赤ちゃんが生まれた方、特に初めてのお子さんの場合、おむつ選びに迷った方も多いのではないでしょうか。
メーカー、大きさ、用途別…本当に数多くのおむつがありますよね。
筆者は看護師ですが、それぞれ2歳半差の子どもが3人おり、一番下も2歳半で現役おむつユーザー。
7歳の一番上の子から、間を空けずに8年近くおむつを買い続けております。
今回は、おむつを選ぶコツについてお話します。
おむつとは?
排泄をコントロールできない乳幼児や高齢者などが、尿や便など排泄物を受け止めるためのものです。
人間用だけでなく、今はペット用のおむつもありますよね。
目的はひとつ?
上記の排泄物を受け止める以外にはも、例外として病院や介護施設などでは、浴室やトイレなど水を周囲に流せるところ以外で陰部洗浄(陰部を洗う)を行う際、使用することもあります。
陰部の下にひき、洗浄に使用した水分を吸収するためです。
どのような種類があるの?
テレビのCMだけでも数多くのおむつを目にしますが、体格別、用途別、形状別など様々な種類に分けられます。
大きく分けて、大人用と赤ちゃん用がありますが、今回は赤ちゃん用についてお話します。

体格別に種類は豊富!
おむつは体格別に数多くの種類があります。
細かなところはメーカーによりますが、一般的に多く販売されているものをまとめてみました。
新生児用、新生児より小さいサイズ
生まれてから約1カ月の赤ちゃんを新生児と言いますが、3キロ~5キロぐらいの赤ちゃんを対象に作られていることが多いです。
新生児はまだ、お臍も乾燥していないことも多く、メーカーによっては「おへそカット」という、おむつのお臍のあたる部分をカットしているものもあります。
また、3キロ以下の赤ちゃんを対象とした「新生児より小さいサイズ」というのも一般に販売されています。
病院向けには、1000グラム代などの低出生体重児などを対象にしたおむつもあります。
Sサイズ
メーカーにもよりますが、5~8キロ前後の赤ちゃんを対象にしています。
テープタイプが主流ですが、ここ数年でパンツタイプのSサイズおむつも発売されました。
小柄な赤ちゃん、動きが活発な赤ちゃんには便利ですね。
Mサイズ
これもメーカーによりますが、6~10キロ前後の赤ちゃんが対象となります。
テープタイプ、パンツタイプがあります。
寝返りが活発になったり、はいはいが始まったりして、おむつ替えの大変さなどにより、テープタイプからパンツタイプへ変わることが多い時期です。
Lサイズ
8キロから12キロぐらいの赤ちゃんが多いのではないでしょうか。
個人差も大きくなり、我が家の2歳半の子どもはLサイズ愛用中です。
かれこれ1年半はLサイズ、赤ちゃんというより子ども用(幼児用)おむつという感じでしょう。
おむつの中で一番売れているのがLサイズといわれていますが、使用期間の長さを考えると納得。
テープタイプもありますが、パンツタイプの方が主流になってきます。
メーカーによっては、Lサイズ以上は男女別に販売となります。
ビッグサイズ
メーカーにより、非常に体重の幅が広くなりますが、平均的には12キロ~20キロぐらいでしょうか。
最近では、トイレトレーニングを急がないのが主流になり、おむつを外れる時期も一世代前と比べると遅くなりました。
その分、大きいサイズのおむつの需要も増えます。
以前はパンツタイプのみでしたが、数年前にはテープタイプも発売。
大柄な赤ちゃんや、小学生ぐらいまで使用できることもあり、体が不自由でパンツタイプのおむつ交換が難しいお子さんなどにもテープタイプ使用されています。
ビッグより大きいサイズ
15~28キロ前後のお子さんが使用することが多いでしょう。
メーカーにもよりますし、体重の幅も大きいので、使用するお子さんも様々です。
体格の大きい子だけではなく、昼間のおむつはとれたけど夜だけ…というお子さんもいます。
また、障害などにより、おむつ卒業が難しかったり遅れてしまったりしているお子さんが、小学生ぐらいまで使えるので便利です。

用途別には?
