何が分かる?AMH検査

何が分かる?AMH検査

治療中の人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれないAMH検査。
すでに検査を受けた人も多いかもしれません。
この検査結果は治療にどのように役に立つのか、解説します!

女性は30歳になったら、既婚・未婚にかかわらず、
一度AMH検査を受けて欲しいと思っています。

卵巣に残された卵子がどれくらいあるのか、その目安を調べることができるAMH(アンチ・ミューラリアン・ホルモン)検査。最近では血液によって調べられるこの検査を取り入れて、不妊治療を進める病院やクリニックが増えています。では、AMH検査は治療にどのように役立っているのでしょうか?そして患者側は検査結果をどのようにとらえればよいのでしょうか?AMH検査を治療にも活用している、浅田レディースクリニック院長の浅田先生にお話をうかがいました。

まず、AMHについて教えてください。

AMHの説明のためには、卵子について知っておく必要があります。卵子は毎月排卵されるため、常に卵子はつくられていると思っている人がいるかもしれませんが、卵子はお母さんのお腹の中にいるときに一生分が作られ、その後は減る一方です。胎内にいる頃に500~700万個とピークを迎え、「オギャア」と生まれた頃には200万個、初潮を迎える頃には30万個、35歳頃には2~3万個と、生まれた頃の1~2%しか残されていません。卵子は年齢とともにどんどん減っていき、体が老化していくように、卵子も老化していきます。

卵子は、卵巣のなかで原始卵胞という形で休眠した状態で保存されています。ホルモンの刺激を受けて原始卵胞の一部が目覚め、成熟し、約6ヶ月かけて最終的には1つの卵だけが排卵されますが、その成熟の初期段階ででているホルモンが、AMH。AMHの値が高いということは、育ち始めた卵胞が多いということで、残された卵も多いだろう、と予測できるのです。

AMHはどのくらいの値であれば、安心できるのでしょうか?

AMH検査によって分かったのは、残された卵子の数は個人によってバラバラだということなんです。ですから正常値というものが設定できません。ということは、「○歳だから、卵はまだたくさん残っているだろう」という予測ができないですし、30代前半で卵がなくなってしまう人がいてもおかしくないのです。

ですから、私は、赤ちゃんが欲しいと考えているなら、未婚・既婚にかかわらず、30歳でAMH検査を受けて欲しいと思っています。AMHの値を早めに知っておけば、人生設計の目安になるのではないでしょうか。不妊治療中の人にとっては、もし卵が少ないということが分かれば、不妊治療のスピードアップをしなければならないでしょう。

治療のなかで、AMHの値はどのように使われるのでしょうか。

体外受精では、排卵誘発剤を使ってできるだけ多くの卵を採りますが、この採れる卵の数とAMHの値は相関関係にあるんです。ですから、どのような注射を使って刺激を行ったらよいのか、それを知るための手立てとして当院ではAMH値を使っています。また、AMHの値を調べることで、早発卵巣不全(早発閉経)の人を見つけることができます。早発卵巣不全とは、40代前に閉経してしまうこと。20代でも極端に卵が少ない人はいますから、月経不順や不正出血などがあったときに、AMH検査を受けられれば、早発卵巣不全を早い段階で知らせることができると思います。

AMHの値は、妊娠率に関係があるのでしょうか。

AMHは残された卵の数の目安を知るためのもので、妊娠率とは相関しません。受精卵が順調に育つかどうかは、卵のなかの仕組みがどれだけ保たれているかによりますが、それは年齢に比例しており、年齢が高ければ卵もそれだけ老化している、ということになります。AMHの値が高いのは数の面では有利ですが、直接妊娠率と相関関係にあるのは年齢なのです。

年齢が高くても、卵の質を上げることはできないのでしょうか?

老化した卵の質をあげることは、残念ながらできません。できることは、残された卵のなかの、良い卵をいかに活かすか、です。卵は休眠していた原始卵胞の一部がある刺激をうけて成長を始め、約半年で成熟卵となりますが、この最後の1ヶ月というのは卵の成長にとって非常に大切で、劇的な変化をとげます。卵の本質を変えることはできませんが、排卵誘発剤の打ち方などによって卵の成熟度合いは変えることはできます。我々にできることは、成熟した卵を最適なタイミングで、できるだけたくさん採ることなのです。

不妊治療は、病院によってもドクターによってもその内容は違います。スタンダードの治療はないといってもいいでしょう。ではどうやって病院を選べばよいのか。それは自分が正しい知識を持てば、どんな病院が自分にあっているのか分かるのではないかと思います。そしてもし結果がでなければ、ドクターはどんどん変えていいんですよ。妊娠は時間との闘いであり、不妊治療は短期間で結果を出すべきです。大切なのは子育てであり、妊娠が目的になってはいけません。自分の年齢にプラスアルファするくらいの意識で、危機感をもって治療にのぞんで欲しいですね。

浅田レディースクリニック 院長 浅田義正

浅田レディースクリニック
院長 浅田義正先生

1982年名古屋大学医学部卒業。
同大医学部附属病院産婦人科医員として不妊外来および、健康外来(更年期障害・ホルモン補充療法)の専門外来を担当する。
2004年、浅田レディースクリニック開院。医学博士。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。

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