もくじ
周囲の赤ちゃんがハイハイをし始めたら、「家の子はまだかな」「全然ハイハイをする気配がないから、心配だな」など、不安に思っている方がいらっしゃるかもしれませんね。
ハイハイは、赤ちゃんの発達の一つですが、必ずしもみんながするものではありません。
ここでは、ハイハイはいつからするものなのか、ハイハイの練習は必要なのか、ハイハイをするときの環境など、ハイハイに関する情報をわかりやすくお伝えします。
ハイハイはいつから?

ハイハイはいつから始まり、前兆としてはどんなふうになるのか気になりますよね。
ここでは、ハイハイをする前兆、ハイハイの時期についてお話します。
ハイハイの前兆
ハイハイの前兆にはどんなものがあるのか、次に挙げてみました。
- 手足を器用に動かしておなかをつけたまま、その場で回る
- 手も足も上げて、飛行機のポーズのようにおなかだけが付いている状態
- お尻を持ち上げる
- ハイハイの形で身体を揺らすだけ
これらの次には、「ズリバイ」は始まるかもしれません。
「ズリバイ」は、うつ伏せ状態で、お腹を床につけたままほふく前進のように前に進みます。
ハイハイをするのはいつから?
母子健康手帳によると、ハイハイをする時期は、7ヶ月半−9ヶ月半頃とされています。
9−10ヶ月児健診のページに、「ハイハイをしますか」という問診があります。
ただ、赤ちゃんの身体発達に関しては個人差があるため、この時期に「必ずハイハイをする」というわけではありません。
心配な場合は、医師に相談しましょう。
ハイハイするための体格

出生後から、首や腰、手足の筋肉が少しずつ発達してきます。
ハイハイをするためには、首と腰がすわり(安定し)、腰と手足を使って胴体を支えられるようになることが必要です。
これらができるようになった後に、ハイハイができるようになります。
寝返りやハイハイなどは、比較的体格がいい赤ちゃんだと遅めのこともあります。
個人差があることを理解しておいてくださいね。
ハイハイするのは必要なこと?

そもそもハイハイは成長するにあたって必ず必要なものなのでしょうか。
そんなことはありません。
次の項目にまとめているように、ハイハイによる良い影響もありますが、立って動けるようになると、これらの恩恵も受けることができます。
ハイハイする理由
ハイハイは、すべての赤ちゃんがするものではありません。
ハイハイをすることによって、次のような良い影響が考えられます。
1.運動面
ハイハイは、全身の筋肉を使って動きます。
また、2つ以上の身体の部分を動かしますので、一人歩き以降の身体の運動をスムーズにする運動神経の発達にも良いとされています。
手足が動くと、その分握力や足の踏ん張りなどの力がつき、身体のバランスをとることもうまくなっていきます。
2.精神面
自分の行きたいところに、自分で移動できるといった赤ちゃん自身の喜びや満足感を得ることができます。
満足感が持てるということは、情緒的な安定につながります。
3.身体の機能面
ハイハイは全身運動なので、血液の循環が促進され、心肺機能が高まります。
移動することによって周囲の環境が変わり、視覚や聴覚、嗅覚などへの刺激を通じて、脳に良い刺激を与えるとされています。
また、自分で自分の身体を支えることで、体勢を維持したり、骨や関節にも程よい負荷がかかったりすることによって、骨の発達を促すとされています。
4.生活面
運動量や脳への刺激が増えるため、食欲や睡眠欲を感じやすいとされています。
生活リズムが整いやすくなるかもしれませんね。
ハイハイしない時には

