赤ちゃんの肌を保湿していますか?
『赤ちゃんの肌は綺麗でスベスベしているから保湿なんて必要ない』と思っている方も多いと思います。
しかし、赤ちゃんの肌こそ、保湿が必要です。
そこで、今回のテーマは赤ちゃんの保湿について解説します。
赤ちゃんの保湿って本当に必要?
産まれたばかりの赤ちゃんは、胎脂と言われる脂で体を覆いまた皮脂が分泌されやすくなっていますので、乾燥肌になりにくい状態になっています。
しかし、生後2~6ヶ月くらいになると皮脂の分泌が少なくなっていき乾燥しやすい肌になっていきます。

皮膚のバリア機能
皮膚には外部の様々な刺激(細菌、ウイルス、アレルギー物質など)から体を守るバリア機能があり、皮脂はこのバリア機能を維持し身体を様々な病原菌から守るという大切な役割を持っています。
皮脂は皮膚表面の水分の蒸発を防ぎ、潤いを維持することでバリア機能を正常に機能させることができるのです。
バリア機能が壊れてしまうと肌トラブルが起きやすくなってしまいます。
いわゆる乾燥肌になり、赤くなったりカサカサしたり湿疹が出来やすくなります。
これを乾燥性湿疹と呼び、赤ちゃんに多い肌トラブルです。
乾燥してバリア機能が落ちてしまった肌は、様々な有害物質に刺激され湿疹などができてしまいます。
最悪のケースとしてアトピーやアレルギ-体質になってしまうこともあります。

最近の研究で、皮膚からアレルギー物質が体内に入っていき、牛乳アレルギーや卵アレルギーになる可能性があることがわかってきました。
授乳中に口からこぼれてしまったミルクがバリア機能の低下した皮膚に付着し、そこからアレルギー物質が体内入っていき、アレルギー反応を起こしやすい体質になってしまうといわれています。
胎脂
胎脂という言葉をご存知ですか?
赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるとき、胎脂と呼ばれる脂を体にまとっています。
この胎脂は生まれた直後から始まる乾燥や外部刺激から新生児の肌を守る働きがあるといわれています。
この働きに注目し産後直後の沐浴を行わない産院が増えてきています。
胎脂は無理矢理洗い落とさず、自然に取れていくのを待ちましょう。
保湿剤を使用するときの使い方、注意事項など

保湿剤は季節を問わず継続的に使用し続けることが重要です。一度バリア機能が低下した皮膚を正常に戻すためには時間と労力が必要です。
乾燥させず皮膚の潤いを保ち一定のバリア機能を維持することが大切です。
保湿剤を塗るタイミング

保湿剤を塗るタイミングですが、1回は必ずお風呂上りに使用しましょう。
入浴直後がもっとも皮膚が潤っている状態ですので、そこに保湿剤を塗ることで皮膚からの水分蒸発を防ぎ乾燥を最小限にすることができます。
入浴によって体温があがっているため、皮膚表面からの水分蒸発が早いのでなるべく早く保湿剤を使用することをお勧めします。

