もくじ
授乳中にカフェインを取りすぎるのは良くないと聞いたことがあるかもしれません。
確かに、カフェインは母乳に移行するので摂取しすぎは良くないです。
それでも、授乳中にコーヒーを飲みたいという方、どのくらいなら摂取しても大丈夫でしょうか。
赤ちゃんの月齢にもよりますし、食品によってもカフェインの含有量は異なります。
意外なものにカフェインが含まれていたといいことも。
今回は、看護師で3人の母である筆者がお話しします。
カフェインとは
カフェインは何に含まれるの?
カフェインとは、コーヒー豆やお茶の葉などに多く含まれる物質です。
チョコレートの原料となるカカオにも多く含まれ、医薬品にも使用されています。
私たちの身近にある食品や添加物にも微量に含まれ、気付かないところで摂取しているかもしれません。
カフェインにはどのような作用があるの?
主に、中枢神経の興奮作用、覚醒作用や利尿効果があります。
そのため、興奮して眠れなくなったり、尿量が増えてトイレが近くなったりします。
カフェインを取り過ぎてしまうとどうなるの?
カフェインを摂取しすぎた場合、めまい、手の震えなどの副作用が表れることもあります。
ひどい場合は、頭痛や吐き気、意識障害などを引き起こすカフェイン中毒に。
授乳中にカフェインは飲んでもいいの?
授乳中のカフェイン接種は大丈夫?
個人差も大きいので、絶対大丈夫ということはありません。
母親の摂取したカフェインが母乳に移行するのは1%ほど。
種類にもよりますが、コーヒー一杯150ccにカフェインは、ドリップタイプで90㎎程度です。
各国の専門機関により考えも分かれますが、基本的にカフェインは一日200mg前後(インスタントコーヒーなら1,2杯)なら大丈夫という考えです。
それでも、様々な作用があるので、可能な限りカフェインを控えた方が無難という考えが主流です。
カフェインを摂取したら?
カフェインは母乳に移行しますので、赤ちゃんもカフェインを摂取することになります。
カフェインを摂取した場合は、寝ない、興奮する、泣き止まないなどの様子はないか、赤ちゃんをよく観察しましょう。
授乳中のカフェインの目安は?

控えるのにこしたことはありませんが、様々なものに含まれており完全に控えるのは難しいです。
コーヒーが好きな方はあまりにコーヒーを控え過ぎても、ストレスがたまり体に良くないですよね。
授乳中、どの程度ならカフェインを摂取しても大丈夫でしょうか。
授乳中のカフェイン摂取量に決まりはある?
前述の通り、各国の専門機関により考え方も様々で決まりはありませんが、おおよそ一日200mg前後となります。
カフェインの分解能力にも個人差が大きいので、あくまで目安です。
自分の体調や赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。
赤ちゃんの月齢により変わる?
大人でも、カフェインを分解代謝するのに時間がかかります。
赤ちゃんも月齢が低いほど、カフェインの分解能力が未熟で、体内にカフェインが蓄積されやすくなります。
赤ちゃんでも、カフェイン中毒になることがあるので、要注意です。
月齢によるカフェインの分解代謝時間
大人の場合、体内でカフェインの量が半分になる半減期は数時間です。
しかし、新生児の場合は100時間ほど。
月齢があがるとカフェインの分解能力もあがりますが、生後3~5でも14時間ほどかかります。
その分、体内に蓄積されやすいですよね。
新生児のうちだけでも、カフェインは控えるよう指導する病院もあります。
月齢によるカフェインの摂取量
上記のように、低月齢のうちは分解機能も未熟なので、より気を付けた方が良いというだけで、明確な数値や答えがあるわけではありません。
赤ちゃんの様子を見ながら、ということになります。
コーヒー1,2杯程度というのは目安ですし、他の食品でカフェインを摂取していることもあります。
一日コーヒー2杯と考えている方は、低月齢のうちはまず半分の一杯から…など赤ちゃんの様子を見ながらがお勧めです。
授乳中にカフェインを摂取するとでる影響は?
母体への影響
母親自身が覚醒作用により、睡眠不足になる可能性があります。
授乳中の赤ちゃんがいる場合、夜間も授乳に起きていることが多く、睡眠不足が続くと母親が疲れてしまいます。
また、母乳を出すために、栄養や水分が必要です。
十分水分や栄養をとっていても、カフェインの利尿作用により排泄されてしまうと、ひどい場合は母親が貧血などの栄養不足や脱水になるかもしれません。
赤ちゃんへの影響
見た目に影響がないことも多いですが、カフェインは母乳に移行するので、赤ちゃんはカフェインを摂取することになります。
個人差は大きいですが、カフェインの覚醒作用により、寝つきが悪くなったりします。
また、興奮作用により泣き続けたり、異様にハイテンションだったりということもあります。
カフェインの多い飲み物や食べ物
カフェインの多い飲み物として、コーヒーがあげられますが、他にもカフェインが多いものはあります。
飲み物だけでなく、カフェインは食べ物にも入っています。
具体的には、どの程度カフェインが含まれているのでしょうか。
コーヒー
カフェインの多い飲み物の代表ともいえますね。
インスタントコーヒーなら、一日1,2杯程度が目安ですが、コーヒーも種類によりカフェイン量が大きく異なります。
ドリップ式よりエスプレッソタイプの方がカフェインの含有量は減ります。
そのため、お店で飲む場合は、お店によって異なることも。
自分の好みとカフェインの量をよく考えてみましょう。
お茶類
意外に、コーヒーよりカフェインが多いものがあります。
玉露タイプは、150㏄あたりカフェインは180mg もあり、コーヒーの倍近くあります。
また、抹茶は50㎎ほどで、お茶類は新芽を原料としているものほど、カフェイン量は増える傾向です。
紅茶や、緑茶、ウーロン茶などは30㎎ほどとなります。
授乳中に水分補給は大切ですが、知らないうちにカフェインを取りすぎていることのないよう注意しましょう。
栄養ドリンク
眠気覚ましの栄養ドリンクは、よくありますよね。
覚醒作用があるものが多く、カフェインが多く含まれています。
コーヒーと同じ量の栄養ドリンクをのむことはまずないでしょう。
しかし、100cc単位のカフェイン含有量は商品にもよりますが、コーヒーより栄養ドリンクの方が多いです。
中には、カフェインが少ない物ありますが、赤ちゃんには刺激の強い成分も多いです。
夜間授乳で眠い…疲れた…などで栄養ドリンクを飲みたい時は、よく確認しましょう。
チョコレート
カフェインの多い食べ物としてチョコレートがあります。
原料となるカカオにカフェインが多く含まれているため、カカオの多いダークチョコレートほどカフェインは多くなります。
商品により差はありますが、板チョコ1枚50gでカフェインは40mg前後となります。
食べ過ぎには注意しましょう。
薬にもカフェインは含まれる
授乳中の薬は、とても慎重になりますよね。
飲むにしても、医師に相談している方が多いのではないでしょうか。
授乳中と伝えて病院で処方された薬ならば、大丈夫なものがほとんどですが、薬にはカフェインが含まれているということも頭にいれておくと心強いです。
赤ちゃんに変化が表れた場合など、すぐに相談するようにしましょう。
カフェインの少ない飲み物や食べ物

