もくじ
授乳時間について
新生児の頃は授乳リズムは気にせず、赤ちゃんが欲しがるたびに与えます。
目安は1日7回以上、なるべく3時間以上あけないように与えます。
最初はうまくいかなくても何度も繰り返していくうちに、ママも赤ちゃんも上手になり、スムーズに授乳ができるようになるので頑張りましょう。
次第にたくさん飲めるようになると、授乳リズムが付いてきますが、母乳不足の時や赤ちゃんが頻繁に泣くときは、時間にこだわらず授乳しましょう。
授乳間隔や時間はそれぞれ親子で違うので、参考書通りにしなくても大丈夫です。
二人に合った授乳スタイルで自信を持って母乳育児をしましょう。
授乳方法(授乳の仕方)
①授乳前の準備をします
まず手が汚れていたらきれいに洗い、髪の毛が長いママは縛ってまとめておきます。
乳首の消毒や拭き取りはよほどのことがない限り、授乳前にする必要はありません。
ブラジャーの繊維や時間が経った母乳が付着しているなど汚れていると感じたときは、きれいなガーゼをお湯で絞り汚れを拭き取ります。
アルコール等での除菌は乳頭を痛めるので止めましょう。
乳頭が切れて痛む時は、氷水が入ったビニール袋や冷やしたタオルをあて、乳頭を冷やしておきましょう。
授乳中はその場から動きづらいので、授乳で使う授乳用のクッションやガーゼハンカチなど、必要なものを授乳する場所に準備します。
その後は母乳の出によって違ってくるので下記を参考にしてください。
母乳の出が悪い場合
母乳の出を良くするために簡単なマッサージをしたり、お湯で絞ったタオルをおっぱいにあて、温めてから授乳すると出がよくなります。
授乳の後や間には水分をたくさん取るようにしましょう。
マッサージは乳腺を痛めないようにゆっくり優しく行いましょう。
母乳の出が良い場合

母乳の出が良い場合はそのまま何もせずに与えましょう。
赤ちゃんがおっぱいを吸った時につーんとおっぱいが出始めるとき、母乳が出過ぎて赤ちゃんがむせてしまったり、口からあふれてしまうときは、授乳する前に少し搾乳してつーんとなった後に与えるようにしてみましょう。
おっぱいが張って乳首が硬い場合
おっぱいがうっ血したりうっ帯していると、乳頭が硬くなり赤ちゃんの口が滑ってしまいうまく吸えないことがあります。
少し搾乳したり乳頭が柔らかくなるようにマッサージしてから与えましょう。
おっぱいが詰まりやすい場合
おっぱいが詰まって出が悪いと、赤ちゃんが嫌がって母乳を飲んでくれなかったり、乳腺炎になってしまうこともあるので、飲ませる前に乳管開通のマッサージをしてから飲ませましょう。
乳管開通のマッサージをして詰まりが取れなくても、脂肪の塊を柔らかくもみほぐしておくと、赤ちゃんの強い吸啜力で詰まりが取れることもあるので、授乳の度に根気よく行ってみましょう。
乳管開通方法についてはこちら
②授乳姿勢に合わせて授乳用クッションやタオルをセットします
授乳は毎回同じ姿勢でしていると、どうしても飲み残してしまう部分があり、飲み残した部分の母乳は古くなり味がよくなく、そのままどんどんたまってしまうと、乳腺炎になってしまうことがあります。
こまめに授乳姿勢を変えることで、乳腺炎の予防や母乳不足も解消できます。
慣れるまでは難しい姿勢もありますが、何度か授乳するうちにママも赤ちゃんも慣れてくるので、根気よく続けましょう。
授乳姿勢(授乳スタイル)の種類について

授乳は毎回同じ姿勢でしていると、どうしても飲み残してしまう部分があります。
飲み残した部分の母乳は古くなり味がよくなく、そのままどんどんたまってしまうと、乳腺炎になってしまうことがあります。
