もくじ
妊娠1~4ヶ月までを妊娠初期といいます。
この時期は、赤ちゃんの主要な器官が全て形づくられ、赤ちゃんは、どの時期よりも急速に成長します。
ママの身体は、赤ちゃんを育てるための環境づくりが始まります。
それに伴い、ママは様々な症状、変化を感じる時期でもあります。
これら変化は、個人差が大きく、全ての人が全ての症状を経験するわけではありません。
まわりの話と自分に出ている症状に違いがあることも、しばしばあります。
そこで、実際、どんな変化を皆さんが体験しているのか、できるだけ多くご紹介したいと思います。
妊娠初期症状はいつから?

妊娠初期症状は、生理が遅れていると気がつく頃に感じることが多いです。
早いと生理予定日辺りに、妊娠初期症状が出てくる人もいます。
ただ、着床出血があると生理が始まったと思い、眠気やだるさを風邪と勘違いしてしまうことがありますので、注意が必要です。
妊娠の週数の数え方
妊娠週数は、最終月経の開始1日目を「妊娠0週0日」として数え始めます。
その後、1週を7日として、妊娠40週の0日(280日目)が出産予定日となります。
- 7日~14日⇒妊娠1週
- 0週~3週⇒妊娠1ヶ月
- 4週~7週⇒妊娠2ヶ月
- 8週~11週⇒妊娠3ヶ月
- 12週~15週⇒妊娠4ヶ月
- 16週~19週⇒妊娠5ヶ月
- 20週~23週⇒妊娠6ヶ月
- 24週~27週⇒妊娠7ヶ月
- 28週~31週⇒妊娠8ヶ月
- 32週~35週⇒妊娠9ヶ月
- 36週~39週⇒妊娠10ヶ月(臨月)
妊娠22週0日~36週6日までの出産を「早産」、妊娠37週0日~41週6日までの出産を「正期産」、妊娠42週0日以降の出産を「過期産」と呼びます。
妊娠検査薬を使うタイミング
妊娠しているかどうか、早く知りたいときには、病院に行く前に妊娠検査薬を使用するといいですね。
ここでは、妊娠検査薬を使うタイミングや使うときの注意点などについてお話しましょう。
検査をするタイミング
妊娠検査薬は、生理予定日から1週間たってから使うものが多いです。
妊娠すると尿にhCGが分泌され、だんだん増加します。
hCGの値が50mIU/mlを超えると、妊娠かどうかの判定ができるようになっています。
妊娠後のhCG分泌の速さは、様々で個人によって差があります。
妊娠の早い時期からhCG濃度が50mlU/ml以上になる方もいますし、生理予定日から1週間たっても妊娠検査薬に反応しないほど低い方もいらっしゃいます。
生理予定日より1週間たってから使用するものは、その時期を守りしょう。
生理予定日前に使用できる妊娠検査薬は、hCGの値が25mlU/mlで陽性反応が出ます。
性能が良い分やや高めです。
いずれにしても、妊娠検査薬の使用時期に応じて使用しなければ正しい判断はできません。
妊娠検査薬を使うときの注意点
妊娠検査薬は、簡単に妊娠しているかどうかがわかる自分でできる検査です。
でも、妊娠検査薬を使うにあたって、いくつかの注意点がありますのでご説明します。
ママたちが経験した妊娠初期の症状

1.全身症状
1)疲労感・倦怠感
疲労感、倦怠感(けんたいかん)とは、いわゆる、疲れやだるさのことを指します。
妊娠初期は、激しい疲労感・倦怠感を感じます。妊娠中期には消失し、妊娠後期に再び感じるといわれています。
妊娠初期に疲労感・倦怠感を感じるのは、ホルモンが劇的に変化するためです。
妊娠を維持するために、黄体ホルモンが活発に分泌されます。
この黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くして、赤ちゃんのベッドとなる厚い壁をつくります。
妊娠初期は、仕事をしている人は、定期的に休憩をとるようにしましょう。
少なくとも1日1回は、新鮮な空気を吸いましょう。また、家事やお友達とのお付き合いもほどほどにして、身体を休めるようにしましょう。
2)眠気
