子供が急に熱を出したら?解熱剤の種類とその使い方【薬剤師が解説】

解熱剤

子供が熱を出したら、熱を下げるために解熱剤を服用させる方もいるでしょう。

しかし解熱剤を服用させる必要があるとは限りません。

むしろなるべく解熱剤を使わない方が、体内の免疫細胞が活発に働いて病気の治りを早め、風邪に負けない体を作ることができます。

また子供に使える解熱剤の種類、解熱剤の使い方なども決まっているので、この点を把握しておけば子供が急に熱を出してもしっかり対処できます。

この記事では子供に使える解熱剤の種類とその使い方について解説します。

おすすめの市販の解熱剤についても紹介しますので、参考にしてください。

解熱剤とは

薬

ここでは解熱剤の働きについて、発熱の仕組みも踏まえて見ていきましょう。

解熱剤とは

解熱剤とは、体が発熱したときに熱を下げさせる作用のある薬剤のことです。

血管を拡張させて熱を発散させたり、熱を産生させる酵素の働きを阻害したりすることで、熱を下げる働きがあります。

発熱の仕組み

風邪 ウイルス

風邪 ウイルス

人間の体は、体内にウイルスや細菌などの病原体が侵入すると、体温を上げて病原体と戦う体制を整えます。

暖かい格好をさせるために寒気を感じさせる、筋肉を震わせて熱の産生を促す、といった症状はすべて体温を上げるための仕組みです。

なぜ病原体が侵入したときに発熱するのかというと、これは体温を上げた方が病原体の増殖を抑えられ、なおかつ体内の免疫細胞の働きが活発になるからです。

つまり、発熱は体がウイルスなどの病原体と戦っている証拠。

急な発熱でも慌てることはありません。

体はしっかりと病原体と戦い、免疫力を高めて風邪に負けない体を作ろうとしているのです。

解熱剤の種類

薬

それでは解熱剤の種類にはどのようなものがあるのか、成分と剤形の2つの観点から解説します。

子供によく使われる解熱剤の成分

一般的に、子供に推奨される解熱剤は「アセトアミノフェン」という成分を含んだものです。

アセトアミノフェンは子供でも使用例が多く、もっとも副作用の少ない解熱剤であると言えるでしょう。

病院で処方される薬であれば、アンヒバやカロナール、幼児用PL顆粒などがこれにあたります。

アセトアミノフェンでは解熱効果が足りないときは、5歳以上の子供であれば「イブプロフェン」を含む薬が処方される場合もあります。

大人がよく使う解熱剤は子供にはNG

「ロキソプロフェン(商品名:ロキソニン)」や「アスピリン(商品名:バファリン)」などの大人がよく使う解熱剤は、子供が服用した場合の安全性は確立されていません。

家にあるからといって、大人用の解熱剤を子供に飲ませないようにしてください。

解熱剤の剤形

粉薬 シロップ

粉薬 シロップ

大人であれば錠剤で飲むのが一般的ですが、子供の場合はその剤形にもいくつか種類があります。

病院で処方される薬で多いのは粉薬やシロップです。

粉薬の中でも甘みをつけて飲みやすくしたドライシロップと呼ばれるものもあります。

ドライシロップは、水に溶かすと液体のシロップのように飲めます。

そのほか、吐いてしまって飲み薬が飲めない場合には坐薬が処方されます。

子供に解熱剤を使える?

子供に解熱剤は使えるのか、どのような状況で使うべきなのかを解説します。

熱が出たらすぐ飲ませた方がよい?

熱を下げるためにすぐ薬を飲ませた方がよいと思われる方もいるかもしれませんが、発熱は体がウイルスや細菌などの異物と戦っているサイン。

小さくても、しっかり自分の体を守ろうとしている最中なのです。

熱を下げることではなく病気を治すことが目的なので、多少熱があるからと言ってむやみに解熱剤を飲ませる必要はありません。

病院で処方される場合も、1日3回など定期的に飲ませるのではなく、熱があるときに飲ませる屯用として処方されることがほとんどです。

高熱でつらそうなら解熱剤を

熱があっても元気そうであれば解熱剤を使う必要はありませんが、高熱でつらそうだったり、ぐったりしていたりする場合には解熱剤を服用させましょう。

また熱があって食欲がない場合も、栄養不足や脱水などになってしまう恐れがあるので、異物と戦っている体をいったん休ませるためにも、解熱剤を服用させた方がよいでしょう。

解熱剤を使わない看病は保護者の負担も大きい

高熱でなければ、できる限り解熱剤を使わない方が望ましいですが、一方で解熱剤を使わない看病は保護者の負担が大きくなります。

子供が泣いたりぐずったりしますし、脱水にならないようにこまめに水分補給させる必要があります。

看病疲れで保護者の方がダウンしてしまっては大変なので、子供の様子も見極めながら、上手に解熱剤を利用するとよいでしょう。

熱性けいれんの既往があるなら解熱剤は使った方がいい場合も

熱性けいれんとは、生後3ヵ月から6歳までの子供において、38度以上の熱があるときに生じる一時的なけいれんです。

体温の変化に伴い現れるもので、子供の10人に1人は熱性けいれんを起こすと言われています。

ただし解熱剤を使っても熱性けいれんの予防になるわけではなく、熱性けいれんの既往がある場合には、熱性けいれんを予防する坐薬を使ったうえで解熱剤を投与するよう医師から指導されることもあります。

