もくじ
妊娠中は、ママの身体の中では、どのような変化が起こっているのか、赤ちゃんは、お腹の中でどのように成長していくのか、とても気になりますね。今回は、妊娠36週目の母体の変化や赤ちゃんの様子をご紹介しましょう。
妊娠36週目の母体の変化

妊娠36週とは、妊娠10ヶ月で、いわゆる臨月といわれる時期です。
いつ赤ちゃんが産まれてもいい時期で、ママの身体も出産に向けて変化していきます。
なんと、ママの身体は1週間ごとに変化するとも言われています。具体的に、どのように変化するのか、みてみましょう。
1.お腹の膨らみが下がる
この時期になると、赤ちゃんは骨盤内に下がり、ママのお腹の膨らみも、だんだんと下がっているのが分かるでしょう。
胃や心臓への圧迫がなくなるため、胃のもたれや息苦しさからは解放され、食欲が増進しますが、食べ過ぎには注意しましょう。
2.頻尿になる
赤ちゃんが骨盤内に下がることで、今度は、膀胱が圧迫され、頻尿となります。
トイレに行く回数が増え、中には、10~15分おきにトイレに行きたくなる方もいます。
尿意を感じたら、我慢せず、その都度、トイレに行き、膀胱を空にしましょう。
3.腰や足の付け根に痛みを感じる
子宮が骨盤内に入り、神経を圧迫することで、腰や足の付け根に痛みを感じやすくなります。
よい姿勢を維持するようにする、軽いマッサージや温めることでも痛みが和らぎます。
妊娠36週目の胎児の様子
この時期の赤ちゃんは、4頭身くらい。身体の機能も成熟し、いつ外の世界に出てきても大丈夫。
1.子宮いっぱいに成長
妊娠36週の赤ちゃんの身長は平均47.4㎝、体重は2.6㎏。
子宮内には、ほとんど余裕がないので、四肢を曲げて、体を引き寄せ、くるりと丸まっています。
赤ちゃんが動くと、お腹の表面に手形や足形が見えることもありますよ。
2.すべての臓器がほぼ完成
呼吸器や消化器など、すべての臓器が完成します。赤ちゃんの体重が2500gを超えると、肺呼吸や体温調節が可能になるといわれています。身体の機能も成熟し、病気に対する免疫も胎盤を通して受け取っているので、いつ外の世界に出てきても大丈夫。
3.オリエンティング・レスポンス(定位反応)
これは原始反射の一つで、ママのお腹に強い光を当てると、赤ちゃんは光の方向に顔を向けるようになります。この反射があることは、赤ちゃんが正常に育っている証拠です。
妊娠36週目の注意点

1.体重管理は、最後まで頑張ろう
赤ちゃんが骨盤内に下がると、胃の圧迫感がとれ、食欲がでます。また、お産に向けてのストレスや「あと1ヶ月だから」という気のゆるみから、つい食べ過ぎてしまう人も。最後の1ヶ月で、急激に体重が増える方も少なくありません。急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群を引き起こしたり、お産を長引かせる原因にもなります。最後まで、体重管理を心がけるようにしましょう。
2.外出時には、出産準備を忘れずに
「外出時にお産が始まったら大変」と、外出を控えがちになる方もいますが、特に医師から注意を受けていなければ、外出しても大丈夫。
むしろ気分転換や体力づくりのために、無理のない範囲で外出することをお勧めします。
ただし、外出する際には、次のものを準備して、出かけましょう。
- 母子健康手帳
- 健康保険証
- 病院の診察券
- 携帯電話
- 緊急時のタクシー代
- 破水した時のために、生理用ナプキン
- 大きめのバスタオル
誰かと一緒に出掛けるのが理想ですが、一人の場合は、家族に行先を伝えておくと安心ですね。
今後に向けての準備

