妊婦は風邪薬を飲んでもよい?妊婦が風邪をひいたときの対処法【薬剤師が解説】

薬

妊娠中は心身ともにデリケートな時期。

免疫力が低下しているので、風邪をひきやすい体になっています。

いつもなら風邪薬を飲んで治すという方も、お腹に赤ちゃんがいるとなるとその影響が心配ですよね。

ここでは、妊婦でも風邪薬が飲めるのか、妊娠週数による赤ちゃんへの影響、妊婦におすすめの風邪薬について解説します。

妊婦が風邪をひいたときの対処法を紹介していますので、もし妊娠中に風邪をひいたときの参考にしてください。

妊婦が風邪をひいた場合、薬を飲んでも大丈夫?

つらい風邪にかかってしまったら、風邪薬を服用することもあるでしょう。

しかし妊娠中に風邪薬を飲んでも赤ちゃんへの影響はないのでしょうか。

妊婦は風邪薬を飲んでも大丈夫?胎児への影響は?

妊娠中の風邪薬は、妊娠週数と薬の種類によって服用の可否が異なります。

妊娠中は赤ちゃんの体が作られていく時期なので、薬によっては赤ちゃんの奇形(催奇形性)が生じる可能性があるのです。

こう聞くと「妊娠中は薬を飲まない方がいいの?」と思われる方もいるかもしれませんが、妊娠中に服用しても安全性が確認されている薬も多くあります。
注意すべき薬だけ押さえておけば大丈夫です。

風邪をひいたら胎児に影響する?

一般的な風邪のウイルスであれば、赤ちゃんへの影響はありませんのでご安心ください。

そもそも風邪の症状は、体に入ったウイルスを排除しようとして免疫細胞が戦っている証拠。

それ自体は体に害があることではありませんし、無理に薬を飲んで治す必要はありません。

しかしあまりにも風邪の症状がつらいと、母体に負担がかかってしまいます。

つらい風邪や長引く風邪の場合には、状況に応じて妊娠中でも安全性が確認されている薬を服用することも一つの方法です。

風邪薬を服用していいか医師に相談するべき?

妊娠中に風邪薬を服用する場合は、事前に必ず医師に相談しましょう。

風邪薬の中でも、妊娠中は注意が必要な薬があります。

市販薬の風邪薬の添付文書にも「妊婦または妊娠が疑われる場合には、医師または薬剤師に相談すること」という旨が明記されています。

市販薬であっても自己判断で服用せずに、必ず医師に相談しましょう。

妊娠週数との関係は?妊娠週数ごとに注意すべき薬の成分

解熱剤

解熱剤

薬の種類にもよりますが、妊娠週数と薬の関係については以下のように考えられています。

また妊娠週数によっても飲める薬は異なるので、ここはしっかり押さえておきましょう。

妊娠4~7週

妊娠4週以降は、赤ちゃんの心臓や中枢神経など体の根幹となる器官や、消化器や手足などの形成が始まります。

薬による催奇形性の影響をもっとも受けやすい非常にデリケートな時期なので、薬の服用は慎重に判断したいもの。

自己判断で薬を服用することは絶対にやめましょう。

妊娠8~12週

赤ちゃんの重要な器官の形成は済んでいますが、この時期になると生殖器や唇などが作られていきます。

この時期でもまだ薬の服用には注意が必要です。

妊娠13週以降

妊娠13週以降は薬による催奇形性の影響は少なくなりますが、赤ちゃんの発育抑制などの可能性があるためまだ注意が必要です。

この時期の風邪薬の成分で特に気をつけたいのが、解熱・鎮痛作用のあるNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)と呼ばれるもの。

NSAIDsは「ロキソプロフェン(商品名:ロキソニン)」「イブプロフェン(商品名:イブ)」「アスピリン(商品名:アスピリン)」などの薬剤の総称ですが、出産12週以内の妊娠後期(妊娠8ヵ月以降)に服用すると胎児の動脈管を収縮するという報告があります。

添付文書でも「妊娠後期の妊婦への投与はしないこと」とされています。

妊娠中の方でも服用できる解熱鎮痛剤は「アセトアミノフェン」という成分です。

妊娠に気づかず薬を飲んでしまったら?

妊娠に気づいていない段階で知らずに薬を飲んでしまったという方もいるでしょう。

結論から言うと、この時期に市販の風邪薬を数日間飲んでいたとしても大きな心配はありません。

妊娠3週までは薬による催奇形性の影響はほとんどないと考えられています。

薬を飲んでしまったと不安になるよりも、余計な心配はせずに赤ちゃんの成長を見守った方が、ストレスなく赤ちゃんにもよい影響を与えるのはないでしょうか。

漢方薬は飲んでも大丈夫?

