もくじ
うなぎは香ばしい匂いに誰もが惹かれる食べ物ですね。
栄養価も高く、ぜひ食べたい食べ物でもありますが、妊婦はうなぎを食べていけないと聞いたことはありませんか?
それは実際に事実なのでしょうか?もし食べるとどのようなことが問題なのでしょうか?妊婦とうなぎの関係について詳しく紹介をしていきます。
うなぎとはどういう食べ物か?

土用丑の日にはうなぎを食べる習慣があるほど、日本ではうなぎがよく食べられていて、一般的な食べ物とされていますよね。
そもそもうなぎとはどういう食べ物なのでしょうか?くわしく説明していきます。
うなぎの栄養成分
うなぎの成分はどのようなものでしょうか。
うなぎの主な栄養はカリウム、カルシウム、タンパク質、ビタミンA,B1、B2、リン、亜鉛、レチノールなどです。
とても栄養豊富で、ビタミンBは疲労物質を取り除いたり、ビタミンAは免疫力を付けたりするので、よく夏バテには最適などと言われていますよね。
しかし、妊婦の場合注意しなければならない成分はレチノールという成分です。
レチノールとは
レチノールとはいったいどのような成分なのでしょうか。またうなぎ以外ではどの食物に入っているのでしょうか。
レチノールとは
レチノールとはビタミンAの中に含まれていて、ビタミンAは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンです。
ビタミンAを構成する物質の一つです。科学的にはレチノイドと言われます。
ビタミンAの役割は肌の健康に必要で喉や鼻の粘膜に働いて免疫力を高めるなど、身体に必要なものです。
ビタミンAが不足すると皮膚トラブルや免疫機能の低下、深刻な場合は眼の障害が出るなど人の身体には必要不可欠なビタミンです。
うなぎに入ってる量
うなぎに入っているレチノールの量は実際にどのくらいの量が入っているでしょうか。
かば焼きにすると、100gで1500㎍、肝吸い一杯だと440~880㎍になります。
うなぎのかば焼きの一人前は大体140~160gなので、2000㎍以上の量を摂ることになります。
うなぎのかば焼きと肝吸いセットだと3000㎍近い摂取量となることが分かります。
妊婦の一日のビタミンA摂取推奨量は650~700㎍と言われています。
そのためうなぎのかば焼きを一人前食べることで推奨摂取量は超えてしまうことになります。
どのような危険がある?
レチノールを摂りすぎると、どのような危険があるのでしょうか?
妊婦がレチノールを過剰摂取すると、先天奇形障害の確立が高くなると言われています。
具体的には、水頭症や口蓋裂、耳の形成異常などが起こると言われています。
このような奇形が起こるのは、毎日5000㎍のレチノールを摂取すると起こりやすいと言われていて、通常の3.5倍の確立と言われています。
妊娠中はずっと食べてはいけない?
妊婦のビタミンAの摂取量は1日650~700㎍といわれています。
妊娠中ずっと食べてはいけないわけではありませんが、妊娠初期は特に注意が必要になります。
妊娠初期は胎児の大切な臓器や身体を作る大切な時期になります。
その時期は気を付けたほうがよいです。少なくとも妊娠3か月頃までは、うなぎの食べ過ぎには気を付けるように頭に入れておいてください。
うなぎを食べるときの注意