1.安産に向けて体づくり
臨月になるとお腹が大きくなり、体を動かしにくくなりますね。
しかし、安産を迎えるためには、適切な体づくりが必要です。お産をする時は、足を大きく開くので、股関節の柔軟性は大切。
また、骨盤底筋を鍛えることで、産道をスムーズに広げることができます。
そこで、これらの体づくりに最適なエクササイズをご紹介しますね。
<エクササイズ>
各エクササイズを1日10回を限度に、できれば毎日、行うようにしましょう。
1)股関節をほぐす
- あぐらをかいて座ります。
- 背筋を伸ばし、何回か深呼吸します。
- 姿勢を維持したまま、鼻からゆっくりと息を吸います。
- 口らかゆっくりと息を吐きながら、両手で両膝を押して、股関節を伸ばします。
5秒間キープしましょう。
2)太ももを伸ばす
- 足を肩幅に開いて立ちます。背中が丸まらないよう、背筋をまっすぐ伸ばします。
- 背筋をまっすぐ伸ばしたまま、ゆっくりと息を吐きながら、腰を落とします。落とせるところま
でOK。
3)足首を伸ばす
- 椅子に深く腰掛け、姿勢を正しましょう。
- 両手で椅子の縁をしっかり持ちます。
- 片足を伸ばしたら、つま先を上げて3秒間キープ。
- つま先を下げて足首を伸ばし、3秒間キープ。
- 反対側の足も同様に行いましょう。
4)スクワットのポーズ
- 足をできるだけ大きく開き、立ちます。
- そのままゆっくりと腰を落としてしゃがみます。
- 手を体の前に出して床につき、体重を少し前にかけます。
- そのままの姿勢で、ゆっくり腹式呼吸をします。
<エクササイズの注意点>
- お腹の張り、疲れ、痛み、めまいを感じたら、すぐに中止しましょう。
- 医師から安静の指示があった場合は、行わないようにしましょう。
2.呼吸法を覚えよう
陣痛がくると、痛みでパニックになってしまう方もいます。
そうなる前に、痛みを乗り切る呼吸法を覚えておきましょう。
痛みを乗り切るには、一定のリズムで行う腹式呼吸が効果的です。
この呼吸法には「痛みから意識をそらすことができる」「体の力を抜いて、リラックスできる」「赤ちゃんに酸素を送れる」という3つのメリットがあります。
まずは、体を締め付けない服装で、姿勢をただし、あぐらをかいて、お腹を手でさすりましょう。
そして、肩の力を抜き、目は開けたまま、鼻からゆっくりと2~3秒かけて、息を吸います。
次に、口をすぼめて、口からゆっくりと、できるだけ時間をかけて息を吐きましょう。
これらをできれば毎日、短い時間でいいので、練習しましょう。
3.いざ、という時の段取りを確認
いつ出産が始まってもいいように、出産・入院中・産後のことを決め、確認しておきましょう。
産院までの道のり、交通手段、緊急連絡先や手続きをリスト化することも必要ですね。
特に交通手段では、タクシーの場合、破水していると乗車させてもらえないケースもあります。
今は、陣痛タクシー等、出産を控えたママ専用のサービスがあります。
この陣痛タクシー(会社によっては、ファミリーサポートまたはマタニティタクシーと呼ぶところもあります)、会員登録すると24時間、陣痛時の送迎講習を受けたドライバーが対応してくれます。
シートも破水に備え、全車に防水シートを用意してくれています。
しかも、通常料金に、お迎え料金が数百円ほどつくだけ。
お住まいの地域や会社によって、サービスの内容に違いがありますので、利用を考えているかたは、事前に調べておきましょう。
まとめ

妊娠36週目は、いつ赤ちゃんが産まれてもいいくらい、赤ちゃんも成長し、ママの身体も出産に備えて準備を始めています。
しかし、まだ満期とみなされる37週までは、ちょっと早いですね。
もう少し、お腹の中で過ごせるよう、焦らずに、ゆったりした気持ちで過ごしましょう。