こまめに授乳姿勢を変えることで、乳腺炎の予防や母乳不足も解消できます。慣れるまでは難しい姿勢もありますが、何度か授乳するうちにママも赤ちゃんも慣れてくるので、根気よく続けましょう。
授乳姿勢(授乳スタイル)の種類一覧
横抱き
体が密着するので安定しやすく飲ませやすい姿勢です。
授乳クッションや枕を使用すると授乳しやすいです。
斜め抱き
おっぱいを支える手が横抱きと逆になります。
横抱きとは吸う場所が少し違うので、横抱きで飲み残しが多くなる部分を吸ってもらえます。
授乳クッションや枕などを使うと授乳しやすいです。
縦抱き
おっぱいが口に入りやすいので、乳首が短い、扁平、陥没の方は授乳しやすい姿勢です。
赤ちゃんの口の形におっぱいを少しつぶして入れてあげると赤ちゃんが吸いつきやすいです。
横抱き、斜め抱きで吸えない部分の飲み残しの予防にもなります。
ラグビー抱き
縦抱きより安定しやすいので、首がすわる前でも授乳しやすい姿勢です。
飲み残しの予防や乳首が短い、扁平、陥没の方は授乳しやすい姿勢です。
脇に授乳クッションを置きその上に赤ちゃんを寝かせてあげましょう。
赤ちゃんの体が反ってしまわないように気をつけましょう
添い乳
添い乳は冬場の夜間授乳や寝かしつけの時、体調がすぐれないときに便利です。
姿勢は赤ちゃんの頭を腕で支える方法と、支えない方法とあります。赤ちゃんの大きさやママのおっぱいに合わせて変えましょう。
赤ちゃんの背中を手やクッションなどで支えてあげると、安定するので授乳しやすいです。
添い乳をするときは一緒に寝てしまうと、ママのおっぱいで口や鼻をふさいでしまったり、ゲップをさせないで寝かせてしまうと、吐き戻した母乳が詰まってしまうことがあります。
授乳を終えゲップが出そうなときは、出させてからママは眠るようにしましょう。
手や腰が痛む時
ケンショウ炎や腰痛で抱っこが出来ず、授乳がつらい時は添い乳をしたり、テーブルの上にバスタオルを敷き、その上に赤ちゃんを寝かせて授乳しましょう。
テーブルで授乳するときもママの手で優しく包んであげると赤ちゃんも安心できます。
③赤ちゃんを抱き授乳をします
授乳は両方のおっぱいを順番に飲ませますが、母乳の出が悪い方から飲ませるようにしましょう。
時間は赤ちゃんの状態やママのおっぱいの状態によって異なります。
赤ちゃんのリズムに合わせて、おっぱいを交替させましょう。
赤ちゃんのあごの動くリズム
あごのゆっくりとした動きがしばらく続き母乳の出が少なくなると、あごの動きがさらにゆっくりになったり止まったりするので、おっぱいを反対に替えましょう。
おっぱいの出が悪い時は変える間隔を短くして、両方とも2回以上飲ませるようにしましょう。
30分以上吸わせていると乳首が切れたり、乳頭がすれたりして痛むことがあるので気をつけましょう。
母乳があまり出ていない状態で長時間含ませていると、赤ちゃんの口の細菌がおっぱいに入り、乳腺炎になってしまうこともあるので気をつけましょう。
赤ちゃんがまだ上手に吸えないときは、母乳を少し搾り乳頭に付けたまま赤ちゃんの口に含ませたり、赤ちゃんの口の形におっぱいを少しつぶして、舌の上に乳首が乗るように奥までおっぱいを入れてあげましょう。
授乳はママも赤ちゃんも最初は上手にできません。とくに乳首にトラブルがあるとなかなかうまくできず、嫌になってしまうこともあると思いますが、1~2週間たつ頃には二人とも上達してくることも多いので、あきらめず気長に何度も挑戦しましょう。
母乳育児をしたいと思っている場合、なるべく人口乳首、哺乳瓶、ミルクを与えないようほうがいいといわれていますが、疲れてしまった時や赤ちゃんの栄養が足りないときは頼っても大丈夫なので、無理をしないようにしましょう。
いつでも無理は禁物です。明るく楽しく育児をしましょう!
