妊娠すると、「出産場所をどこにしようか」と迷う方が多いのではないでしょうか。
実家で里帰り出産をするのか、自宅にいて近くの病院で生むのかということを考えておかなけばなりません。
妊娠初期の段階で考え始めて、里帰り出産の場合は、早めに準備をしておく必要があります。
ここでは、里帰り出産のメリットやデメリット、里帰り出産の期間、準備などについて詳しく説明していきますね。
里帰り出産とは
里帰り出産とは、実家に帰って出産することです。
実家近くの病院や助産院、実家で自宅出産することなども含まれています。
また、自分の実家だけではなく、旦那さんの実家に帰って出産することも含まれます。
なぜ、里帰り出産をするのでしょうか。
産後の様々なお手伝いをしてもらうことに関係しています。
産後に手伝ってくれる家族がいれば、安心で自分の身体も休めますね。
では、次に里帰り出産の時期について見てみましょう。
里帰り出産はいつからいつまで?
里帰りの期間は、家庭によって様々です。
自宅と里帰り先の距離や実家の受け入れ状態、初めての出産かどうか、上の子どもの年齢などによります。
産前と産後に分けて見ていきましょう。
産前
まず、里帰り先の病院の方針を確認しましょう。
「〇〇週までに来院して下さい」と、ある程度の週数を指定される場合が多いのです。
その時期に合わせて里帰りしましょう。
また、分娩予約をする際に一度受診をしなければならない病院もありますし、妊娠初期の段階ですでに分娩予約がいっぱいになってしまう病院もあります。
自分の出産したい病院をピックアップしておき、早めに情報を集めましょう。
距離にもよりますが、臨月になると移動も大変です。
遅くとも臨月(妊娠36週)に入るまでに里帰りしましょう。
妊娠中は、何が起こるかわかりません。
余裕を持って計画することが大切ですね。
産後
一般的に、産後はお母さんと赤ちゃんの1か月健診が終わったら、ひと安心です。
その後に自宅に戻る方も多いです。
中には、2〜3か月ほど滞在する方もいらっしゃいます。
2〜3か月以上滞在する場合、早ければ生後2か月頃から赤ちゃんの予防接種が始まります。
実家が自宅の市町村以外の場合、予防接種の助成が受かられるかどうかを確認しておきましょう。
上の子どもがいる場合、それによっても滞在期間が変わるかもしれませんね。
自宅から実家までの距離や旦那さんの仕事の忙しさにもよりますが、里帰り期間が長いほど、赤ちゃんとお父さんとのかかわりが少なくなりますね。
里帰りする人(妊婦さん)、里帰りされる人(実家の家族)、里帰りで残る人(旦那さんやその他の家族)それぞれの状況を考えて、期間を決めましょう。
里帰り出産のメリット・デメリット

メリット
自分の身体を休めることができる
実家の家族が、家事や赤ちゃんのお世話を手伝ってくれると、自宅にいるよりも休むことができます。
特に産後1か月間は、子宮が元に戻る過程ですので、疲れやすくなります。
また、妊娠中と同じで抵抗力が落ちている上に、夜中の授乳などで寝不足にもなります。
産後1か月くらいは、赤ちゃんと自分のことを中心にして、疲れたら手伝ってもらったり休ませてもらったりできる環境がベストですね。
あまり無理をしない方がいいとされています。
ただ、寝たきりになる必要はありませんので、体調をみて出掛けたり、家のこともやったりしてみましょう。
手伝ってくれる人がいると精神的に楽になる
初めての出産で、赤ちゃんのお世話が初めてのお母さんも珍しくありません。
何でも初めてで、戸惑うことが多いと思いますが、実家のお母さん(赤ちゃんからみるとおばあちゃん)が心強い存在ですね。
自分を育てた先輩お母さんです。
時代によって、育児の考え方が違ってきていますが、昔の方法で自分はここまで立派に育ったんです。
今ではしない方法でも、そんなやり方や考え方があったんだなと思って、色々と聞いてみると興味深いですよ。
育児に専念できる
色々な家事をしなくていいということは、産後には本当にありがたいことです。
家事をこなしながら、赤ちゃんのお世話をするのは疲れるものです。
慣れないうちは、赤ちゃんのことに集中できる環境だといいですね。
デメリット

転院が必要な場合、診てもらう医師が変わる