妊娠週数によっては注意が必要な風邪薬の成分もありますが、漢方薬はどうでしょうか?

妊娠中に漢方薬は飲んでも大丈夫なのかどうか、見ていきましょう。

そもそも漢方とは?

東洋医学の中でもっとも広く普及していると言えるのが漢方医学です。

そもそも西洋医学と東洋医学では、病気や治療に対する考え方が異なります。

西洋医学ではまず検査の結果から病気を見つけ、その病気に合わせて治療薬が処方されます。

一方東洋医学では、病気そのものよりも病態を重視し、体質や体格も踏まえてその人に合わせた漢方薬が処方されます。

さらに東洋医学において、薬はその人の自然治癒力を高めるために使うものと考えられており、その分作用がマイルドなものが多いため妊娠中でも比較的安全に使用できます。

妊婦でも使える風邪の漢方薬

妊婦でも使える風邪の漢方薬には、症状別にさまざまなものがあります。

風邪のひき始めや悪寒がするときは「葛根湯(かっこんとう)」、乾いた咳が出るときは「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」、鼻風邪には「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」などが挙げられます。

西洋医学の薬と比べて赤ちゃんへの影響は少ないですが、念のため服用前には医師に確認するようにしましょう。

風邪の予防方法

妊娠中は免疫力が低下しやすいので、いつも以上に風邪をひかないようにしっかり予防対策をすることが重要です。

手洗い・うがいを徹底する

風邪予防の基本ですが、手洗い・うがいは手や粘膜に付着した病原体を除去するにはとても有効な方法です。

帰宅時の手洗い・うがいは習慣化しましょう。

栄養バランスの取れた食事を心がける

体の免疫力を高めるには、免疫細胞にしっかり栄養を届けることが大切です。

栄養バランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。

ただしつわりがひどいときは、無理に食べる必要はありません。

気持ち悪い思いをしながら食事をしても、ストレスのもとになってしまい赤ちゃんにも悪影響です。

つわりがひどいときは水分をしっかり摂り、無理のない範囲で食べるようにするとよいでしょう。

体を温める

免疫を担っているのは血液中の白血球です。

白血球は血液を介して全身をパトロールして病原体の侵入を防いでいますが、血液の流れが滞るとパトロール役である白血球が全身を循環できなくなってしまいます。

白血球にしっかり働いてもらうためには、体を温め血行を促進させることが大切。

入浴する、生姜など体を温める食べ物を摂取する、などしてしっかり体を温めましょう。

しっかり休息する

疲れがたまっている状態では、風邪をひきやすくなります。

妊娠中は心身ともにデリケートなので、いつも以上に体を労り、きちんと休養を取りましょう。

おすすめの市販の風邪薬

妊婦でも使えるおすすめの市販の風邪薬を紹介します。

以下で紹介している風邪薬は、妊娠後期に注意すべき成分であるNSAIDsを含んでいないので、妊婦でも安心して服用していただけます。

ただし自己判断はせずに、服用前には必ず医師に相談するようにしましょう。

エスタック総合感冒

妊婦でも安心な解熱鎮痛剤であるアセトアミノフェンをはじめとして、鼻や咳など風邪の諸症状に効く成分が8種類含まれています。

5歳から服用できるので、家族で使える風邪薬です。

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パブロンゴールドA

7種類の有効成分を配合し、のどの痛みや咳などの症状に効きます。

たんに効く「グアイフェネシン」や風邪で失われがちなビタミンB2など、バランスよく配合している商品です。

顆粒タイプなので溶けやすく、吸収されやすいことも特徴。

新ルルAゴールドs

鼻水に対して、天然成分である「ベラドンナ総アルカロイド」とアレルギー症状を抑える「クレマスチンフマル酸塩」がダブルで効果を発揮します。

発熱、のどの痛み、咳、頭痛など風邪の11の症状に効く総合感冒薬です。

葛根湯エキス顆粒Sクラシエ

風邪のひき始めといえば葛根湯、というイメージがある方も多いのではないでしょうか。

風邪の初期に飲むと治りが早くなります。

漢方薬は空腹時の方が吸収がよいので、食事の30分前または食間(食後2時間後ほど)を目安に飲みましょう。

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まとめ

妊娠中に風邪をひくと、赤ちゃんへの影響が心配ですよね。

妊娠週数および薬の種類さえ注意すれば、妊娠中でも風邪薬を服用しても問題ありません。

ただし妊娠中は赤ちゃんの体が作られる大切な時期なので、自己判断はせずに医師に相談のうえ、状況に応じて風邪薬を服用するようにしましょう。