もくじ
妊娠中には、食べ物のことが気になりますよね。
特に辛いものは食べても大丈夫かという疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
「妊娠中にカレーを食べてもいいのかな」と心配している方もいらっしゃるでしょう。
結論からお伝えしますと、妊娠中にカレーを食べても大丈夫です。
ただ、ちょっと注意が必要なのです。
ここでは、カレーに入っている栄養素、カレーを食べる時の注意点などをお話します。
妊娠中は、何かと制限がありますよね。
食事はおいしく楽しく食べてほしいので、安心してカレーを食べられる情報をお伝えします。
カレーとはどういう食べ物か?

カレーは、野菜や肉をスパイスを使って煮込んだ食べ物です。
カレーにはどのような栄養素が入っているのかをお話しましょう。
牛肉
牛肉やその他の肉類は、タンパク質が豊富です。
特に牛肉は、亜鉛やビタミンB群もたくさん含まれています。
じゃがいも
じゃがいもは炭水化物の他に、ビタミンCも豊富です。
妊婦さんには嬉しい葉酸も含んでいます。
ニンジン
ニンジンはビタミンが豊富です。
特に、β−カロテンの含有量が高いのが特徴です。
カリウムも多く含んでいます。
玉ねぎ
玉ねぎは、ビタミンCとビタミンB6を多く含んでいます。
ビタミンB6は、タンパク質の吸収を助ける作用がありますので、肉類と一緒に食べるといいですね。
カレールー
カレールーには、ターメリック、クミン、ナツメグ、カルダモン、コリアンダー、ローリエ、シナモン、クローブ、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、レドペッパーなどのスパイスが使われています。
これらを使ったカレーライスを食べることで、16種類の必須ミネラルのうち、マグネシウム、カリウム、鉄など15種類を摂ることができます。
唯一入っていないのがヨウ素です。
ヨウ素は、卵や海藻類に含まれているため、カレーライスと一緒に食べるといいですね。
ただ、必須ミネラルが摂れるといっても、一日の奨励されている量のすべてが摂れるわけではありません。
サラダや副菜を取り入れて、多くの栄養素が摂れるように工夫することが大切です。
妊娠中はいつでも避けたほうがいい?
特に食べてはいけない理由はありませんので、すべての妊娠期間を通してカレーは食べても大丈夫です。
あとで説明する注意点を参考にして食べてくださいね。
食べるときの注意
妊娠中のカレーは、食べても大丈夫です。
でも、妊娠中にカレーを食べるときには、食べる量やカレーに含まれている塩分の量に注意しましょう。
カレーが好きな人は多いですよね。
おいしいからといって、たくさん食べるとカロリーオーバーになってしまいます。
また、スパイスで味をおいしくしてありますが、塩分もたくさん含まれていますので、たくさん食べると塩分の摂り過ぎになってしまう可能性があります。
カレーを食べても大丈夫。でも、これからお話する注意点を参考すると良いでしょう。
食べる量に注意
カレーは、「おいしくてつい食べ過ぎた」となることが多いかもしれません。
市販のレトルトカレーは、おおよそ160−230kcalあります。
それにご飯や野菜、肉が加わりますので、高カロリーですね。
また、店の並のカレーは、600〜800kcalです。
揚げ物が一緒だと1000kcal前後になりますので、特に注意が必要です。
塩分に注意
カレーは、塩分も多く含みますので食べ過ぎるとよくありません。
おたま1杯につき、2.1gの塩分が含まれているとされています。
「日本人の食事摂取基準2015年版」(厚生労働省発表)によると、成人女性の1日当たりの食塩の摂取目標量は7g未満です(参考文献1)。
妊娠中の特別な設定はありませんので、7g未満で抑えられるといいですね。
脂質に注意
カレールーには、脂肪分も使われ下処理でも脂を使うので、脂質が多くなる可能性があります。
肉は、脂身が少ない肉を使ったり、先に野菜から食べる、サラダをプラスするなどの工夫があるといいですね。
野菜を取り入れ、先によく噛んで食べる
野菜を先に食べるのは、よく噛まないと飲み込めませんよね。
よく噛む必要がある野菜には、食物繊維が含まれています。
食物繊維を含む野菜を先に食べると、腸からの糖質や脂質の吸収や血糖値の急上昇を抑える働きがあります。
先に野菜を食べることでこれらの効果を発揮できるとされています。
他に、良く噛んで食べることことによって、何も入っていない胃を落ち着かせ、食べる勢いも抑えてくれるのです。
胃腸の調子が悪いときには注意
スパイスは、胃腸には刺激になることもありますので、調子が悪いときは注意しましょう。
吐き気や嘔吐、下痢を引き起こす可能性があります。
不足する栄養
カレーライスだけではカルシウムなど、不足する栄養素があります。
カルシウムを含む牛乳などの乳製品や、ビタミンCなどを含むサラダ(たとえばレタス、きゅうり、ピーマン、トマトなど)、あるいはりんごやオレンジなどの果物を組み合わせて食べると、より一層栄養バランスのとれた食事となります。
カレーの良い点
カレーを食べることによって良い点もありますので、ご紹介しましょう。
身体を温める
カレーに使われるスパイスの中には、身体を温める作用を持つものがあります。
身体が温まると、血行を促進して血液循環にも影響します。
妊娠中は、血液に乗せて赤ちゃんに酸素や栄養を運んでいますので、あまり冷えないほうがいいですね。
羊水に風味が溶け込む
ママが食べたものの風味が羊水に溶け込むといわれています。
食べたものの味がするわけではありません。
赤ちゃんは羊水を飲んで排泄して、また飲んでということを繰り返しています。
カレーに限らず、色々なものを食べて、赤ちゃんにもその風味を楽しんでもらいましょう。
バランスの良い食事を心がける

