赤ちゃんが生まれてからずっとお世話をしてきて、今ではようやく育児にも慣れてたころではないでしょうか。
この時期に、次に赤ちゃんのことで気にかかるのは、身体の発達のことが多いようです。
首がすわって、次は寝返りをするということは知っているけれど、「いつ頃するのが普通なの?」「練習はしたほうがいいのかな?」と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
ここでは、寝返りをする時期や練習の必要性、寝返りをするようになったときの注意点などを詳しくお話します。
寝返りとは

寝返りとは、仰向けに寝ていた赤ちゃんがうつ伏せの状態になることをいいます。
うつ伏せから、また仰向けに戻ることを寝返り返りといいます。
寝返りができるようになると、赤ちゃんが見える視野が変わります。
これまで赤ちゃんは、寝ているときにはほとんど天井しか見えなかったのが、自分の目の高さのものがたくさん見えてきます。
また、横を向いて見えていたときとも違う見え方をします。
視力もだんだん良くなってくる時期で、色々見えるとたくさんの興味がわき、よい刺激を受けられますね。
寝返りの時期

母子健康手帳の乳児身体発育曲線のページに首のすわりや寝返りのおおよその時期が示されています。
それによりますと、首がすわるのは生後3−4か月頃とされています。
その後、4−6か月頃に約9割の赤ちゃんが寝返りができるようになります。
首がすわわらないと自分で首を支えられないので、寝返りするのは難しいですね。
寝返り前のしぐさ
赤ちゃんは、生まれて間もなく手足を少しずつ動かしています。
寝返りをする前になると、活発に手足や身体を動かして、横を向きそうになることがあります。
そうなると、もう少しで寝返りができるようになるかもしれませんね。
両足をを上げたり腰をひねったりするしぐさは、寝返りをする前によくあります。
赤ちゃんは、自分で思うように身体を動かすことが難しいですから、少しずつ自分の身体の動かし方を練習しているのです。
腰をひねって、首を後ろに反らせて肩を持ち上げていくと、身体が横向きになっていきます。
しかし、あと少しで腕が抜けなかったり、完全にうつ伏せにならなかったりして、もがいていることがよくあります。
そんなときには、少しお尻を押してあげたり、腕を抜いてあげたりして少し手伝うとよいでしょう。
寝返りできずに赤ちゃんが泣いたり、機嫌が悪くなるようなら、無理をせずに赤ちゃんを抱き上げて、リラックスさせてあげるといいですね。
寝返り練習の必要性

寝返りができるようにしようと練習する必要はありません。
無理をして、赤ちゃんに寝返りをさせようとすると、身体を痛める可能性があります。
同じ月齢くらいの赤ちゃんが寝返りができるようになったと聞くと、親としてはだんだん不安になってきますよね。
でも、焦らないで下さい。
赤ちゃんは、その赤ちゃん個人の発達過程で発達していきます。
「まだ寝返りをする時期じゃないのかな」「仰向けが好きなのね」と前向きに捉えて、待ってあげましょう。
赤ちゃんがのびのびと育っていけるように、親としてはそばで見守ることができるといいですね。
4−6か月でも寝返りをしない

寝返りができるようになると言われている時期になっても、寝返りをする気配がない場合、それは冬で厚着をしていて動きにくいのかもしれません。
または、まだ筋力が弱くて寝返りをする準備ができていないのかもしれません。
身体が大きい赤ちゃんは、自分の身体を支えるだけの力がいるので、寝返りしづらいこともあります。
寝返りをする前の赤ちゃんは、足や手を活発に動かしています。
「あまり手足を動かしていないな」と感じたときは、スキンシップ程度に赤ちゃんの身体を横に向けたり、好きなおもちゃを赤ちゃんの横に置いたりして興味をひいてみましょう。
決して無理な寝返り練習はしないでくださいね。
生後6−7か月でも寝返りをしていない場合、6−7か月の健診で寝返りをしたかどうかを確認しますので、その時に医師に相談するとよいでしょう。
寝返りした時の注意
寝返りをすると思わぬ事故につなることがありますので、注意が必要です。
3つのポイントにまとめました。
窒息
寝返りしたての赤ちゃんにとって、寝返りの後にまた仰向けになることは難しいことがあります。
うつ伏せのままもがいているときもありますし、泣くときもあります。
仰向けに戻れなくて、つらいことを知らせてくれればいいのですが、そのままうつ伏せで寝てしまうことがあります。
赤ちゃんがうつ伏せのままだと、窒息する可能性がありますので注意が必要です。
うつ伏せに気がついたら、赤ちゃんを仰向けにしてあげましょう。
ベッドや布団は赤ちゃん用の比較的硬めのものを使うといいですね。
転落
寝返りができるようになると、これまでベッドの上でじっと寝ていた赤ちゃんは、結構な距離を移動できるようになります。
そうすると、ベッドから転落したり、ベッドの端に寄って置いてあったものにあたったりします。
ベッドの上にはティッシュやおもちゃなどは置かないようにしましょう。
どんな時でもベッド柵は必ずするようにしてくださいね。
ベッド柵がない場合、高さのある場所に赤ちゃんを寝かせたままにしないようにしてください。
ハイローチェアなどに乗せていて、きちんとベルトをしていても、赤ちゃんは大人が想像しない動きをすることがありますので危険です。
ハイローチェアなどは、親が寝るときは使用しないように、赤ちゃんを見守っていられる時間帯に使いましょう。
ソファなども、「赤ちゃんをソファに向かって縦に寝かせると大丈夫じゃないの」と思うかもしれません。
でも、赤ちゃんはまっすぐ横に向かって寝返りをするとは限りません。
赤ちゃんの身体は丸いので、本来寝かせていた向きに対して斜めや垂直になることもあります。
寝ていたら、いつの間にか頭と足が逆さになっていたということも珍しくありません。
寝返りができるようになると、親としては嬉しい気持ちになりますよね。
それと同時に事故への気配りも忘れないようにしましょう。
誤飲
赤ちゃんを高さのあるところに寝かせていなくても、結構な移動ができると、ころころと転がって行くことがあります。
転がった先に、小さなボタンやホコリなどがあると赤ちゃんの口に入る可能性もあります。
ものを上手につかむ動作ができなくても、何らかの拍子に口に含んでしまうことも考えられます。
赤ちゃんがいる部屋は、口に入る小さいものや危ないものが落ちていないかを常に確認するようにしましょう。
母子健康手帳には、チャイルドマウスという誤飲防止の直径39mmの筒の作り方が載っています。
この筒の中を通るものは赤ちゃんの口に入って誤飲する可能性があると判断できます。
ちなみに1歳未満の乳児の口には、直径32mmと少し小さめのものでも入りますので、注意が必要です。
赤ちゃんが寝返りをしたときの注意点をいくつか説明しました。
これは、危険だから寝返りをさせないようにするものではなく、赤ちゃんが発達するにつれて注意していくことがあるということです。
危険のないように、部屋の整理やチェックをして赤ちゃんにとって安全な環境が作れるといいですね。
まとめ
赤ちゃんは、日々発達しています。
その発達に一喜一憂する毎日だと思います。
「昨日できなかったことでも、今日できるかもしれない」と思って、赤ちゃんの個性的な発達を見守りましょう。
赤ちゃんの発達に合わせた環境作りや事故防止ができるといいですね。