな場を経験しました。

妊婦支援の家事代行は家事のサポートとは言っても、実際には家から出られない人への心の支援が含まれています。元気な妊婦、元気な子育ての人は気付かないかもしれません、私も死産前から利用していたので、こんなにもこの支援で救われると思いませんでした。外に出られない状況の人にとって、家に来て作業の途中に調子を見ながら少しずつ話しをする、信頼関係が毎週できて話しやすくなる点はありがたいです。 支援窓口を設置して、あなたの悩みを聞きます、話してください、来てくださいと言われても躊躇する気持ちを支援側は胸に留めておかなければいけません。

私はその後、当事者同士が仲間として話せる場所が必要だと感じ、今の活動につながっていますが、外に出られない人もいると思います。そんな時は、電話やメール相談でもいいです。振り返って言えることは、ひとりで回復するのは無理だったということ。たくさんの支援をフル活用してほしいと思います。

当時を振り返り、話しやすい環境作りを大事にしてこれからも赤ちゃんを亡くされたパパママにできることを考えていきたいと改めて思いました。

コウノトリの会 お知らせ

流死産ヒナ会
2016/12/7(水)14:00-16:00(受付13:45)
参加費3,000円(リピーター2,000円)
定員5名
場所:東京ウイメンズプラザ(表参道)
対象:流産、死産、新生児死亡で赤ちゃんを亡くされた女性、またはご夫婦

詳しくはコウノトリこころの相談室まで(http://kounotori.me/?p=3095

はじめての不妊治療

はじめての不妊治療の方に向けて、「不妊治療とは」「セルフチェック」「不妊治療の流れ」「治療方法」「運命の病院に出会う5つのコツ」「初めて体験」「パートナー(男性)の不妊について」「不妊治療用語集」をまとめました。

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