もくじ
チーズは、栄養価が高い食品として知られています。
でも、妊娠中にチーズ食べるときは注意が必要と聞いたことがある方、最近になって初めて知ったという方もいらっしゃると思います。
どうして注意が必要なのか、どんなチーズが食べられて、どんなチーズが食べられないのか、注意することはどんなことかなど、わからないことが多いと思います。
ここでは、チーズに含まれている栄養素や妊娠中に避けた方が良い理由、妊娠中でも食べても良いとされるチーズの種類についてなど、妊娠中のチーズにまつわるお話をします。
ぜひ、参考にしてくださいね。
チーズとはどういう食べ物か?
チーは、栄養があって体に良いことは知っている方も多いと思います。
チーズにはどのような栄養素が入っているのか見てみましょう。
タンパク質
タンパク質は、チーズの22−28%を占めています。
また、筋肉の他、血液を作るときにも大切な栄養素です。
脂肪
脂肪は、チーズの25−30%を占めています。
エネルギーを作ったり、身体の機能を正常に保つホルモンを作ったりなど様々な働きをしています。
ミネラル
カルシウム、リン、鉄、カリウムなど、体のバランスを保つ重要な栄養素です。
特にカルシウム量が多く、プロセスチーズ18g(6Pチーズ1つ分)で113mgのカルシウムが含まれています。牛乳だと200ml(コップ1杯)で227mgです。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」には、妊娠中の1日当たりのカルシウムの必要量は650mgとされています。
カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯を作るために必要な栄養素です。
そして、カルシウムは毎日摂らないと余分なものは排泄されてしまいます。
ビタミン
ビタミンC以外のビタミン類が含まれています。
ビタミンは、栄養や代謝など体内で生理的な機能をコントロールする作用があります。
チーズには、たくさんの重要な栄養素がつまっていますね。
妊婦はチーズを食べるのを避けたほうがいい?
妊娠中、プロセスチーズは、食べても構いません。
でも、どの妊娠時期でもナチュラルチーズを食べるのは避けた方が良いでしょう。
妊娠週数によって食べられるというものではありません。
赤ちゃんへの影響も考えられますので、ナチュラルチーズを食べるのは、妊娠中は避けておきましょう。
妊婦がチーズを避けたほうがいい理由
妊娠中にチーズを避けた方が良いとされている理由は、食中毒とリステリア症の発症の可能性があるからです。
一つずつ説明しましょう。
食中毒
ナチュラルチーズは、リステリア菌による食中毒を引き起こす食品とされています。
殺菌処理されていない乳を使用したり、熱を加えず作られたりしたものだからです。
妊娠中に食中毒になると、薬を慎重に選ばなければなりません。
また、食中毒になると下痢やおう吐によって、脱水症状お引き起こし、発熱する可能性があります。
赤ちゃんは高熱に弱いため、このような症状に陥るのは避けたいですね。
リステリア症
妊娠中は、病気に対する抵抗力が低下しているため、少量のリステリア菌でも発症して、リステリア症になることがあります。
敗血症や髄膜炎などの症状を起こします。
妊婦さんには、流産や新生児に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
チーズの種類
大まかに分けて、チーズの種類にはプロセスチーズナチュラルチーズがあります。
その違いのポイントは、作られる過程で熱が加えられているかどうかです。
表にまとめましたので、どうやって作られているか見てみましょう。
ナチュラルチーズ
- 原材料は牛や山羊、羊などの乳。それを乳酸菌や酵素で発酵させて固めたもの。
- 原料になる乳の種類、製造方法、使用する菌などにより様々な種類がある。
- チーズに含まれている乳酸菌が生きているため、時間と共に熟成され、味の変化を楽しむことができる。
プロセスチーズ
- 原材料はナチュラルチーズ。
- ナチュラルチーズを熱で溶解し、再度固めたもの。
- 加熱して作られるときに、ナチュラルチーズ内の菌を殺菌して、チーズ特有の熟成を止めるので、長く保存ができる。
妊婦が食べても良いチーズ
妊娠中に口にしても大丈夫だとされているチーズは、プロセスチーズです。
プロセスチーズは、加熱・殺菌されており、食中毒を起こしにくいチーズです。
たとえば、スライスチーズ、キューブや三角の形に整えられたチーズなどがプロセスチーズです。
きれいに形が整えられているものは、加熱して成形していますので、見分ける参考にしてくださいね。
妊婦が食べるのを避けたほうがいいチーズ
妊娠中に口にしない方が良いチーズは、ナチュラルチーズです。
ナチュラルチーズは、加熱処理によって殺菌されていません。
また、ナチュラルチーズは、ものによって長期に渡って熟成して菌が生きていますので、妊婦さんは食べないほうが良いとされています。
特に、海外で作られたものは、殺菌された乳を使って作られていないことも多いのです。
日本では、殺菌処理された乳を使うという規制がありますので、食べても大丈夫とされていますが、気になる方はやめておくほうが良いですね。
たとえば、下記のようなチーズはナチュラルチーズに分類されますので、妊娠中は食べないようにしましょう。
- モツァレラチーズ・クリームチーズ(フレッシュチーズ)
- カマンベールチーズ(白カビチーズ)
- エポワス(ウォッシュチーズ)
- ヴァランセ(ヤギの乳が原料)
- ゴルゴンゾーラ(青カビチーズ)
- ゴーダチーズ(セミハードチーズ)
- チェダーチーズ・パルミジャーノ(ハードチーズ)
妊婦がチーズを食べる上で注意するべき点
レストランなどで出される料理にも、ナチュラルチーズが使用されていることがあります。
サラダのモツァレラチーズやレアチーズケーキ、ティラミスなどのスイーツも要注意です。
オーダーする前に、お店の方に確認するといいですね。
リステリア菌などの食中毒を起こすほとんどの菌は、熱に弱いとされています。
65−90℃で数分加熱すると死滅しますので、参考にして下さいね。
妊婦はチーズを食べてよいのかに関するまとめ
チーズに含まれる栄養素や妊娠中にナチュラルチーズを避けた方が良い理由、妊娠中でも口にしても良いとされるチーズの種類など、妊娠中のチーズに関する様々なことがわかって頂けたのではないでしょうか。
妊娠中も食べられるのは、スライスチーズなどのプロセスチーズです。
スイーツのチーズには、クリームチーズなどナチュラルチーズが使われている場合がありますので注意しましょう。
何かと食事に関する制限がある妊娠中ですが、赤ちゃんのために乗り越えていけるといいですね。
参考文献