沿い乳をご存知でしょうか。
赤ちゃんに添い寝をしながら授乳することです。
初めて聞いた方もいれば、子ども全員沿い乳で育てた方もいるかもしれません。
やってみたらすごく楽!やっぱり怖くてできない!など様々でしょう。
今回は沿い乳について、メリットデメリットなど看護師で3人の母でもあり筆者が解説します。
沿い乳とは

初めての方は、沿い乳ってよく聞くけど、どういうことなの?と思うかもしれません。
まず読み方から、迷うかも?
しっかり説明していきますね。
沿い乳ってどう読むの?
実は、そもそも読み方がわからなかった…のは、第1子妊娠中だった筆者です。
「そいちち」と読みます。
添い寝をしながら、授乳することからきている名前です。
沿い乳とはどういうこと?
上記の通り、寝かせた赤ちゃんの横に母親が添い寝しながら授乳することです。
寝ながら授乳できて楽なので、現在でも沿い乳をされている母親は多いです。
出産後、赤ちゃんのお世話は大変なので、母親が楽に授乳できるのは大きなメリットです。
添い乳はいつまで?
沿い乳はいつ頃まで行うのでしょうか。
特に決まりはなく、卒乳まで行っている方もいますよね。
沿い乳の時期についてお話しします。
沿い乳は、いつから?
いつからという決まりはありません。
新生児期から沿い乳はできます。
しかし、新生児期は赤ちゃんも母乳を吸うことに慣れておらず、沿い乳の体勢だと授乳が難しい場合もあります。
また、飲み終わった後そのまま寝てしまうと、ゲップをだせずに、吐きやすくなったり寝たまま吐いてしまうと、窒息の心配もあります。
病院で授乳方法のひとつとして沿い乳を紹介しているところもありますが、沿い乳に限らず事故があるのも事実。
特に低月齢のうちから沿い乳する場合は、注意しましょう。
沿い乳はいつまで?
こちらも、決まりがあるわけではありません。
しかし、あまり大きくなっても沿い乳を続けている場合、沿い乳が癖になってきます。
そうすると、沿い乳をやめるのが難しくなり、母子ともに大変になりますよね。
楽だから沿い乳していたのに…となってしまうことも。
もちろん、母親の都合もありますし、お子さんの様子を見ながら、いつ頃まで沿い乳を行うかは個人差が大きいので、自分達にあった方法を選びましょう。
卒乳や断乳まで沿い乳して良い?
もちろん、卒乳や断乳まで沿い乳をしていても構いません。
しかし、子どもも大きくなってくると沿い乳にこだわりがでてくることもありますよね。
沿い乳をやめるのが大変になることを覚悟していましょう。
もちろん、沿い乳をしていなくても、卒乳や特に断乳に苦労は付きものなので、いずれ通る道であると、気持ちを楽に持つのも良いでしょう。
添い乳のメリット
沿い乳は、母親が楽であるということを強調してきましたが、その他にもメリットはあります。
いくつか紹介します。
赤ちゃんが安心する
母親と密着しているので、赤ちゃんは安心感があります。
安心感があると寝つきが良く、結果的に赤ちゃんがよく寝ることが多いです。
赤ちゃんとスキンシップがとれる
日中保育園に預けている、上の子がいたりすると、なかなかスキンシップの時間がとれないかもしれません。
沿い乳の時間は、心おきなくスキンシップがとれますよね。
母親にとっても赤ちゃんにとっても貴重な時間となります。
とにかく授乳する母親が楽である
夜泣きがある、夜間授乳が頻回だと、寝不足で疲労困憊ですよね。
沿い乳の場合は、布団から出ずに寝たままの体勢で授乳できるので、母親の負担は大きく減ります。
母親に横になりながら授乳している状態になり、起きて…抱き上げて…授乳して…寝かせて…となるより、楽なことが多いです。
添い乳のデメリット