ハイハイは、赤ちゃんの「身体の準備ができていること」「動きたい気持ちがあること」「動きやすい環境があること」が整ったら、できるようになるかもしれません。
ハイハイをしない場合、下記のことを参考に赤ちゃんの様子を見ながら、誘ってみても良いでしょう。
無理に練習させようとしなくても大丈夫です。
生活の中で取り入れられることをやってみてくださいね。
- 広いスペースをとる。
- 上下別れた動きやすい洋服を着せる。厚着にならないようにする。
- 赤ちゃんが興味あるおもちゃなどを、手を伸ばすよりも少し離れたところに置いてみる。
- 親も一緒にハイハイの体勢になって、やってみる。
- 壁に足の裏がつくように、うつ伏せにしてみてみる。または、親の手を足の裏に当てて、押してみる。
ハイハイしない子もいる
ハイハイをする時期やハイハイをするしないなどは、個人差があります。
ハイハイは、必ず必要なものではありません。
ある一定の確率で、ハイハイをしない赤ちゃんがいます。
前項で触れたように、ちょっと変わったハイハイをする赤ちゃんもいるのです。
たとえば、「タカバイ」といって、両手と足の裏を使って進むハイハイもあります。
さらに、片足だけタカバイで、もう片足は一般的なハイハイのように膝をついている形のハイハイをする赤ちゃんもいるのですよ。
色々あって面白いですね。
赤ちゃんの発達は、個人差があることがよくわかりますよね。
ハイハイは、しなくても大丈夫です。
時期が来れば、ちゃんとつかまり立ちをして歩きます。
病気と関連
「ハイハイするのが遅い」「ハイハイをしない」「変わった形のハイハイをする」など、病気との関連を心配する声もありますが、直接的な関連はありません。
発達には個人差があります。
健診で医師から指摘されていることがあっても、まだまだ経過観察が必要な時期です。
必要なら、精密検査などを提案されることがあるかもしれません。
心配なことは医師とよく相談しましょう。
安全にハイハイ出来るように気をつけること

安全にハイハイをするには、どのようなことに気をつければ良いかをまとめましたので、参考にしてくださいね。
場所を広く取る
初めのハイハイの範囲はそれほど広くありません。
でも、そのうちにどんどん動けるようになっていきます。
赤ちゃんが動ける範囲の場所を取ってあげられるといいですね。
床に落ちているものに注意
ハイハイをしていると、床に落ちてもいるものを口に入れてしまうことがあります。
ホコリなど、多少食べても問題ないものもありますが、ボタン電池やお金など、危険なものもありますので、注意しましょう。
母子健康手帳には、チャイルドマウスという誤飲防止の直径39mmの筒の作り方が載っています。
この筒の中を通るものは赤ちゃんの口に入って誤飲する可能性があると判断できます。
ちなみに1歳未満の乳児の口には、直径32mmと少し小さめのものでも入りますので、注意が必要です。
低い位置にあるものに注意
低い位置にものが置いてあるときには、赤ちゃんが触るかもしれないと考えて、危険なものや触ってほしくないものは、移動しておきましょう。
赤ちゃんの興味をひくものは、頑張って触りたいという気持ちになり、何とか触ろうとします。
その過程で、ひっくり返ったり、ものが落ちてきたりすることもありますので、注意が必要です。
おむつがずれるかも
足や手を動かして、これまでにない動きをすることによって、おむつがずれて排泄物がもれてしまう可能性があります。
おむつはこまめにチェックしましょう。
膝の保護
ハイハイをするときには、膝を床につけて動くことが多いです。
膝の保護をするためのサポーターも市販されています。
または、長ズボンやスパッツを使用してもいいですね。
ただし、膝の部分が薄くなったり、破けてきたりするかもしれません。
まとめ

ハイハイをする時期、ハイハイの前兆、ハイハイの練習は必要性、ハイハイの環境など、ハイハイに関する情報をわかりやすくお伝えしました。
ハイハイによる良い影響もありますが、ハイハイをしない赤ちゃんもいることや個人差があることもお話ししました。
まだ、ハイハイをしていない赤ちゃんも、もしかしたらもうすぐ始めるかもしれません。
赤ちゃんの成長は、何かと気になるものですが、あたたかく見守ってあげられるといいですね。