もくじ
赤ちゃんがおしゃぶりをくわえている光景って、いやされますよね。
なんとなくくわえているように見えても、おしゃぶりには目的もあれば、いろいろなタイプもあります。
使い方についても、なんとなく使わせているだけという方も意外と多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、おしゃぶりの使い方から選び方、お手入れ方法、そしておすすめのおしゃぶりまで、わかりやすく解説します。
おしゃぶりとは

目的
おしゃぶりを使う一番の目的は、赤ちゃんを泣き止ませることです。
母親の乳首をくわえると、赤ちゃんにとって、精神的にリラックスするホルモンが分泌されます。
おしゃぶりを吸っても同じようにホルモンが分泌されますので、精神的に落ち着きます。その結果、泣き止むと考えられています。
また、おしゃぶりには口呼吸を防ぐ効果もあります。
おしゃぶりを吸っていると、口が塞がりますので、自然と鼻で呼吸する習慣が身に付くのです。
大きくなってから口呼吸を治すのはとても難しいので、口呼吸を防ぎ、鼻で呼吸するよう習慣づける目的で使われることもあります。
おしゃぶりの使い方
あかちゃんの機嫌が悪くて泣いている時に、とりあえずおしゃぶりを与えて機嫌をよくしよう、泣き止ませようとする使い方は勧められません。
赤ちゃんが泣いているときはまず、抱っこしたり、授乳したりして、触れ合うことです。
どうして泣いているのか、その理由を察してあげるようにしてください。そのうえで、おしゃぶりを使いましょう。
おしゃぶりの使用時間は、1日あたり3〜4時間くらいにしてください。それ以上の時間、使っていると、癖になりかねないからです。
いつからいつまで使う?
おしゃぶりは、生後2〜3ヶ月から使い始めます。
おしゃぶりの味が合わず使ってくれないときは、無理に使わせる必要も、買い替える必要もありません。
そんなときは吸啜反射(きゅうせつはんしゃ)という、赤ちゃんの口を刺激すると自然に吸い付いてくる反射を利用してみると、自ずと吸い付いてくるようになります。
離乳食が始まると、食べ物に興味を示して、おしゃぶりをしなくなることがあります。そんなときは、そのまま卒業させましょう。
しかし、それ以降続いている場合は、1歳6ヶ月から2歳までには止めるようにしてください。
この年齢を過ぎても使い続けるようなら、歯並びや噛み合わせが悪くなってしまうおそれがあるからです。
選び方
おしゃぶりなんてどれも同じでしょって思っていませんか。実は、おしゃぶりにも選び方があるのです。
月齢に応じた選び方
3〜6ヶ月児と6〜1歳6ヶ月児でわけられます。
3〜6ヶ月児には、小さなお口にも吸いやすいように、そして未発達なお口や吸い込み力を考えたデザインされています。
6〜1歳6ヶ月児用のおしゃぶりは、もう吸う力もしっかりしている上に、歯も生えているので、乳首部分が大きく、形がしっかりしたデザインになっています。
もちろん噛んでも破れないように固めになっています。
素材による選び方
おしゃぶりの乳首部分は、ほとんどの製品でシリコンか天然ゴムで出来ています。
シリコン製は洗いやすい、長持ちしやすい、という利点があります。その反面、噛んだ感じが硬いという欠点があります。
一方、天然ゴム製は軟らかくて咬みやすいのですが、素材が劣化しやすいという欠点があります。
どちらにするのかは、好みで選ぶといいでしょう。
機能による選び方
落としにくいようにクリップがついたタイプや、鼻呼吸を促す効果のあるタイプ、歯並びに影響しにくいタイプなど、機能面で工夫しているおしゃぶりもあります。
そういった視点からおしゃぶりを選んでみるのもいいでしょう。
お手入れのしやすさ
おしゃぶりは、お口に入れて使うものですから、出来るだけお手入れしやすいものの法がいいですよね。
そこで、洗いやすいデザイン、熱湯消毒に耐えられる耐熱性を持ったおしゃぶりなど、お手入れのしやすさを基準におしゃぶりを選ぶのもいいでしょう。
お手入れの方法

おしゃぶりは、お口に入れて使うものですから、きれいな状態に保っておきたいものですよね。
そこで、おしゃぶりのお手入れ方法について紹介します。
洗浄
普通に使っているだけなら、水で洗うだけも十分きれいに保つことが出来ます。
もし、汚れが目立ってきたなどの理由で、洗剤を使って洗いたい場合は、食器用洗剤で洗うといいでしょう。洗った後は、濡れたままにせず、しっかりと乾燥させてください。
濡れたままだと、細菌が繁殖するおそれがあるからです。
消毒
もし、他の赤ちゃんが、お子さんのおしゃぶりをくわえてしまったときは、消毒した方が安心です。
なぜなら、むし歯の原因菌であるミュータンス菌がうつされてしまう可能性があるからです。
ミュータンス菌は生まれたときは持っていません。ミュータンス菌を持っている他の人から唾液を介してうつされることが明らかになっています。
お子さんのおしゃぶりを加えた赤ちゃんにミュータンス菌がいるかどうかはわかりませんが、いるという前提て対処した方が安心です。
そんなときは、熱湯消毒やミルトンやハイターを使った薬液消毒が有効です。
詳しい消毒方法は、おしゃぶりの取扱説明書に記載してあると思われますので、そちらを参照してください。
おしゃぶりを使うのは心配?