紹介状を書いてもらったり、新しい病院で妊婦健診のシステムが違ったりと環境が変わります。
その病院の特徴を調べておくといいですね。
お父さんが赤ちゃんのお世話をする機会が少ない
実家と自宅が遠い場合は、赤ちゃんとお父さんのかかわりが少なくなる可能性があります。
その場合、赤ちゃんの様子をメールしたり、動画を送ったりしてフォローするといいですね。
生まれたての赤ちゃん特有の可愛らしさを伝えてあげましょう。
育児に関して両親と衝突してしまう可能性
実家の両親が子育てをしていた時代と現在とでは、育児方法が違う場合があります。
そのことで意見が食い違い、衝突してしまうことがあります。
たとえば、昔は沐浴の後に白湯(沸騰させたお湯を冷ましたもの)を飲ませていましたが、現在では母乳かミルクを飲ませるようにと指導されます。
他にも違うことがたくさんあります。
衝突してしまうのも、赤ちゃんのことを想えばこそなのです。
白湯を飲ませても毒ではないので、10−20mlなど少量だと大丈夫です。
自分は、昔の方法で立派に育ったことを忘れないでくださいね。
昔と今の育児方法の違いを書いた本も出されています。
「今はこんなふうにするんだって」と、本を一緒に見てもいいですね。
どちらにしても、どうやって育てるかはお母さんとお父さんが決めるものです。
自分の納得する育児ができるといいですね。
産後、自宅に移動しなければならない
産後、赤ちゃんを連れて来た道を帰らなければなりません。
移動の際に赤ちゃんが加わると、何かと不安なことがありますね。
あとで、飛行機移動のことを説明しますが、自宅に帰るときに、できればもう一人大人が付き添ってくれると安心ですね。
自宅に帰るときに心細くなる
これまで、家事や育児を家族に手伝ってもらっていた分、自宅に帰ったら自分がしなければならない状態の方が多いです。
それで、急に不安になったり心細くなったりします。
あまり無理せずに、最低限やらなければならないこと(食事や赤ちゃんのお世話など)をピックアップして、すべて完璧にやろうと思わないことが大事です。
お母さんの息抜きも大切なんですよ。
旦那さんと家事や育児を分担できるように相談しておくといいですね。
里帰り出産の準備

里帰りの準備って何をしたらいいのかわからないという方も多いでしょう。
実家に持って行くものや実家で買うもの、実家の準備や残るパパのための準備などをお伝えしますね。
ママの準備
転院に関係するもの
里帰り先の病院に出す紹介状を持って行ったり、あらかじめ妊婦健診の予約が必要だったりすることがりますので、確認しておきましょう。
また、里帰り先で両親学級が受けられるといいのです。
しかし、時期的に無理な場合、これまで通っていた病院で受けるか、地域の保健センターなどで行われている両親学級に参加しおくと安心です。
お父さんも参加できるように、土曜日に行っていることもありますが、すぐに定員になってしまう可能性があります。
里帰りするからこそ、一緒に両親学級を受けて準備をしておくといいですね。
余裕をもって調べておきましょう。
持ち物
- 母子健康手帳や保険証
- 印鑑(必要種類への押印や急な手術などに備えて)
- 自分の着替えや化粧品、日常に使用する自分のもの
- 赤ちゃんの着替えなど。
産後どれくらい滞在するかにもよりますが、産後を見越した洋服も必要ですね。
通販で買う場合で、実家で使用するものは、実家宛に送ってもらっておくといいですね。
おむつやお尻ふきなどの消耗品は、実家で準備するといいでしょう。
妊婦健診の助成金(補助券)について
妊婦健診では、母子健康手帳についている補助券が使えます。
違う都道府県で妊婦健診を受ける場合、使えないことが多いです。
出産後に自宅の役所に余った補助券や、補助券を使わずに受けた妊婦健診の領収書など、必要なものを持っていくと助成の対象になります。
申請には期限がありますので、各役所のホームページで確認しておきましょう。
受け入れ先の準備
まず、実家の家族に里帰り出産が可能かどうかの確認をしましょう。
実家とはいえ、一旦家を出た身です。
里帰りできるかどうか、どこまでのサポートが可能かを聞いておくといいですね。