バランスの良い食事とは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることです。
次のことを心がけると良いでしょう。
ひどい偏食をしないこと
食べられないものが多く、偏食がひどいと栄養が偏ってしまいます。
どうしても食べられないものは、無理をして食べる必要はありませんが、その他の食品で代用できるといいですね。
肉が嫌いなら、魚や卵、豆腐や豆などでタンパク質を補うことができます。
同じものばかり食べないこと
身体にいいからといって、同じものばかり食べると栄養が偏ります。
また、同じ栄養の摂り過ぎにつながる可能性がありますので、注意が必要です。
色々なものを食べるようにしましょう。
3食きちんと食べること
基本は3食きちんと食べることです。
妊娠によって、これまでの食生活をガラリとかえる必要はありません。
でも、1日1食や2食だと母体と赤ちゃんの栄養が充分に摂ることができない可能性があります。
つわりの時期を除いて、3食きちんと食べるられるといいですね。
ダイエットはしないこと
体重の管理のために、無理なダイエットはしないでください。
特に妊娠中には、炭水化物を極端に減らしたり、食べなかったりするのはよくありません。
身体の基本的なエネルギーは、炭水化物から作られます。
その他の栄養素も極端に減らさないようにしてくださいね。
赤ちゃんのためにも、食事を抜いたり無理なダイエットはやめましょう。
量はほどほどにすること
妊娠中でもたくさん食べてしまう人、体重が気になって食事の量を制限している人などがいるかもしれません。
妊娠中の食事の適量を知って、量を調節しましょう。
厚生労働省が作った「妊産婦のための食事バランスガイド」が役立つでしょう。
妊娠中の食事の量とバランスが簡単にわかるようになっています。
参考にしてみてくださいね。
よく噛む
良く噛んで食べると、唾液もたくさんでて消化にもいいですね。
また、満腹中枢が刺激されて、食べすぎないようにセーブしやすくなります。
いつもよりも数回よく噛むことから始めてみてはいかがでしょうか。
おやつも大丈夫
食事で足りない分は、おやつを食べても大丈夫です。
カロリーオーバーにならないようにしましょう。
お腹が苦しくて、1回では食べ切れない場合は、分割して食べても大丈夫です。
おやつは、お菓子でなくてもいいのです。
おいしく楽しく食べること
食事はおいしく楽しく食べるものです。
不要な制限はしなくても大丈夫です。
体重やカロリーが気になる場合は、医師や助産師、栄養士に相談してくださいね。
まとめ

妊娠中にカレーを食べても良いのですが、食べる量や塩分、野菜も一緒に食べるなどの工夫をするとより効果的に栄養を摂ることがきます。
適度に辛さがあるカレーは、血行が良くなりますし、身体を温める効果もあります。
栄養がたくさん摂れて、おいしく食事ができるといいですね。
参考文献
1. 厚生労働省
「日本人の食事摂取基準2015年版」