もくじ
子どもを外で遊ばせることが多くなる季節、虫刺されが増えます。
子どもが虫に刺されたら、どんな薬を使えばよいのでしょうか?
子どもの虫刺され薬の選び方や虫刺されのケア、おすすめの虫刺され薬を紹介します。
子どもは虫に刺されやすい
子どもの外遊びが増える季節、虫刺されは心配ですよね。
外にいる時間が長いことは子どもが虫に刺されやすい原因の一つですが、子どもの身体的特徴も虫に刺されやすい要因です。
例えば、虫刺されとして多い蚊は、体温や汗、皮膚や吐く息から出る二酸化炭素などを感知して人に寄ってきます。
子どもは大人と比較して体温が高く汗をかきやすいので、蚊に刺されやすいのです。
虫に刺されるとなぜかゆくなる?
虫に刺されると、患部が赤く腫れあがりかゆみが出てきます。
そもそも、虫に刺されるとなぜこのような反応が起こるのでしょうか。
これらの生体反応は、私たちの体がもともと持っている免疫システムにより起こります。
例えば蚊は人の血を吸うときに蚊の唾液が体内に入るため、それに対してアレルギー反応が起こり、腫れや赤み、かゆみなどの症状を引き起こします。
虫刺され薬の成分

子どもの虫刺され薬を選ぶ上で、まずは虫刺され薬に用いられている代表的な成分を理解しておきましょう。
抗ヒスタミン薬
「ヒスタミン」はかゆみの元となる成分の一つ。
これを抑える働きを持つのが抗ヒスタミン薬で、市販の虫刺され薬では「ジフェンヒドラミン」という成分が入っているのが一般的です。
ステロイド薬
ステロイド自体は副腎から作られるホルモンですが、ステロイド薬には優れた抗炎症作用があります。
「ステロイドは使い過ぎると副作用が怖い」という印象がある方もいるかもしれませんが、ステロイドには強さのランクがあり、市販の虫刺され薬でよく使われる強さのステロイド薬を数日使う程度では大きな心配はいりません。
l-メントール
リップクリームや歯磨き粉にも使われているl-メントールは、清涼感のある成分です。
かゆみや炎症を直接抑えるわけではないですが、爽快感を与えてかゆみを感じにくくさせる効果がありますが、人によっては刺激に感じる場合も。
子どもの虫刺され薬の選び方
虫刺され薬の成分がわかったところで、子どもの虫刺され薬はどのような基準で選べばよいのでしょうか。
子どもの虫刺され薬の選び方を解説します。
虫に刺されてから症状が出た日数で選ぶ
大人であれば、蚊に刺されるとすぐに赤くなってかゆみが出てくることがほとんどでしょう。
大人は今までに何回か蚊に刺されているので、体内に蚊の唾液が入ってきたときにすぐに対処するための「抗体」ができており、アレルギー反応がすぐに働くためです。
しかし小さな子どもは蚊に刺された経験が少ないため、蚊の唾液に対する抗体がしっかりとできていません。
よってかゆみや赤みなどの症状が蚊に刺されて数日後に現れることがあるのです。
蚊に刺されることが多くなると、自然に抗体が作られ刺された直後に症状が出るようになります。
刺されてすぐにかゆみが出てきたときは抗ヒスタミン薬、刺されて数日後に症状が出ているのであれば、抗炎症作用を持つステロイド薬を選ぶのがよいでしょう。
刺された虫の種類で選ぶ
子どもの虫刺されで多いのは蚊やブヨ(ブユ)です。
蚊は針を人に刺して血液を吸いますが、ブヨは皮膚を細かく切ってにじみ出た血液を吸います。
ブヨは刺された直後は出血点があるだけですが、半日ほど経つと赤く腫れてかゆみが増してくるのが特徴です。
ブヨは蚊と比べて症状が強く残りやすいので、炎症を抑えるステロイド薬の含有量が多いものを選ぶとよいでしょう。
虫刺されのケア、予防から対処まで
虫刺されのケアにはどのようなことが必要でしょうか。
ここでは虫刺されの予防から対処法まで紹介します。