おしゃぶりを吸っている子供は、見ていてかわいいものですが、大きくなっても使い続けているのは問題です。大きくなってからも使い続けているとどのようなことが起こりうるのでしょうか。
歯並びが悪くなる
おしゃぶりを長い間使い続けると、歯並びが悪くなるおそれがあります。
具体的な影響としては、上下顎の前歯の向きに異常が起こる可能性です。
どういうことかといいますと、おしゃぶりを吸うと、上顎の前歯と下顎の前歯の間に挟まります。
すると、おしゃぶりが挟まることで、上顎の前歯を前方に傾かせ、下顎の前歯が内側に倒れ込ませる力が歯にかかってくるのです。
このために、上顎前突、いわゆる出っ歯になると考えられます。
指しゃぶりをひきおこす
おしゃぶりに長い間親しんでいると、おしゃぶりを止めさせようと取り上げると、代わりに自分の指をしゃぶり始めることがあります。
指しゃぶりの癖も、歯並びを悪くさせる要因のひとつです。しかも、自分の指ですからいつでもしゃぶれるので、なかなかやめさせることができません。
おしゃぶりが癖になる前に、おしゃぶりを使うのを中止したほうがいいでしょう。
咬爪癖をひきおこす
指しゃぶり以外に、咬爪癖(こうそうへき)とよばれる指の爪を咬む癖につながる可能性があります。
咬爪癖も、前歯の歯並びを悪くさせる、つまり出っ歯になる要素のひとつです。また、指しゃぶりとは異なり、爪の変形の原因にもなり得ます。
咬爪癖を生じる前に、おしゃぶりが癖にならないように止めさせた方がいいでしょう。
舌癖を生じさせる
舌先は、本来は上顎前歯の裏側の歯茎に当たるような位置にあるのが正常とされています。
ところが、おしゃぶりを使い続けていると、おしゃぶりに舌を当てるようになります。
おしゃぶりに舌を当てる癖は、おしゃぶりをやめたのちに舌先を前へ前へと出す癖につながります。
つまり、舌先が上顎前歯の裏側の本来あるべき位置に当たらなくなるのです。これを舌癖といいます。
舌癖も、歯並びを悪くさせる原因のひとつですし、発音も不明瞭にさせるという悪影響もあります。
舌足らずな話し方をしている場合、舌癖が隠れていることが多いです。はっきりしゃべらないときは、舌癖があるかもしれないと疑ってみてください。
おしゃぶりの卒業の仕方
大人になってもおしゃぶりをしている人っていませんよね。多くの場合、強制しなくても自然と止める時期がやってきます。
それでも、早めにおしゃぶりを卒業させたいときには、こんな方法がありますよ。
おしゃぶりに細工をする
おしゃぶりには、袋状の乳首がついています。ここに赤ちゃんが気がつかない程度の小さな穴を開けるのです。
すると、空気が漏れますので、吸ったときの感覚が変わります。おしゃぶりを吸っても、楽しくなくなるので、自然としゃぶらなくなります。
おまじない
おしゃぶりの乳首部分に好きなキャラクターものの絆創膏やシールを貼ります。そして、キャラクターに向かって、おしゃぶりを卒業するためのおまじないをかけます。
大人には、何じゃそれって感じですが、子供には効果絶大だったりします。台詞は何でもいいので、おまじないをかけてみてください。
時間を区切る
「昼間は使うのを我慢しようね」という感じに、使わない時間帯を少しずつ増やしていくのもおしゃぶりを卒業させるのに効果的です。
無くしたことにする
買い物などの外出の機会を利用して、おしゃぶりを外に持っていきます。もちろん、持っていくところは子供さんにはっきりとアピールしておくことを忘れてはいけません。
そして、何処かで落としたことにするのです。帰宅してからそのことに気づいたふりをして、数日後にまた買いに行こうと言っておきます。