妊娠初期は、やたらと眠い日が続きます。
これも黄体ホルモンが活発になるからだといわれています。必要に応じて、睡眠時間を増やすようにしましょう。
3)頻尿(ひんにょう)
妊娠初期は、血液が増加することにより、何度もトイレに行きたくなります。
血液量が増加すると腎臓でろ過される水分量も増えて、それが膀胱に溜まります。
夜中、トレイに目が覚めてしまうという人もいます。寝る時間が近づいてきたら、水分を多くとらないように心がけましょう。
また、夜中目が覚めてしまうようであれば、睡眠不足とならないように、日中、仮眠を1時間程度とるとよいでしょう。
4)頭痛
妊娠初期の頭痛は、ほとんどが心配する必要がないもので、おそらく、ホルモンの変化と体に必要な水分が不足していることが原因でおこります。
水をたっぷり(1日約2L)とるようにしましょう。カフェインの入った飲み物は避けましょう。
そして、2~3時間ごとに休憩をとり、新鮮な空気を吸って、軽い運動をして下さいね。
風邪等で頭痛がある場合もありますので、あまり痛みが続いたり、強かったりする場合は、受診しましょう。
5)むくみ
足や足首、手・手首にむくみを感じる方が多いようです。
むくみは、水分がうっ滞することで生じます。妊娠中は、赤ちゃんの発育に必要な栄養を提供するために血液量が増加することから、むくみが生じます。
足のむくみをとるには、軽い運動をして、休憩中には足を高くすると効果的です。
また、マタニティ用の弾性ストッキングも販売されていますので、これらを装着すると、むくみは緩和されるでしょう。
足のむくみは、妊娠高血圧を知らせている可能性もあります。
必ず、受診時に医師に知らせ、他に症状がないか確認してもらいましょう。
6)こむら返り
足のけいれん、特にふくらはぎのこむら返りは、妊娠中によくみられる症状の1つです。
一般的には夜に起こりますが、歩いている時に起こることもあります。
妊娠が進むにつれて、起こる頻度が多くなるといわれています。こむら返りは、様々な要因が組み合わさって起こる可能性が高く、姿勢や体重増加、足の血行不良、子宮による骨盤内の神経の圧迫などがその要因と考えられています。
こむら返りは、つった足のつま先を上に反らしたり、けいれんした筋肉をマッサージしたりすると楽になるでしょう。
7)おりものの量が増える
新陳代謝が活発になるため、おりものが増えることがあります。
おりものは、細菌が子宮に侵入するのを防ぐ、バリアの役割をしています。
「膣のあたりに痛みやかゆみを感じる」「おりものの色がクリーム色や白以外である」「おりものに、においがある」場合は、細菌感染を起こしている可能性がありますので、すぐに医師に相談しましょう。
2.皮膚の変化
1)かゆみと乾燥肌
妊娠すると多くの女性は、肌がところどころかゆくなり、乾燥します。
このような皮膚の炎症は、ホルモンの変化によるものだと考えられています。保湿剤を使用すれば改善できます。
稀に、妊娠性肝内胆汁うっ滞症という重大な病気が隠れていることがあります。
この場合、一般的に持続性のかなり強いかゆみが手足に集中します。このような症状があった場合は、すぐに受診しましょう。
2)色素沈着
妊娠中に皮膚の色が濃くなることは、よくあることです。
これはメラノサイトという色素細胞が、卵胞ホルモンや黄体ホルモンの影響を受けて活性化するためです。
シミができたり、乳輪が黒ずんだりします。
日光に当たるとシミがさらに目立つようになるので、日焼け止め効果の高いクリームを使用するとよいでしょう。
3)乳房の痛み
乳房が痛み、大きくなることが、最初にみられる妊娠の兆候です。
時には、乳房が敏感になり、何かに触れると痛みを生じる、乳房がズキズキする、熱く感じられるという人もいます。
これは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が増え、乳腺が発達するため、乳房が大きくなったり、張ったりします。
