月齢別赤ちゃんの成長と発達の様子
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赤ちゃんのおすわりはいつから?!時期や注意点について【看護師が解説】
赤ちゃんは、日々めまぐるしく成長しますよね。
それでは、その成長過程の一つである「おすわり」は、いつからするのでしょうか?
今回は、おすわりするために必要な体格についてもわかりやすく触れながら、赤ちゃんのおすわりの時期について解説していきたいと思います。
おすわりはいつから?
ここでは、おすわりの前兆となる動きや、おすわりをする時期について解説していきます。
おすわりの前兆
おすわりには、まずその前の段階である首すわりや、寝がえりができていることが大切です。
寝ているのにおすわりの前兆?
これがなぜおすわりの前兆なの?と思われる方もいるかもしれません。
この「仰向けになって自分の足をつかむ」という動作は、赤ちゃんの首がすわって、背中の筋肉が発達していないとできない動きなのです。
赤ちゃんが仰向けでいたとしても、手が自由に使えていれば、おすわりの準備ができているということになります。
おすわりをするのはいつから?
おすわりを始めるのは、赤ちゃんが生まれてからおよそ6~7か月くらいです。
この頃から床に両手をついて体を支えるなど、おすわりの姿勢を短時間保つことができようになってきます。
ただし、個人差がありますので、7ヶ月になってもおすわりができないといって悩むことはありません。
おすわりするための体格
生まれたばかりの頃より背骨や腹筋が発達してきます。
おすわりするための体格
生後5ヶ月すると、ほとんどの赤ちゃんは首がすわるので、背骨がしっかりしてきます。
また、寝返りできる赤ちゃんは、生まれた頃より腹筋も発達してきています。
赤ちゃんの運動量もだんだんと増えてくるので、生後7ヶ月頃になると体型が引き締まる子も出てきます。
この時期は離乳食も始まっているので、食べ具合などによってふっくらしている赤ちゃんもいれば、ほっそりしている赤ちゃんもいます。
個人差があるので、他の赤ちゃんと比較しなくてもいいでしょう。
おすわりできるようになるのは?
首すわり、寝がえりができていれば、おすわりもできるようになります。
おすわりは成長過程の一つ
おすわりするには、首と腰の運動機能が必要となります。
しかし、赤ちゃんが成長する過程の中で、首がすわる、寝返りをするといった流れをきちんとたどっていれば、大きく心配をする必要はありません。
寝返りができて、腹ばいができて、両手をついて体を起こすことで、おすわりの姿勢はできていきます。
おすわりができるのは、成長過程の一つなのです。
抗重力筋の発達
抗重力筋とは、立位や座位の姿勢をキープする筋肉です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、重力に対して抗重力筋が発達していないので、座位や立位がとれません。
成長と共に抗重力筋が発達して、座ったり立ったりできるようになるのです。
特に座位をとるのに必要なってくるのは、主に体幹の支えです。
寝返りからおすわりへの発達
ここで、一度寝がえりについて考えてみます。寝返りは、体幹を支える筋肉のひとつである腹筋が発達するために必要な運動です。
つまり、寝がえりができないとおすわりができないというのは、寝がえりをして腹筋を発達させておかなければ、おすわりの姿勢はとりづらい、ということです。
こういったことを考えると、寝返りができたあとにおすわりができるという流れは、きちんと意味があって成り立っているのだということがわかります。
おすわりして変わること
おすわりができるようになると、これまでより少し楽で楽しい生活が待っています。
縦だっこやおんぶが安定してくる
首がすわるようになれば、縦だっこやおんぶはできるようになります。
しかし、おすわりができるようになれば、より安定してだっこやおんぶができるようになります。
赤ちゃんが安定してくれると、だっこしながら買い物をしたり、おんぶしながら家事をしたりするのも今までよりはかどるでしょう。
離乳食を進めるのが楽
おすわりができると、離乳食を進めるのがとても楽です。
利き手でない手で赤ちゃんの体を支えて食べさせる方法もありますが、ママやパパはとても腕が疲れるので大変です。
椅子など支えのあるものに座れるようになるだけで、赤ちゃんの離乳食の進み具合や、食べさせる人の疲労度も違ってきます。
赤ちゃんのかわいさに集中できるので、さらにかわいいと感じる
支えなしで座ることできるようになると、今まで赤ちゃんが倒れないように目をかけたり、後ろで常に支えたりすることから、少し離れることができるようになります。
そのため、これまで赤ちゃんが転ばないように注意してきた頃から比べると、育児が少し楽になります。
赤ちゃんから目を離さないのは変わりませんが、赤ちゃんがおすわりで安定してくれるだけで、今までより笑顔やしぐさに集中できます。
そのため、さらに赤ちゃんがかわいいと感じるようになるでしょう。
赤ちゃんが両手で遊べるようになる
赤ちゃんにとってもおすわりができるといいことがあります。
おすわりができて、手をつくなどしなくてもよくなると、両手が自由に使えます。
床に置いてあるおもちゃを拾って、落としてなど、遊びの範囲が広がると、赤ちゃんの世界もどんどん広がります。
安全におすわり出来るように気をつけること
周囲にケガをするようなものを置かない
おすわりができるようになったとはいえ、おすわりしていた赤ちゃんはまったく倒れないというわけではありません。
両手でおもちゃなどをつかもうとしたときに、バランスを崩して倒れてしまうかもしれません。
赤ちゃんが倒れてしまったとき、ケガをしないように周りに置いてあるものの整理や、コーナーの保護など環境への配慮をするようにしましょう。
赤ちゃんの口に入るようなものを置かない
この時期は、赤ちゃんが両手でおもちゃなどをつかむことができるようになります。
そして、そのつかんだものを何でも口に入れてしまう時期でもあります。
小さな赤ちゃんのお口に入らないだろうと思っていても、以外に入ってしまいます。
直径3.9cmの大きさの円に入るものは、誤飲のおそれのあるものです。
誤飲すると、赤ちゃんが窒息して命の危険があります。
赤ちゃんの口に入るペットボトルのふたや電池など、赤ちゃんの手の届くところには置かないようにしましょう。
おすわりするときの注意点
うんちが背中側に漏れてしまう
ねんねの状態にいた赤ちゃんが座る姿勢になることで、一気にうんちが出ることがあります。
また、椅子に座っていると、寝ている時と違って、オムツの下の方が椅子で圧迫されます。
そのため、うんちを受け止める余裕がなくなってしまって、背中側にうんちが漏れてしまうのです。
ぺちゃんこ座りになる子もいるが、無理に直さなくてもいい
赤ちゃんの中には、足先を外側に開いた状態でお尻を落として座る「ぺちゃんこすわり」、またはアヒルすわりと言う座り方をする子もいます。
お母さんからすると心配になる人もいるかもしれません。
しかし、赤ちゃんの関節は柔らかいので、無理矢理座り方を直そうとしなくても大丈夫です。
赤ちゃんが座れていれば、様子をみていきましょう。
ただし、極端な左右差がある場合などは、小児科医に相談してみましょう。
まとめ
赤ちゃんのおすわりは、首すわり、寝がえりという成長する過程の一つで、流れの中で必要な筋肉を発達させ、次のステップに進んでいくために必要なものなのです。
おすわりができると、お世話する人が楽になるだけでなく、赤ちゃん自身の視界も広がり、世界も広がります。
心身の成長にとても大事な時期でありますから、周りの人が赤ちゃんの安全を守れるように、環境整備には十分に注意をしましょう。