日常生活でのおむつ
特段、使用目的が書かれていないものは日常生活で普段使いできるおむつであることが多いです。
一番数多く目にするものではないでしょうか。
前述のように体格別に多くの種類がありますよね。
夜用おむつ
ムーニーと同じユニ・チャームが販売している「オヤスミマン」など聞いたことがあるかもしれません。
昼間のおむつは卒業したけれど、夜間のおねしょだけ続いている…というお子さんが使用することが多いです。
ある程度、体の大きくなったお子さんが、夜間に長時間使用するものなので、大量の尿を吸収できるように作られています。
また、夜間寝た状態で使用することを前提としているので背中など漏れへの対策も強化してあります。
体格にあったものでも、夜間は通常のおむつでは漏れてしまう場合、夜間はオヤスミマンに変えたら、漏れなくなったということもあります。
水遊び用おむつ
名前の通り、水遊びの時用に使用するおむつです。
水にはいっても、おむつが水を吸ってもふくらみません。
しかし、通常のおむつと同じ機能はなく、水遊び中に排便してしまった時に漏れないような構造になっているだけで、尿をブロックする機能はありません。
紙おむつタイプは使い捨てで、メーカーにもよりますが、水遊びのできるお子さんを想定しているので、M、L、ビッグサイズが主流。
また、最近では洗ってまた使用できる布タイプのものもあります。
男女別のおむつ
メーカーによっては、Lサイズ以上は男女別に。
男女で吸収帯を厚くしている部分が異なります。
また、大きいサイズのおむつほど、自我の発達した大きいお子さんが使用することが多いので、男女で大きくデザインが異なっています。
尿量も増え、男女の違いもはっきりしてくる頃なので、特に比較的大きい子を対象とする夜用おむつや水遊び用おむつは、ほとんど男女別となっています。
形状別
テープタイプ
低月齢のうちはテープタイプが主流。
特に低月齢のうちは赤ちゃんの腰に負担なく変えられますが、動き回るようになると、パンツタイプに比べおむつ替えが大変になるかもしれません。
価格も同サイズのパンツタイプより安価であることが多いので、ギリギリまでテープタイプで頑張る…という方もいます。
パンツタイプ
月齢があがってくると使用するお子さんも増えてきます。
動き回るようになっても、おむつ交換もしやすいと思います。
トイレトレーニングが始まる頃には、自分ではいたり脱いだりもできるようになるので、パンツタイプは便利です。
しかし、同じメーカーの同サイズのテープタイプより割高の傾向はあります。

おむつの比較。メーカーによってどう違うの?
例えば、6キロの娘、どのおむつがいい?と迷っていた場合、自分の子が対象となるおむつが多くあり迷ってしまいますよね。
メーカーにより特徴がありますし、体格や発達によっても、選ぶ基準が変わってきます。
いくつかメーカーごとに比較してみました。
新生児用おむつでの比較
新生児おむつで3社比べてみました。
ムーニー(ユニ・チャームより販売)
名前だけは聞いたことがある方も多いのでは、と思うぐらい有名ですよね。
プーさんのデザインが可愛らしいです。
新生児用は、おへそカットがついており、おへその部分とおむつが擦れないようになっているのが人気ですが、パンパースなどに比べると肌ざわりは劣るかもしれません。
パンパース(P&Gより販売)
しまじろうデザインのものが多く、一番有名かもしれません。
個人差はありますが、肌ざわりは一番なのではないでしょうか。
産院での使用率が一番というのも安心ですよね。
パンパースにも種類があり、「はじめての肌へいちばん」というより高値のものだと、肌触りはさらに抜群です。