また、できれば赤ちゃんと自分用の部屋があるといいです。
赤ちゃんと2人でリラックスできる環境があると、授乳の時などに気を遣わずにすみますね。
もし、専用の部屋がなくても、身体がつらいときに休める部屋があるといいですよ。
おむつやお尻ふきなどは、里帰り先で購入した方が荷物が少なくなりますね。
あらかじめリストアップしておくと慌てなくてすみます。
実家に滞在しても食費や雑費など、お金がかかります。
実家の両親に、その分とお礼にいくらかのお金を渡す方も多いようです。
親しき中にも礼儀ありですね。
この場合、旦那さんから家族を代表して渡してもらうのもいいアイデアですよ。
自宅に残る家族の準備
できる限りの作りおきおかずを作っておいたり、日用品の補充をしておいたりすると、残った旦那さんが困らずにすみますね。
ゴミ出しの日時や支払いがあるものなども、リストアップしてやってもらう準備をしましょう。
現在では、インターネットが普及してメールや無料テレビ電話等が利用できます。
旦那さんとは、定期的に連絡を取るようにしておきましょう。
赤ちゃんの様子を日記風に書いてみたり、赤ちゃんの画像を送ると寂しい想いが和らぐかもしれません。
赤ちゃんとお母さんの何気ない日常の風景が、旦那さんには新鮮に映ります。
父性の芽生えにも役立ちます。
こまめに連絡できるようにしておくといいですね。
上のお子さんがいる場合
上の子どもの年齢にもよりますが、一緒に連れて里帰りする場合は、期間によっては幼稚園や学校を変わることも考えなければなりませんね。
短期間通うことができるのか、その準備などもする必要があります。
また、上のお子さんの着替えやおもちゃ、勉強道具、保険証などの持ち物も必要ですね。
里帰り出産の注意事項

里帰りの時に飛行機を利用する場合の注意事項と、上の子どもがいる場合の注意事項をお伝えします。
交通手段として飛行機を使う時の注意事項
妊娠中
妊娠中に飛行機を使って移動する場合、飛行機会社によっては、診断書が必要になることがありますので、各社のホームページで確認しておきましょう。
多くは、臨月(36週)に入ると飛行機には乗ることができません。
飛行機の中では、ゆったりできるといいですね。
トイレが近くなると困るからといって、あまり水分を摂らない方もいらっしゃいますが、これはおすすめしません。
こまめに水分補給をして下さい。
なぜかというと、妊娠中は血が固まりやすく、血栓ができやすい状態です。
一般にエコノミー症候群と呼ばれている症状にもなりやすいのです。
ですので、これを防止するために下記を参考にしてくださいね。
- こまめな水分補給
- 着圧靴下をはく
- 足を動かすまたは時々歩く
- トイレを我慢しない
産後
産後は赤ちゃんと一緒です。
赤ちゃんを連れての移動になりますので、生後間もない赤ちゃんだとどれくらいで乗れるのか、確認しておきましょう。
赤ちゃんの着替えやおむつ、お尻ふきなどが必要ですね。
必要であれば、ミルクも準備しましょう。
お湯は機内でももらえます。
母乳をあげる場合、授乳室はありませんので、授乳ケープなどを持っていきましょう。
窓側の席が取れると、他の席から授乳している様子が見えにくくなりますよ。
また、赤ちゃんが吐き戻した場合に、自分の洋服が汚れることもあります。
自分の着替えも機内に持ち込んでおくと安心です。
機内では、事前に申し込むとバシネット(赤ちゃんのベッド)を貸してくれます。
また、スタッフが何かと気にかけてくれます。
手伝いが必要な時には、遠慮なく助けてもらいましょう。
上の子どもがいる時の注意事項
上の子どもがいて一緒に移動する場合は、その子どもに必要な着替えやおもちゃなどもあるといいですね。
上の子どもの年齢にもよりますが、赤ちゃんと上の子どもの面倒を大人一人で見るのは大変です。
できればもう一人大人がいるのが理想です。
まとめ
里帰り出産のメリットやデメリット、準備などについて詳しくお話しました。
里帰り出産に関するポイントがご理解頂けたと思います。
自分の生活スタイルや実家の家族の状況に応じて、里帰り出産をするかどうかを旦那さんと検討してみて下さいね。
みなさんが、妊娠中や産後に不安なく過ごせて、元気な赤ちゃんが生まれるといいですね。