授乳をするときの注意点
赤ちゃんの口の形
赤ちゃんの口がアヒルの口先のようになり、乳輪部分まで加えさせるようにしましょう。くわえ方が浅いと母乳がうまく吸えません。
口と乳首の向き
赤ちゃんの口におっぱいがまっすぐ入るようにしましょう。
赤ちゃんの体の向き
赤ちゃんの体がひねらないように気をつけましょう。
ママの姿勢
猫背にならないように気をつけましょう。
こんな授乳は止めましょう!
- いつもテレビや本を見ながらの授乳
- ママがずっと何か食べたり飲んだりしながらの授乳
- 居眠りしながら
- 公共の場でおっぱいをさらけ出しての授乳
- イライラして赤ちゃんに八つ当たりしながらの授乳
④おっぱいを外してゲップをさせます
赤ちゃんのあごの動きが止まり、十分飲めたらおっぱいを外します。おっぱいの外し方は、赤ちゃんとおっぱいの間に指を入れて外したり、赤ちゃんの両側のほっぺをつまんで外すとスムーズに外せます。
授乳後のおっぱいの外し方
授乳後におっぱいを外すときは、赤ちゃんのほっぺたを両側から摘まむか、赤ちゃんとママの口の隙間に指を入れて外しましょう。
おっぱいを引っ張って無理矢理外すと乳頭が切れることがあるので必ず上記の様な方法で外すようにしましょう。
授乳後のゲップ
授乳の後は赤ちゃんのお腹を触って、空気がたくさん入っているようであればゲップをさせましょう。
母乳の場合は哺乳瓶に比べると、空気を飲みこんでしまうことは少ないですが、乳頭に陥没や扁平などのトラブルがあったり、おっぱいがうまく飲めていないと、空気を飲みこんでいることが多いので、必ずゲップを出すようにしましょう。
首を圧迫すると出にくいので、赤ちゃんの胸やお腹に少し圧がかかるように抱っこしてあげると出やすいです。
なかなか出ないときは、少し左右にゆっくり揺らしたり、一度横にして抱っこしなおしたり、うつ伏せにすると出ることがあります。
ゲップを出すときの抱き方
赤ちゃんを縦に抱きママの胸や肩で、赤ちゃんのお腹に少し圧がかかるように抱き、背中を上下にさすったり優しくトントンと叩いてあげます。
吐き戻した時のために肩にハンカチやタオルを乗せておきましょう。

膝の上に横向きに座らせて、腕で赤ちゃんのお腹に少し圧がかかるように抱きます。
背中を上下にさすったり優しくトントンと叩いてあげます。
吐き戻した時のために腕にハンカチやタオルを乗せておきましょう。
赤ちゃんは生後2ヶ月くらいまでは、下部食道括約筋の働きが未熟で、噴門と言う胃の入り口の締まりが弱いため、母乳やミルクが逆流することがあります。
ゲップをした時にもどしたり、ゲップが出ないまま横に寝かせたりすると、ダラダラともどし続けることがあります。

また、ゲップを出してあげないとお腹が張ってしまい、赤ちゃんは苦しくて機嫌が悪くなることもあります。
ゲップが上手に出せるようになるまで大変ですが、しばらくすると赤ちゃんもママも上手になるので頑張りましょう。
ゲップがなかなか出ずお腹に空気がたまったまま寝かせるときは吐き戻しを防止するために、頭が少し高くなるようにします。
タオルや枕を使い、赤ちゃんの上半身が少し斜めになるようにすると、吐き戻しの予防になります。
授乳後の乳房や乳頭は拭き取らなくても大丈夫ですが気になるときは乾いた布等で軽く拭き取り、清潔なブラジャーや母乳パッドを付けるようにしましょう。汚れや痒みが気になるときは軽く湿らせたガーゼ等で拭き取りましょう。