肌の露出を避ける
肌の露出を避けることが、虫刺されの予防法としては一番です。
暑い中長袖長ズボンは子どもも嫌がるかもしれませんが、可能な範囲で肌の露出は避けるようにしましょう。
虫よけスプレーを使う
肌を露出している部分には、虫よけスプレーが有効です。
このとき注意すべきなのが、決められている用法・用量を守ること。
多くの虫よけスプレーには虫の忌避成分である「ディート」が含まれています。
ディートは一般的に毒性の低い成分ですが、まれに人体への影響があると報告されているため、国民生活センターはディートを含む虫よけスプレーの乳幼児への使用に関しては「習慣的に使用するのではなく、必要な場合に限り使用すること」と提言しています。
基本的には決められた用法・用量を守り、必要以上に虫よけスプレーを使わないようにしましょう。
刺されたら患部を冷やす
刺されたらまず患部を冷やしようにしましょう。
これだけで症状が落ち着き、かきむしって患部を傷つけることが予防できます。
市販の虫刺され薬を使う
一般的な虫刺されの症状であれば、まずは市販の虫刺され薬で様子を見ましょう。
すぐに対処できるように、虫刺され薬は外出時やご自宅に一つは常備しておくとよいですね。
症状がひどい場合は病院へ
市販の虫刺され薬を使っても症状が治まらない場合は、皮膚科を受診しましょう。
市販の虫刺され薬に配合されているステロイド薬は弱いので、それでも効かなければ病院でもっと作用が強いステロイド薬を処方してもらえることがあります。
また場合によっては、抗ヒスタミン薬の内服も出されます。
子どもはかきむしりに注意!
特に子どもの場合はかきむしりに注意が必要です。
かゆい部分をかきむしって患部が傷つき、その傷口から黄色ブドウ球菌などに感染するととびひになるケースがあるのです。
とびひは他人にも感染するので、病院でしっかり処置を受ける必要があります。
かきむしりからのとびひになることを予防するためにも、子どもの爪は短くしておくなどといった予防対策も忘れずに。
おすすめの虫刺され薬
子どもが虫に刺されたときのおすすめの市販薬を紹介します。
刺された虫の種類や薬の成分などを参考に、虫刺されの常備薬を選んでください。
液体ムヒベビー
生後3か月から使える虫刺され薬です。
主成分はかゆみを抑えるジフェンヒドラミンのみで、ステロイド薬やメントールなどは入っていません。
小さな子どもでも安心して使え、液体がしっかり患部に浸透して症状を抑えます。
ムヒベビーb
同じくムヒブランドのクリームタイプで、こちらの使用対象年齢は生後1か月から。
ステロイド薬は含まず、殺菌成分が肌を清潔に保ってくれます。
ムヒアルファEX
ムヒの中でステロイド含有タイプで、虫刺されによる炎症反応をしっかりと抑えます。
生後6か月から使え、ファミリーユースとしてもおすすめ。
配合されているステロイドはマイルドな作用なので大きな心配はいりませんが、顔面であれば2週間、その他の部位であれば4週間を超える長期連用はしないでください。
ポリベビー
かゆみを抑えるジフェンヒドラミンのほか、患部の治りをサポートするビタミンやミネラル、傷口を守る殺菌成分などをバランスよく含んでいる薬です。
虫刺されだけでなく、おむつかぶれや湿疹などあらゆる肌トラブルに使えます。
ウナコーワクールパンチ
清涼成分であるl-メントールによってかゆみを鎮める作用があります。
スーッと肌になじむ使い心地で、患部をすっきりさせたい方にはおすすめです。
まとめ
外遊びが多い季節は、子どもの虫刺されに対する予防や対処法をしっかり理解しておくことが大切です。
そのうえで、虫刺され薬に配合されている成分の違いや製品の特長を知り、虫刺され薬を選ぶようにしましょう。