お風呂上がりの赤ちゃん
医師から処方されるワセリンの使用に関しては、お風呂の中で体を拭く前に使用するよう指示する医師もいます。
それほど入浴後の保湿は重要です。
汗や食事で汚れた後、軽くシャワーを浴びた場合なども保湿剤を使用することをお勧めします。
赤ちゃんに使用する保湿剤の選び方
赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、なるべく刺激の少ない保湿剤を選んであげましょう。
ベビーオイル、ベビーローションなど赤ちゃん用の保湿剤や低刺激の保湿剤、皮膚アレルギーテストをクリアした保湿剤が安心です。
合成香料、着色料は見た目や香りをつけるためのものですので、なるべく含まれてないものが良いでしょう。
保存料としてパラベンが含まれていることがあり、敏感になってしまった肌には刺激になりますのでなるべく避けましょう。
塗りやすさも重要です。
寝返りやハイハイなど動き始めると、保湿剤を塗るのも一苦労だと思いますので、なるべく短時間でササッと塗れる保湿剤がお勧めです。
保湿剤の種類
さて、保湿剤といっても色々な種類があります。ローション、クリーム、オイルがあり、どれを選べばいいのか悩むところだと思いますので、ひとつずつ紹介します。
ローションタイプ
肌トラブルがほとんどない場合、現状維持目的の場合はローションタイプの保湿剤がお勧めです。乳液や化粧水のようにサラサラしているので伸びがよく、ベタベタ感も少なくて使いやすいです。
クリームタイプ
クリームタイプの保湿剤は、水分と油分の両方が含まれ配合が様々なので、柔らかいものから軟膏タイプまであり、使用感も商品によって特徴があります。
ローションよりも保湿力が高いので乾燥肌気味の赤ちゃんにお勧めです。
軟膏タイプ
すでにガサガサして粉を吹いているような場合はなるべく硬めの軟膏タイプを選びましょう。
柔らかいタイプの保湿剤は水分量も多いのでは荒れてしまった肌には刺激が強い場合があります。
オイルタイプ
オイルタイプの保湿剤は皮脂のように肌に薄い膜を張って保護することによって保湿することができます。耳や鼻、おへその掃除にも使えます。
ただし、鼓膜やその周辺を傷つける恐れがあるので耳垢はご自宅では取らずに耳鼻科で掃除してもらうようにしてください。
おすすめの保湿剤

病院で良く処方される保湿剤
プロペト
白色ワセリン。
合成着色料、合成香料など余分なものは一切入っていない保護剤です。
リップクリームなどにも含まれている成分なので、少し口に入っても問題なく、赤ちゃんのリップクリームとして使用可能です。
ヒルドイドソフト軟膏
高い保湿力を持つ保湿剤。
ジェネリック薬品もあり効能効果に変わりないので使用感の好みで選ぶことができる。
ヒルドイドローション
ソフト軟膏と同様高い保湿力を持つ保湿剤。
こちらもジェネリック薬品があり効能効果に変わりないので使用感の好みで選ぶことができる。
ちょっと高価な保湿剤
ママ&キッズ ナチュラルマーククリーム
無香料、無着色、パラベン無添加、アルコール無添加、鉱物油無添加、石油系界面活性剤無添加と成分、品質に徹底的にこだわっているママ&キッズ。
アレルギーテスト、眼刺激性テストをクリアしているとのこと。
ママ&キッズ ベビーミルキーローション
ナチュラルマーククリーム同様、成分、品質にこだわっている。
伸びがよく1年中使用できるローション。
エルバビーバ ベビーローション
オーガニック認証成分を使用した保湿剤。
マンダリンオレンジやカモミールなどのオイルを使用しているので香りが気になる方にはトライアルセットもあるので安心して使用できます。
オーガニックマドンナ ベビーピュアミルク
オーガニック成分97%配合。
オーガニックにこだわりたいママにぴったりです。
無着色、無香料、パラベンフリー。無香料タイプですが、ほのかにオーガニックレモンマートルの香りがします。
ドラックストアで気軽に購入できる保湿剤
健栄製薬 ベビーワセリン
医師から処方されるワセリンとほぼ同等のもの。
保護作用が強く体のどこにでも使用できます。
ジョンソン&ジョンソン ベビーローション無香料
無香料、無着色、低刺激で値段もお手頃なのがうれしいです。
その分保湿力が弱いので乾燥肌の赤ちゃんには物足りないかもしれません。
ジョンソン&ジョンソン ベビーオイル
一本あれば安心の保湿剤。
保湿剤としてはもちろん、赤ちゃんの耳、鼻、へそのケアにも使用できます。
まとめ
赤ちゃんのために保湿はこまめに行いましょう。
最低1日1回お風呂上りに、できれば乾燥が気になるたびに使用することが理想です。
例えば着替え、おむつ交換、ふと見たときなど乾燥しているなと気が付いたときにササっと塗れるといいですね。
保湿剤の種類も赤ちゃんの皮膚の症状を見て選び、どうしてもわからない時は皮膚科を受診するか、または薬剤師に相談してください。