ただ、やはり全体的に高値ですので、値段を重視する方向けではないかもしれません。
メリーズ(花王より販売)
うさぎのデザインのものです。
全体的によく伸びて大きめに作られている印象があり、ぽっちゃりな子にもあうのではないでしょうか。
ゆったりしているので、他のメーカーの同サイズはサイズアウトしてしまったけど、メリーズはまだこのサイズが使える…ということもあるかもしれません。
ゆったりゆえでしょうか、厚手なのか一番かさばるという声も多く、スラっとしたシルエットというよりは、おしりがもこもこした感じになるでしょう。
Lサイズおむつでの比較
では、Lサイズで比較するとどうなるでしょうか。
パンツタイプが増え、メーカーによって、男女別になる時期です。
グーン(エリエールより販売)
Eテレのわんわんのデザインなので、小さい子にも親しみやすくなっています。
Lサイズでは、テープタイプとパンツタイプがあり、男女別に。
薄手で、スラっとしたシルエットになることが多く、肌触りも抜群。
その分、体格によっては多少、くいこんでしまう、規定体重内なのにきついような…ということもあるかもしれません。
マミーポコ(ユニ・チャーム販売)
何と言っても安値なのは魅力です。
安値な割には、季節ごとに変わるディズニーのデザインが可愛く、子どもも喜びます。
M、L、ビッグのみのサイズ展開でデメリットは、やはり肌ざわり、紙っぽさが強いところでしょうか。
かぶれやすさ、ギャザーの伸びなどはメーカーにより差がありますので、使用感に個人差はあると思います。
また、他のおむつの多くがポイントなどを集めて応募できる特典がある中、マミーポコにはポイントなどがありません。
Genki(ネピアより販売)
アンパンマンおむつです。
こちらもデザインが大人気で「アンパンマンのはく!」と子どもが喜んでくれるのも助かります。
マミーポコほどではないですが、安値の傾向があり、コスパも抜群です。
Mサイズからの販売で小さい子のサイズはありません。
メリーズ同様、厚手でシルエットはもこもこした感じになり、持ち運びにかさばるかもしれません。
夜用おむつでの比較
昼間のおむつは卒業し、夜間のみだけど、普通のおむつだと漏れるようになってきた…という方向けです。
体勢などの問題もありますが、体格にあっているのに漏れてしまうことが続く場合、尿量が増え吸収しきれずに漏れているのかもしれません。
そのために販売されている夜用おむつですが、メーカーによりどのような差があるのでしょうか。
オヤスミマン(ユニ・チャームより販売)
夜用に作られているので、普通のおむつより漏れにくく安心です。
男女別に可愛らしいデザインになっています。
しかし、厚手で、もこっとした形になっており、おむつ感が強く、子ども向けのデザインかもしれません。
小学生ぐらいになると、体格的には大丈夫でも、見た目で抵抗があるお子さんもいます。
ムーニーマン スーパービッグ(ユニ・チャームより販売)
同メーカーですが、こちらも基本は夜用に作られています。
体重も35キロまでと幅が広く、シンプルなデザインのため、小学生ぐらいでも抵抗が少ないかもしれません。
しかし、オヤスミマンと比べると少し値段が上がります。
・グーンおやすみ用 夜一枚安心パッド(エリエールより販売)
こちらは、パンツ型のおむつではなく、生理用ナプキンのような形になっています。
それでも用途は同じくおねしょ対策。
普通の布パンツにはりつけて使用するタイプなので、大きいお子さんでも抵抗が少ないでしょう。
値段もおむつより安値ですが、パッドタイプゆえ、パンツ型のおむつよりは慣れるまで扱いが難しいかもしれません。
おむつによって値段が違うのはどうして?
