「カフェインってコーヒー以外にも入っている?」
「カフェインは1日どのくらい摂っても大丈夫?』
と妊娠すると色んな疑問が出てきますね。
カフェインはコーヒーだけでなく、さまざまな食品などに含まれています。
快適な妊婦ライフを送れるように、コーヒーの豆知識やカフェインついての詳しい情報、妊娠中のカフェインとの付き合い方を紹介したいと思います。
コーヒーが長生きの秘訣!?

コーヒーを1日何杯くらい飲みますか?
国立がん研究センターの研究データによると、
「コーヒーを日常的に摂取している人(1日3-4杯)は死亡するリスクが摂取しない人と比べて24%低い」
と発表がありました。
死因別の研究では、がん死亡の危険度は差が出なかったが、心疾患死亡、脳血管疾患死亡、呼吸器疾患死亡についての危険度は低下したとのことです。
(今研究には缶コーヒー、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒーを含むコーヒーの摂取頻度を調査しており、カフェインの有無は分けずに調査していると記載があります。)
意外にも、コーヒーには病気にかかるリスクが下がる効果があると立証されたようですね。
カフェインとは
コーヒー豆や茶葉、カカオ豆、ガラナなど天然に含まれている食品成分の一つで、特にコーヒーやお茶に多く含まれています。
カフェインの適度な苦みは胃を刺激することで胃酸などの分泌を促進する働きがあるため、食欲増進などの目的で食品添加物として使用されています。
カフェインが与える影響は?
カフェインは眠気覚ましや頭をスッキリさせる作用がありますが、副作用もありますので注意点を紹介します。
カフェインの作用
人間の身体には、中枢神経など神経を鎮静させるアデノシンという物質があり、神経が興奮状態になったときは体内で分泌が促され、興奮と鎮静のバランスをとっています。
カフェインはアデノシンと化学構造が類似しているため、アデノシンが結合する場所(アデノシン受容体)に結合することで、アデノシンの働きを阻害し神経を興奮させます。
アデノシン受容体は、遺伝子多型が存在することが知られているため、カフェインの作用に個人差がある可能性があります。
これから紹介する効果や副作用には個人差があるため、必ず起こる症状ではないことをご了承ください。
カフェインの効果
カフェインを多く含むコーヒーは、適量を摂取することで頭が冴えて眠気を覚ます効果があります。
小学生や中学生などの子供から大人まで眠気覚ましとして摂取することが多いですね。
コーヒーを飲みすぎるとトイレに行きたくなることありませんか?
これは腎臓にあるアデノシン受容体にカフェインが作用することで利尿作用が起こるためです。
利尿作用は、浮腫みを和らげる効果や血圧を下げる効果があります。
一方で風邪や熱がある時などでは脱水症状が起こる可能性がありますので注意が必要です。
カフェインの副作用
過剰に摂取することで、悪い症状がでることがあるので紹介します。
1、不安、不眠症
寝る前にコーヒーを飲んで、寝つきが悪くなった経験はありますか?
これはカフェインの作用によって起こっている可能性が高いです。
利尿作用もあるので、寝る前にコーヒーを摂取することは睡眠の質を落としてしまうので避けたほうが良さそうですね。
2、心拍数の増加、興奮
運動すると心臓の鼓動が早くなりますね。
カフェインにも同様に、心臓のアデノシン受容体に作用し心拍数を増加する作用があります。
3、吐き気
カフェインに胃酸の分泌を促進する作用があります。
胃酸が出過ぎるため、吐き気などの消化器症状が出ている可能性があります。
4、長期的な摂取による副作用
・高血圧のリスクが高くなる可能性があること
・妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合、胎児の発育阻害が起こる可能性があること
が報告されています。
5、その他
めまいや震えなども起こることがありますので、カフェインの取りすぎには注意が必要です。
カフェインを含む食品、飲料は何がある?

紅茶、ココア、コーラ飲料には、ほぼ同程度のカフェインが含まれていて、コーヒーはこれらの約2倍のカフェインが含まれていると言われています。
また、エナジードリンクはコーヒーの2倍のカフェインが含まれているとされています。
厚生労働省や食品安全委員会が発表している食品中のカフェイン濃度を紹介します。
- インスタントコーヒー(顆粒製品):1杯あたり80㎎ (2 g使用した場合)
- コーヒー(浸出液):60㎎/100ml(浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL)
- 紅茶(浸出液):30㎎/100ml(浸出法:茶5 g、熱湯360 mL、1.5~4分)
- 煎茶(浸出液):20㎎/100ml(浸出法:茶10 g、90℃430 mL、1分)
- ほうじ茶(浸出液):20㎎/100ml(浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分)
- ウーロン茶(浸出液):20㎎/100ml(浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分)
- 玄米茶(浸出液):10㎎/100ml(浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分)
- 玉露(浸出液):160㎎/100ml(浸出方法:茶葉10 g/60 ℃の湯60 ml、2.5分)
- エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料(清涼飲料水):32~300 mg/100 ml
- 抹茶:32㎎/1g
その他にも
- コーラ:10㎎/100ml
- ココア:30㎎/100ml
- ブラックチョコレート:120㎎/100g
- ミルクチョコレート:30㎎/100g
- ブラックガム:11㎎/1枚
- 抹茶アイス:30-100㎎/1個(メーカーや酒類によって多少変動します。)
妊婦が1日に摂取できるカフェインの量は?