ハーブティー
麦茶やルイボスティー
麦茶やルイボスティーは基本的にカフェインは含まれていません。
どちらも妊娠中や赤ちゃんにもお勧めの飲み物で、ミネラルなどの栄養分も豊富でお勧めです。
チョコレートはブラックよりミルク
商品にもよりますが、カカオの含有量の多いブラックほどカフェインの含有量は増えます。
食べ過ぎると糖分などの心配はありますが、カフェインに関してはミルクチョコレートの方が安心です。
ノンカフェインだと安心
最近は、妊娠中、授乳中の女性向けにお茶やコーヒーなど、ノンカフェインのものも増えてきました。
ノンカフェインと表記していることが多いので、カフェインが含まれているかも?と思う時は、ノンカフェインの商品がないか探してみましょう。
カフェインの過剰摂取を避けるために

カフェインは多くのものに含まれていますよね。
完全に避けるのは不可能ですし、個人差はありますが授乳中に絶対ダメいうわけでありません。
ストレスの少ない生活を送るために、どのように気を付ければ良いでしょうか。
コーヒーを飲みたい場合
抽出方法を変えるなど、カフェインが少ない方法を選ぶことがお勧めです。
好みの問題もありますが、ドリップ式よりエスプレッソの方がカフェインの量が減ります。
お店によっても変わりますので、自分にあった方法を選びましょう。
ノンカフェインの商品を選ぶ
現在では、妊娠・授乳中の女性向けに、ノンカフェインのコーヒーやお茶なども多く販売されています。
チョコレートにもカフェインを減らすことを意識した商品はあります。
味が少し違うなど、人によっては物足りなく感じるかもしれません。
しかし、安心して飲めるというだけでストレスは減りますよね。
上手に取り入れてみてはいかがでしょう。
カフェイン摂取と授乳時間を調整する
母親がカフェインを摂取した場合、15分程度で血中にカフェインが移行しはじめます。
そして、2時間ほどで母乳のカフェイン量が最高になります。
その後、4,5時間後にはカフェイン量は半分になり、徐々に減少します。
低月齢児の3時間おきの授乳の場合は、授乳時間との調整が難しいですが、コーヒーなどを飲みたい場合、赤ちゃんへの移行量が少なくなるよう、授乳直後に飲むようにすると良いでしょう。
赤ちゃんが夜に寝なくなることが心配でしたら、夕方以降はカフェインを控えるなどもお勧めです。
心配なら搾乳や、ミルクなどを併用する
アルコールと違い、カフェインはそこまで神経質になる必要はありません。
しかし、気にしながら授乳するのもストレスですよね。
赤ちゃんが飲めないほどのカフェインを摂取してしまうことはまれですが、思い切って摂取後の授乳は搾乳して廃棄したり、ミルクなどで代用するのもお勧めです。
ハーブティーなど他のもので代用する
カフェインが気になり、あれもダメ、これもダメだとストレスがたまりますよね。
授乳中の女性向けのハーブティーも多く販売されています。
中には、母乳が出やすくなるハーブティーも。
筆者も数種類飲みましたが、初めての味や、おいしいものもたくさんありました。
そのうちのひとつは、授乳が終わっても愛用しています。
普段コーヒーを飲んでいたという方は、ハーブティーに変えてみるのも良いかもしれません。
まとめ
・授乳中は、母乳に移行するので、カフェインの取り過ぎに注意が必要であるが、一日1,2杯程度なら大丈夫である。
・カフェインは、コーヒーやお茶、チョコレート、栄養ドリンクなどに多く含まれる。
・カフェインには、興奮作用や覚醒作用、利尿作用などがある。
・カフェインをとりすぎると、母体も睡眠不足になったり、利尿作用により脱水や栄養不足になることもある。
・赤ちゃんがカフェインをとりすぎると、寝つきが悪くなる、興奮して泣くなどがある。
・授乳中にカフェインをふくむものを摂取したい時は、授乳時間の調整や、カフェインの少ないものやハーブティーなどノンカフェインのものを選ぶのがお勧め。