少々強引な手法なので、そのときはぐずぐずと起こると思われますが、翌日か翌々日にはおしゃぶりのことはけろっと忘れていることが多いようです。
おしゃぶりを紹介
amazonでレビューの比較的高いものからおすすめのおしゃぶりを紹介します。
①ジーニアス2.0
ドイツNo.1のおしゃぶりブランドNUKの製品です。
このおしゃぶりの形は、授乳時の乳首を再現しているので、赤ちゃんがお口を積極的に動かすように促す効果があります。これによって、 6ヶ月頃までのお口の周囲の筋肉の発育を促します。
シリコン製で軟らかく曲がりやすいので、下の自然な運動を妨げず、上顎にフィットしやすいです。
熱湯消毒、薬液消毒、電子レンジ消毒に対応しており、お手入れもしっかりできますので安心です。
②ハッピーデイズ
ハッピーデイズもNUK製のおしゃぶりです。
こちらは、6〜18ヶ月の赤ちゃん用です。
シリコン製で軟らかく、左右にスリットが設けられており、空気やよだれを効率的に外へ逃すことが出来るので、使い心地が快適です。
もちろん、顔にもピッタリフィットするので、自然な鼻呼吸を促す効果もあります。
お手入れは、熱湯消毒に対応していますが、電子レンジ消毒や薬液消毒は取扱説明書に従って行なってください。
③デンティスター
デンティスターは、ドイツの医師によって考案された出っ歯になりにくいシリコン製のおしゃぶりで、デザインに3つの特徴があります。
まず、厚みが薄いという点です。前歯や上顎に負荷がかからないようにしています。
次いで、下が入るスペースをしっかり確保しているところもポイントです。舌がおさまる空間を十分確保することで、はに余計な力をかけないようにしているのです。
3つめの特徴が、歯の形に自然にフィットしているデザインです。自然な噛み合わせに成長させます。
これらの特徴によって、出っ歯にならないようにします。
デンティスター1は0〜6ヶ月児に、デンティスター2は、6ヶ月〜1歳児に適しています。
④ピジョン おしゃぶり
こちらは日本のピジョンが発売しているおしゃぶりです。
Sサイズは0ヶ月以上、Mサイズは3ヶ月以上、Lサイズは6ヶ月以上が対象です。
シリコン製でやわらかく、お口にフィットしやすいのが特徴です。
歯並びや噛み合わせに影響しにくいようにデザインされています。
お手入れの面もきちんと考えられており、熱湯消毒、薬液消毒、電子レンジ消毒に対応していますから、安心です。
⑤コンビ テテオおしゃぶり
日本メーカーのコンビがデザインしたおしゃぶりなので、日本人の赤ちゃんのお口を研究して作られています。
つまり、日本人にフィットしやすいおしゃぶりと言えます。
洗浄しやすいように配慮してあり、衛生的なところもいいですね。
月齢に応じてサイズがS・M・Lの3種類あります。
まとめ
おしゃぶりは、赤ちゃんの機嫌を良くして泣き止ませる効果があります。
けれど、赤ちゃんが泣いているときにはまずは、抱っこしたり授乳したりと触れ合ってあやすことからはじめてください。
おしゃぶりが登場するのはその後からです。
ただし、おしゃぶりを長い間使い続けるのは、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすおそれがあります。
おそくとも2歳までにはやめさせるようにしてください。
ひとことでおしゃぶりといっても、いろいろな種類があります。
選び方に迷ったときは、今回紹介したポイントを利用して選んでみてください。きっとお子さんにあったおしゃぶりがみつかることでしょう。