産後、赤ちゃんに母乳をあげるための準備がされているのです。
この痛みは、たいてい妊娠初期の終わりにはおさまります。体にあったブラを身に付けることで、乳房が支えられ、不快感は軽減されます。
乳房が熱をもっているなら、冷やしたタオルを当てると楽になります。
3.消化の問題
1)胃のむかつきと嘔吐
およそ80%の女性が、妊娠初期に胃のむかつきや嘔吐といった不快な症状に悩まされます。
この期間は、あまり沢山食べることができず、においや味の濃いものはうけつけなくなることもあります。
この症状は、たいてい、妊娠12~20週にはおさまります。水分をとるよう心がけ、定期的に少量の食べ物を口にしましょう。
2)便秘
便秘は、妊娠中よくある症状の1つです。黄体ホルモンが腸の動きを低下させます。
結果として、便が大腸に通常より長い時間とどまり、水分が吸収され、便が硬くなり、排出されにくくなります。
野菜や食物繊維を摂り、水分量を増やすことで、たいていは解決します。それでも改善しない場合は、医師に相談しましょう。
4.心臓、血液循環の問題
1)めまい
妊娠中は、時折、めまいがする、意識が遠のきそうになるといったことが生じることがあります。
妊娠初期には、座っている時でさえ、このような症状があらわれることがあります。
その原因の1つとして、低血糖が考えられます。妊娠初期は、多くの女性がつわりにより、しっかりと食事がとれないことがあります。
そうすると、血糖が下がり、このような症状があらわれます。
低血糖を予防するために、少量ずつでかまいませんので、頻回に食事をとるようにしましょう。
また、定期的に休憩をとる、長時間同じ姿勢で立ち続けないようにすることも、これら症状の出現を防いでくれます。
たびたび、めまいが起こるようでしたら、一度、医師に相談するようにしましょう。
2)鼻血
妊娠中は、よく鼻血がでます。妊娠中は、血管が柔軟になり、拡張することに加え、血液量が増え、血管に圧力がかかります。
ちょっとした刺激で、鼻血が出やすいのです。落ち着いて、止血しましょう。
鼻血が止まらない、たびたび出る場合は、医師に相談しましょう。
3)歯肉の出血、痛み
血液量が増加していること、妊娠ホルモンの作用で血管がや柔らかくなっていることから、歯肉の問題が起こります。
歯垢が溜まると症状が悪化するうえ、歯周病を発生しやすくなりますので、常に口腔内は清潔に保ちましょう。
妊娠中も定期的に歯科を受診しましょう。
受診の目安

妊娠検査薬で妊娠反応が出た後、いつ病院に行くのが良いのかお話しましょう。
生理が遅れて2週間後
生理が遅れて1週間だと約妊娠5週ですので、赤ちゃんの袋が見える頃です。
生理が遅れて2週間過ぎていると、妊娠約6週と数えます。
その頃になると、エコーで赤ちゃんが見えて心拍が確認できるかもしれません。
個人差がありますが、一般的に上記のような目安があります。
ただし、これは子宮の中に妊娠している場合です。
子宮外妊娠などは、エコーで確認しなければ診断できませんので、気になる人は早めに受診しても良いでしょう。
不安があるときは産婦人科へ
妊娠していても、正常妊娠ではない場合や医師の診察を受けばければわからないことがあります。
出血や下腹部痛など、普段と違う症状があったり、不安なことがあったりするようなら、早めに産婦人科を受診しましょう。
まとめ

妊娠初期の症状と生理の始まりの似た症状、どんなことで妊娠していると予測ができるか、妊娠検査薬を使うタイミングや受診の目安などをお話しました。
妊娠初期症状と、生理の前の症状は似ているところがたくさんあります。
妊娠検査薬を早く試したいという気持ちもたくさんの方がお持ちでしょう。
でも、正しく使用しなければ、正確な結果が出ません。
生理予定日から1週間が長く感じられるかもしれませんが、ゆったりとした気持ちで待てるといいですね。