現在、日本において具体的な摂取量は規定されていません。
しかし、妊娠中は母親の体内でカフェインが代謝されて身体の外に出ていくスピードが、妊娠前と比べてとても遅くなっています。
カフェインは妊娠前より長く体内に残っているため、胎盤を通過して胎児が摂取してしまう時間が長くなります。
カフェインの過剰摂取が、胎児の成長遅延、低体重、早産などの原因になる可能性があると言われていますので、やはり妊娠中はカフェインの摂取は控えましょう。
世界保健機関、各国ではカフェインの摂取量が定められているので目安として紹介します。
1、世界保健機関(WHO)
妊娠中はカフェイン摂取量:1日300㎎以内、コーヒーの摂取量を1日3-4杯まで
2、欧州食品安全機関(EFSA) オーストリア保健・食品安全局(AGES)
妊娠中、授乳中はカフェイン摂取量:1日200㎎まで
3、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
妊娠中、授乳中:コーヒー1日2杯まで
4、英国食品基準庁(FSA)
妊娠中は、カフェイン摂取量:1日200 mgまで、コーヒー2杯程度まで
としています。
他にも様々な国で規定を設けており、どの国も世界保健機関の規定を参考に、カフェイン摂取量を1日200-300㎎まで、コーヒー1杯にカフェインが100㎎程度含まれていると計算し、1日2-4杯までと定めているようです。
カフェインの摂取量を減らす工夫
カフェインが含まれている食べ物や飲み物を摂るときの、ちょっとしたコツを紹介します。
食べ物
チョコレートを選ぶときはブラックチョコレートよりもミルクチョコレートを選びましょう。
また簡単に見分ける方法として、チョコレート味、ココア味、抹茶味、紅茶味などには、カフェインが含まれている可能性が高いので避けてください。
ブラックガムは眠気覚ましを目的としているのでカフェインが含まれていることが多いです。
飲み物
カフェインを含まない飲み物を意識して取るようにすることが大切です。
麦茶や水、ルイボスティーはカフェインゼロなので安心して摂取できます。
ペットボトルのお茶は「ノンカフェイン」の表記がされているものがありますので意識して選ぶようにしましょう。
コーヒーにも「デカフェ」「カフェインレス」などのカフェインが少なく加工されたものが販売されています。
最近では喫茶店やレストランでもデカフェコーヒーが用意されているので、コーヒー好きの方は選ぶと安心ですね。
おすすめのデカフェコーヒー
1、UCC「おいしいカフェインレス インスタントコーヒー」
インスタントなので手軽に楽しめます。
二酸化炭素抽出法で、豆に負担をかけずにカフェインを除去しているため、カフェインレスでありがら豊かなコクと香りを楽しめます。
2、ネスカフェ ゴールドブレンド コク深め ボトルコーヒー カフェインレス 無糖
香りや味わいがそのまま楽しめるので、コーヒー好きのママにおすすめです。
ペットボトルなので焙煎せずに気軽に飲めます。
3、ピジョン カフェインレス カフェオレ 10本入
牛乳を別に用意しないといけない商品ですが、葉酸、鉄、カルシウムを同時に補給できるため妊娠中にはお勧めです。
4、ブレンディ「やすらぎのカフェインレス150g」
水抽出製法を採用し、カフェインをカットしています。
甘くフルーティーな香りとやわらかな口当たりが特徴のコロンビア・スプレモを100%使用しています。
5、UCC ビーンズ&ロースターズ カフェオレ マイルドラテ デカフェ
最近ではコンビニエンスストアでも販売されています。
外出先でも気軽に購入できます。
まとめ
カフェインが含まれている食品といえばコーヒーが有名ですが、実際はコーヒーだけではなく、さまざまな食品、や市販薬、サプリメント、医薬品などに含まれています。
私たちは気が付かないうちにカフェインを摂取しているかもしれません。
不眠で悩んでいる、胃の調子が悪いなど、もしかしたらカフェインの作用によるものかもしれません。
妊娠中だけでなく、心当たりがある場合は、意識してカフェイン量のチェックをしてみるといいですね。
参考文献:
- 国立がん研究センターコーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
- 農林水産省 カフェインの過剰摂取について
- 厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
- 食品安全委員会ファクトシート 食品中のカフェイン