皆さんの不妊治療体験談

ようやく出合った5つめの病院で、人工授精で妊娠「子どもを授かりたい、でも仕事もある。こういう悩みに寄り添ってもらえない病院では治療できないと思いました。」

36歳から本格的な治療を始めたS・Mさん。仕事をしながら治療していたため時間のやりくりが大変な中、39歳で妊娠されました。その間、5つの病院を経験。病院選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

―― 不妊治療を始めるまでの経緯を、教えてください。

結婚したのは私が28歳、夫が26歳のときでした。私は結婚前より大学院進学の希望があったため、32歳で受験。33歳から35歳まで大学院へ通いました。その後、すぐに妊娠するだろうと思っていましたが、1年経っても妊娠しなかったんです。病院で検査もしましたが、夫婦とも異常は見つかりませんでした。
その頃の私は、仕事に夢中でした。平日は朝5時起床、7時に職場、帰宅は夜8~9時過ぎ。毎晩、ワインや日本酒を飲み、残った仕事を片付けたり、論文を書いたりして、寝るのが深夜12時~1時という生活。病院まで通わなければ妊娠しないのなら、私は仕事をする人生を選びたいと思っていました。しかし年齢を重ねるにつれ、仕事はこれからも続けられるけれど、妊娠できる期間には限りがあると思い、再び病院へ。36歳になっていました。


―― 5つの病院へ通われたそうですが、転院された理由を教えてください。

5つめの病院にたどりつくまでは、いろいろなドクターに出会い、時には心ない言葉をかけられたこともありました。
「患者は裏切るから、患者の言うことは聞かない」と言われたり、不安なことを質問すると「冊子に書いてあるから読んでください」と言われたり、仕事の都合で遅れることを伝えたら、助産師さんに「やる気のない人は来なくていいです」と言われたり。
子どもを授かりたい、でも仕事もある。
そういう悩みを抱えて治療に通っていましたから、その悩みに寄り添ってもらえない病院では治療できないと思いましたし、私の思っていることや疑問に対し、親切に答えてくれる病院との出会いが大事だと思いました。

1つめの病院 35歳
夫婦とも異常がないことから、「このまま様子をみましょう」と言われました。

2つめの病院 36歳
排卵は順調、卵管通水検査でも異常なし。
10回ほど人工授精をしましたが妊娠しませんでした。

3つめの病院(不妊治療専門病院) 38歳
体外受精を提案されました。その前に卵管造影検査をすることになりましたが、指定された検査日に大事な会議が入っていたため、別の日にしてほしいと告げると「やる気がないなら来なくていい」と、治療費も受け取ってもらえませんでした。
この病院では男性の検査は重要ではないとのことで、夫の検査はしていません。

4つめの病院(不妊治療専門病院) 39歳
年齢も考慮して顕微授精を提案されました。実際に治療を進めようと思いましたが、治療に対する不安・迷いもありました。

5つめの病院(不妊治療と婦人科系の病院。妊婦や子連れ通院は不可) 39歳
不妊の原因は、はっきりとわかりませんでしたが、卵管造影検査で私の卵管の長さが一般的な卵管の長さの倍あることがわかり、AMH検査ではなんと10代と同等の数があるとわかりました。そのため排卵誘発剤などは使用せず、排卵の時間をはっきりさせるためのスプレキュアのみを使って、人工授精を2度行いました。1度目は、2ヶ月で流産。3ヶ月後に妊娠に至りました。


―― 5つめの病院のドクターはSさんにとって、何が良かったのだと思いますか?

たぶん気が合ったのだと思います。
1時間近くかけて私の話を聞いてくれ、診察が終わると夜の10時などということもありました。話の内容は、妊娠のことだけではなく、ジャズのこと、外国のこと、お取り寄せのこと、学生時代の思い出など、さまざまでした。そういう中で信頼関係を築き、最終的にドクターから「僕の腕を信じてください」と言われ、人工授精に進みました。
この病院では、人工授精は1回8万円ほどかかりましたが、たっぷり話を聞いてもらい、納得した上での治療でしたので、高いと感じませんでしたね。それまでも人工授精の経験はありましたが、同じ人工授精でも医者のとらえ方、治療の仕方がさまざまであることを知りました。
この病院は、友人にも勧めたのですが、何人かの人は「このドクターとは合わない」と言っていました。合う・合わないは本当に人それぞれなのだと思います。


―― ご主人は治療に対して積極的でしたか?

4つめの病院までは、夫は非協力的でした。
人工授精で精子は提供してくれましたが、病院に行くことはなく治療にも無関心でした。
しかし、5つめの病院ではドクターが夫とも話がしたいとのことだったので、ほぼ一緒に通院しました。夫も、ドクターと話すのが面白かったようです。
また、男性の検査結果についてはドクターから直接、夫に説明してもらえたので、夫にとっても安心できる病院だったと思います。「自分の体のことは自分で聞いた方が良い」ということで、そのように言ってくれた病院は初めてでしたね。

―― 不妊治療中、一番つらかったのはどんなことでしょうか?

時間のやりくりができないことです。
10年以上仕事をしてきて、それなりの立場もあるので、簡単に職場を抜けることはできません。仕事が忙しい時期に通院が重なると、通院をやめてしまうこともありましたし、夜8時~9時に診察を終えて職場に戻り、仕事をしたことも何度もあります。
そのため、私は職場の方々に、治療をしていることを打ち明けました。月に何度か病院へ通いたいこと、迷惑をかけるが出産できる年齢に限りがあることなどを伝えて、なるべく協力してもらいました。陰口をたたかれたり、病院へ行きたいのに仕事をまわされたりしたこともありましたが、一度職場を離れ、また戻ってきて仕事をすることで解決しようと努めました。仕事を手伝ってもらえたときは、とてもありがたかったですし、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

―― ズバリ、妊娠・出産できた理由は何だと思いますか?

「もういいか」とあきらめたときに肩の力が抜け、妊娠につながったと思います。不妊治療しているのだから、妊娠しなければならないという思いが強くありましたが、できなかったら仕方ないと思い治療に臨んだら、妊娠しました。「この先生のところで妊娠しないのなら、他の病院へ行ってもダメだろう」と思ったのもあります。
あと、私はお酒が好きなのですが、妊娠するために減酒・禁酒をしていました。でも飲まないことでストレスがたまるんです。だったら、飲んでしまえと、飲みたいだけ、飲みました(笑)。そして、日々の生活を楽しみました。やりたいことはやり、とにかく充実させる。後悔しないようにする、と思い仕事も趣味も治療も取り組んだら、妊娠できたように思います。


―― クリニック選びのコツとは何だと思いますか?

自分の納得できる病院や医者との出会いを大切にすることだと思います。今の病院や治療に対し、疑問や不満がある場合は、セカンドオピニオンをとることをオススメします。別の病院へ行くと、治療法も考え方も違って、新鮮です。たくさんの病院と比較しすぎると、逆に迷いも生じると思いますが、高いお金をかけての治療。“ここでなら頑張れる”という気持ちになれる病院を見つけて欲しいです。


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