もちろん、沿い乳にはメリットばかりではありません。
気を付けないと危険なこともありますので、気を付けましょう。
母親が寝てしまうと窒息の危険がある。
沿い乳をしながら母親が寝てしまうと、母親の体で赤ちゃんの顔を押しつぶすことになり、窒息につながります。
実際に、沿い乳中の事故は数多く報告されています。
特に、自分で身動きのとりにくい低月齢のうちは注意が必要です。
中耳炎になりやすいという考えもある
寝たまま授乳するので、耳の方に母乳が流れてしまう、ゲップをせずに寝てしまうことにより吐きやすくなり、吐いた場合に、耳の方に流れてしまい、中耳炎になりやすいという考えがあります。
日本では以前から言われてきたことですが、アメリカでは否定する考えもあり、はっきりとしたことはわかりません。
しかし、母乳や吐物が耳の方に流れてしまうと中耳炎になりやすいのは本当です。
沿い乳に限って起こることではありませんが、赤ちゃんの体を少し起こした状態で飲ませる、ゲップをさせるようにするなどの心掛けも、場合によっては必要かもしれません。
赤ちゃんの眠りが浅く、頻回授乳となり、逆に負担となることもある
沿い乳を続けていると、満腹になる前に寝てしまい、すぐにお腹が空く…と赤ちゃんは浅い眠りを繰り返すことにもなります。
また、絶えずおっぱいをくわえているのに慣れてしまい、目覚めた時におっぱいがないと泣いてしまうことも。
そうなると、ずっと沿い乳を続ける状態になり、母親も負担です。
沿い乳をやめたら、まとまって寝たということもあります。
沿い乳がやめにくくなる
上記の通り、赤ちゃんが頻回に泣くので、それに対応するため、沿い乳で寝かしつける…の悪循環にもなります。
赤ちゃん自身も沿い乳に慣れてしまうと、辞める時に大泣きしたり、なかなか寝なかったりと大変です。
母親が乳腺炎になりやすくなる
横になった状態で授乳するため、左右で授乳しやすい方で授乳することも増えます。
また、決まった姿勢でいるため、乳房全体を使って授乳することも減ります。
そのため、片方の母乳がつまってしまうと、乳腺炎になりやすいですよね。
沿い乳以外の時は、反対側からも授乳する、体勢を変えるなど、母乳がつまらないよう心掛けましょう。
添い乳のやめかた
もう赤ちゃんも夜間授乳が必要な月齢でもなく、大きくなってきた…など沿い乳をやめたいと思う方も多いでしょう。
沿い乳は夜間の頻回授乳になりやすく、赤ちゃんもある程度大きくなっていたら、思い切って辞めるのも良いかもしれません。
では、どのようにやめれば良いのでしょうか。
寝付く前に授乳をやめる
眠りにつく時に、おっぱいをくわえている癖がついているので、眠る時におっぱいが口にない状態に慣れるようにしましょう。
子守唄を歌ったり、ひたすら背中をトントンしたり、別の方法で安心させてあげましょう。
赤ちゃんと密着せずに寝る
赤ちゃんと密着していると、赤ちゃんもおっぱいを求めて探して泣くことがあります。
トントンする程度の距離で、密着しないようにしましょう。
可能なら、他の人に寝かし付けを変わってもらうのも良いかも。
日中、十分にスキンシップをとる
今まで沿い乳で寝ていた分、急に母親と離れると不安になってしまい、余計に寝ないということも。
日中、スキンシップを多くとるなど、赤ちゃんを安心させて満足感を得られるようにしましょう。
言葉がわかる年なら、言い聞かせる
1歳過ぎてくると、簡単な説明なら理解しはじめます。
「夜のおっぱいは今日からバイバイね」など説明し、泣かれても母親が折れてしまわないようにしましょう。
添い乳をしない時の寝かしつけ方法

沿い乳をやめたけど、なかなか寝ずに余計に寝不足になり困っているという方も多いでしょう。
もちろん、個人差はありますが、沿い乳なしの寝かしつけ方法は具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。
いくつか紹介いたします。
体に触れて安心させる
ずっと沿い乳で寝ていた赤ちゃんは、急に母親から離れると不安ですよね。
まずは、布団に寝かせ、トントンする、足をさするなど、母親と密着しない、別の方法で少しでも安心させてあげましょう。
抱っこしかないと思ったら、おんぶ
どうしても、抱っこせざるを得ないとなった場合、可能ならおんぶにしてみるのも。
おっぱいが見えないので、探すこともありません。
沿い乳以外の寝る前の習慣を作る
例えば読み聞かせなど、寝る前にこれをやる、これが終わったら寝るという習慣をつくると寝付きやすくなります。
子守唄などもお勧めです。
寝やすいように部屋を整える
まずは適温にし、暗くします。
つい触ってしまう玩具も片付けましょう。
普段は気にならなくとも、沿い乳がなく手持ち無沙汰になるとつい遊んでしまうこともあります。
他の家族のテレビの聞こえない部屋にする、他の家族に協力してもらい静かにするなども。
時には無視して寝たふり
沿い乳を求めて泣きはしないものの、慣れずになかなか寝付かないということもあります。
そのような場合、部屋の環境を整えることはもちろんですが、母親に話しかけてくる、遊んで欲しい素振りを見せても、寝たふりをしてみましょう。
母親は相手にしてくれないとあきらめますし、この時間は寝る時間だと身をもって教えることになります。
まとめ
- 沿い乳とは赤ちゃんに母親が添い寝をしながら授乳することである
- 沿い乳をする時期に決まりはないが、低月齢のうちは難しく窒息の危険性もあり、大きくなると沿い乳に慣れやめるのが難しくなることがある。
- 沿い乳のメリットは、母親が寝たまま授乳できて楽であることと、赤ちゃんとスキンシップをとり、赤ちゃんに安心感を与えられる。
- 沿い乳のデメリットは、赤ちゃんの眠りが浅く頻回授乳になりやすく、中耳炎のリスクがあるという説もある。
- 沿い乳が続いた場合、沿い乳をやめるのが大変になりやすい。
- 沿い乳の辞め方として、沿い乳なしで寝付くことに慣れさせる。
- 沿い乳なしで寝かしつける場合、環境を整えたり、沿い乳以外の習慣を作る。