では具体的に、うなぎを食べるときに気を付けることを説明していきます。
大量に摂取しすぎないように気を付ける
1回だけ大量に食べると危険というわけではありませんが、大量に食べることは避けたほうが無難です。
ウナギのかば焼きと肝吸いを一緒にとるだけで2000㎍以上のレチノールを摂ることになります。
そのため、肝吸いは頂かないようにしたり、いつもの半分の量にしてみるなど少し工夫をしてみると安心できますね。
毎日食べ続けないように気を付ける
胎児の先天奇形が起こるのは、毎日5000㎍以上のレチノールを摂取し続けることで確率が高まります。
そのため、毎日続けてたべないようにしましょう。
うなぎが好きな場合でも、少なくとも妊娠3か月までは気を付けましょう。
またビタミンAの過剰摂取は頭痛、めまい、嘔吐などの急性症状から関節痛、骨粗しょう症などの慢性的な症状が出てくることがあります。
また小児の場合は頭蓋骨などに影響がでたりする場合があります。そのため、ビタミンAの摂りすぎには日ごろから気を付ける必要があります。
レチノールは他の食材にも入ってる?
実はレチノールはウナギ意外にも入っている食材はあります。
一番多いのはレバーです。
100g中のレチノール含有量は
- 鶏レバー(生)は14000㎍
- 豚レバー(生)13000㎍
- 牛レバー(生)1100㎍
です。
特に鶏レバーと豚レバーはレチノールを多く含んでいます。
鉄分も豊富で妊婦には最適な食べ物かと思われがちですが、レチノールも多く含んでいます。
鶏レバーは串焼き一本ですぐに摂取推奨量を超えてしまうので、妊娠初期での摂りすぎには注意が必要です。
他にもホタルイカ(ゆで)1900㎍、あなご(生)500㎍、プロセスチーズ260㎍などに多く入っています。
バランスの良い食事を心がける

レチノールを摂りすぎないようにするには、バランスのよい食事をとることが最善といえます。バランスの良い食事とはどういうものでしょうか?
偏った食事をしない
好きなものだけを食べるということは、結果的に栄養のバランスを崩すことになります。
そのため、好き嫌いなく、バランスのとれた食事が大切です。
鶏肉を食べた次の日は、魚にする、その次は豚肉などというようにローテーションさせていきましょう。
主食をしっかりとる
ご飯を食べることで脂肪の摂りすぎやタンパク質の摂りすぎを防ぐことができます。
毎日ご飯やパン、麺などの主食となるものをしっかりと取っていきましょう。
副菜や納豆も
野菜にはビタミンが豊富に含まれていますので積極的に摂取していきましょう。
また妊娠中は腸の動きが悪くなるので便秘になりやすいです。
野菜には食物繊維が豊富に含まれていますので、積極的に摂取していきましょう。
特に妊婦にはホウレンソウ、カボチャなどの緑黄色野菜は葉酸、鉄分を多く含むのでおすすめしたい食材です。
また納豆も栄養価の高い食べ物です。
ビタミンKを多く含み、胎児が生まれるときの頭蓋内出血などの予防にもなります。
サプリメントに注意

妊娠中のサプリメントには注意が必要です。
特にビタミンAが含まれたサプリメントは妊娠中は取らないようにしましょう。
食事からビタミンAを摂取し、さらにサプリメントからビタミンAを摂取することで過剰摂取してしまう可能性があるからです。
ビタミンAと表記されていなくても、マルチビタミンなどの様々なビタミンが配合されているサプリメントにもビタミンAが多く入っている場合もあります。
また海外から輸入されたサプリメントも、配合量が詳しく載っていない場合もありますので、注意が必要です。
ビタミンAは野菜から摂取を心がける
レチノールは動物性ビタミンAに入っています。
緑黄色野菜に入っているベータカロチンは体内に入るとビタミンAと同じ働きをしてくれます。
そのためレチノールの摂取量を気にせずにビタミンAを摂取することができます。
妊娠中はなるべくカボチャやホウレンソウ、ピーマン、小松菜などの緑黄色野菜から摂取するようにしましょう。
まとめ

うなぎが好きでよく食べていた人も、妊娠中だけはその量に気を付けなければいけません。
そのため妊娠が分かったら、ウナギの食べ方を少し気にしていく必要があるかもしれません。
しかし決して食べていけないというわけではありません。摂取量をきちんと守り、適度な感覚で食べるようにしましょう。
胎児のことを考えると、妊娠中は摂取量をきちんと守り、おいしく食べていきたいですね。