熱性けいれんは起こってもそのほとんどが症状は数分おさまり、またスヤスヤと寝てしまいます。

熱性けいれんが起こってもまずは慌てず、けいれんが消失するのを待ちましょう。

そして次回発熱で病院を受診する際にけいれんがあったことを医師に相談し、解熱剤を使うかどうか指導を受けるようにしてください。

解熱剤の使用に注意が必要な病気

子供 風邪

よくある風邪であれば解熱剤の使用は問題ありませんが、中には解熱剤の使用に注意が必要な病気もあります。

インフルエンザや水痘などの感染症にかかっている場合、アスピリン(商品名 : バファリン、PL顆粒など)を含む解熱剤は、まれでありますが「ライ症候群」という意識消失なども伴う小児特有の病気を引き起こすことがあります。

またインフルエンザの場合、一部の解熱剤が「インフルエンザ脳症」を引き起こすきっかけとも考えられています。

インフルエンザや水痘による発熱がある場合には、病院では安全性の高いアセトアミノフェンが処方されます。

インフルエンザや水痘による発熱が疑われる場合は、使えない解熱剤があるので注意が必要です。

自分で判断せずに子供を病院へ連れていきましょう。

解熱剤はどのように使うの?

ここでは解熱剤の使い方について、服用のタイミングについて解説します。

解熱剤を服用させる体温の目安

一般的には体温が「38~38.5度以上になった場合」と言われますが、これはあくまで目安と考えてください。

38度以上の熱があっても元気そうであれば、無理に服用させる必要はありません。

逆に、38度より低くてもつらそうであれば、熱が上がり始めたなと思ったタイミングで服用させて大丈夫です。

服用時間の間隔

解熱剤の服用時間は、少なくとも4~6時間は空けるようにしましょう。

解熱剤の効果は一時的ですので、病気が治らない限り熱はまた上がってしまいます。

熱が再び上がったからといってすぐ次の薬を服用させると、薬剤の血中濃度が高くなり体温が下がり過ぎてしまう可能性があります。

また1日の服用回数の上限は3回までです。

服用時間の間隔と服用回数はしっかり守りましょう。

粉薬を飲むのが苦手な場合

粉薬の解熱剤を飲むのが苦手な場合は、1歳以上の子供であればジュースやヨーグルト、ジャムなどの趣向品に混ぜて服用させる方法もあります。

まだ授乳中の場合は、母乳やミルクなどに混ぜると味が気に入らなかったときに主食を口にしてくれなくなってしまうことがあります。

母乳やミルクに混ぜるのは避けるようにしてください。

なお、解熱剤以外の薬剤によってはジュースやヨーグルトに混ぜると苦みが増すものもあるので、心配であれば医師や薬剤師に事前に確認するとよいでしょう。

坐薬の入れ方

坐薬

坐薬

吐き気や嘔吐がある場合は、解熱剤を服用しても戻してしまう可能性があります。

そのようなときには坐薬を使いましょう。

坐薬は体温で溶ける構造になっているので、夏場など暑い室内では溶けてしまうことがあります。

基本的には冷蔵庫での保管が望ましいです。

冷蔵庫から坐薬を取り出したら、そのまま入れると少し刺激がある場合があるので、手で少し温めるか、使用する少し前に室温に戻しておくとよいでしょう。

挿入しにくい場合は、ベビーオイルをつけると入れやすくなります。

押し込んだ後は、出てこないようにおむつや下着の上からしばらく押さえておきます。

もしすぐ坐薬が出てきてしまった場合は、坐薬が溶けていないかを確認しましょう。

溶けていたら坐薬の一部が直腸から吸収されていると考えられるので、追加では投与しないでください。溶けていない坐薬が丸ごと出てきた場合は、坐薬をもう一度入れ直して大丈夫です。

おすすめの市販の解熱剤

薬

子供が熱を出したら、心配であれば病院を受診した方がよいでしょう。ただ診療時間外であれば、それまで市販の解熱剤を使うのも一つの方法です。

ここからはおすすめの市販の解熱剤をピックアップしていきます。

なお、以下で紹介する製品は全てアセトアミノフェンを主成分とする解熱剤なので、子供にも安心してお使いいただけます。

小児用バファリンCⅡ

成人用のバファリンはインフルエンザや水痘による発熱の場合は避けた方がよい「アスピリン」を含んでいますが、この小児用バファリンCⅡの有効成分はアセトアミノフェンだけ。

インフルエンザなどの感染症があっても服用できる解熱剤です。

3歳から15歳の子供に使え、フルーツ味で飲みやすい顆粒です。

【第2類医薬品】小児用バファリンCII 48錠
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小児用バファリンチュアブル

小児用バファリンのチュアブルタイプ。

口の中で溶かすかかみ砕いてから服用できるので、錠剤が苦手な子どもでも飲みやすく作られています。

こどもパブロン坐薬

吐き気などがあって飲み薬が服用できない場合にも使える坐薬タイプです。

対象年齢は1歳以上で、1~2歳の子供であれば必要に応じてカッターなどで半分にカットして使います。

【第2類医薬品】こどもパブロン坐薬 10個
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まとめ

子供が熱を出したら、それは小さな体でウイルスなどの病原体と戦っているサインです。

元気そうであれば解熱剤を服用させる必要はありません。

ただしつらそうなときや食事が喉を通らない場合は、必要に応じて解熱剤を服用させ、病原体との戦っている体をいったん休ませるようにしましょう。

解熱剤を使うときは用法・容量を守るとともに、インフルエンザや水痘による発熱が疑われる場合は速やかに子供を病院に連れていくようにしましょう。