おむつを選ぶ基準のひとつに価格がありますが、どうして大きな差があるのでしょうか。
やはり質を求めると高くなりやすい
全てではないですが、やはり質を求めると価格は上がります。
触り心地もふわふわで、ギャザーもしっかりして、デザインも可愛くて…など求めるものが増えれば値段が上がるのは仕方ないかもしれません。
サイズアップすると高くなる
新生児よりSサイズ、SサイズよりMサイズと、サイズアップとともに1枚当たりの値段が高くなります。
1枚のおむつあたりに使用されている吸収帯の量なども増えるので、仕方ないでしょう。
テープより、パンツの方が高い
全てではないですが、同じメーカーの同サイズでしたら、パンツよりテープの方が1枚当たりの単価は安くなります。
ギリギリまでテープタイプを使用して節約という話も聞きます。
大量に買うと安くなる
おむつに限らないことだと思いますが、段ボールで箱買いする、同じところで定期的に買うようにしているなどで、安くなることがありますよね。
お店による差も大きいので、店舗だけでなく、ネットも比べてみると違いが値段の違いがわかります。
プライベートブランドのおむつで企業の差がでる
数年以上、おむつを買っている筆者からすると、最近は、花王やP&G、ネピア、ユニ・チャームなどの大手企業以外にもプライベートブランドが増えてきました。
もちろん、以前からあるプライベートブランドもあります。
プライベートブランドは大手メーカーより安値になることが多く、企業により特色があります。

賢く選ぶコツは?
おむつには様々な種類があり、物によって価格も様々ですよね。
賢く選ぶコツは、子どもにあったおむつを選ぶこと、あったおむつをできるだけ安く買うことではないでしょうか。
賢く選ぶコツをいくつかご紹介いたします。
おむつに何を求めるか考える
少し哲学的な表現になりましたね。
おむつに対して「とにかく漏れない」「少しでも安く」「肌に優しい」「おむつ替えしやすい」などそれぞれ求めることがあると思います。
子どもにもよりますが、おむつに何を求めるか考えてみましょう。
そして、求めるものにあったおむつを探しましょう。
とにかくお試し使用
特に、漏れない、肌に優しいなど機能面を重視する場合は、口コミなどを参考にするのも良いですが、試しに使用してみることをお勧めします。
体形などは個人差が大きいので、あう、あわないは使用してみないとわかりません。
1枚あたりのおむつの底値を確認
お店によって値段が違うのはご存知でしょう。
値段を重視する場合は、おむつ1枚あたりの値段の底値を確認します。
おむつには、パッケージにより1パックの枚数が異なるので、1パック当たりの値段でなく、1枚あたりの単価を計算する癖をつけてください。
また、実際に店舗で買うより、ネット通販で箱買いする方が安かったということはよくあります。
メーカーにこだわりがなければ、プライベートブランドを含め、様々なメーカーを調べてみましょう。
テープタイプからパンツタイプへの移行時期を考える
多くの方が低月齢の頃はテープタイプで、高月齢になってくるとパンツタイプに移行することが多いですよね。
テープの方が安値であるため、動き回る昼間はパンツタイプで、排便後の時間帯のおむつ交換や夜間だけはテープタイプで…という節約もあります。
赤ちゃんのタイプによって、テープタイプとパンツタイプでは漏れやすさが異なることもあります。
少しでもおむつ替えのストレスが減るようなおむつを選び、テープタイプとパンツタイプを併用しても良いでしょう。
成長とともに、使用するおむつを見直す
このメーカーが子どもにはあっていた!ここで買うのが一番安い!というのが見つかった方でも、成長とともにおむつ選びを見直してみましょう。
体形の変化で今まではあわなかったおむつが、使えるようになっているかもしれません。
底値はメーカーや大きさによっても様々なので、もっと安く買える方法もあるかもしれません。
ずっと同じものでも良いですが、サイズアップの機会などにおむつを見直してみるのも良いでしょう。

まとめ
おむつには本当に多くの種類があり、値段も用途も大きさも様々ですよね。
筆者の子ども達は、3人ともかぶれない強いお尻の持ち主でした。
ぽっちゃりタイプだったので、細身タイプのおむつはあいませんでしたが、その他はメーカーにこだわりがなかったので、結局3人とも値段重視でマミーポコを使用しています。
おむつ選びに正解はありません。
値段に関してはとにかく調べること、機能に関しては試しに使ってみることがお勧めです。
お子さんにあったおむつが見つかることを願っています。