もくじ
妊娠中の食べ物は、何かと心配になりますね。
「ローストビーフは、食べても大丈夫だったかな」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
ローストビーフは、タンパク質も豊富でその他の栄養も摂れますが、妊娠中は食べない方が良いとされています。
でも、どうして食べない方が良いのか、食べるとどんなリスクがあるのかをよく知っているという方は少ないのはないでしょうか。
ここでは、ローストビーフに含まれている栄養、妊娠中にローストビーフを食べない方がが良い理由、ローストビーフを食べてしまった場合の対処法などについてお話します。
ローストビーフとはどういう食べ物か?
ローストビーフは、牛肉を時間をかけてオーブンなどで蒸し焼きにした料理のことをいいます。
外側はスパイスなどをつけて焼き、内側はやわらかくジュージーですが、充分に火が通っていません。
ローストビーフには、下記のような栄養素が含まれています。
タンパク質
タンパク質は、筋肉や身体を作る成分として重要な栄養素です。
脂質
脂質は、エネルギー源になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
ビタミンB6
ビタミンB6は、タンパク質の代謝に必要な栄養素です。
免疫機能を正常に維持したり、皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあります。
脂質の代謝にも関係し、肝臓に脂肪が溜まっていくのをセーブします。
ビタミンB12
ビタミンB12は、葉酸と共に赤血球を作ることに関係し、悪性貧血を予防します。
かなり偏食をしなければ、ビタミンB12の不足にはならないとされています。
亜鉛
亜鉛がないと作りことができない酵素が200種類以上あります。
発育を促し、傷の回復をサポートし、味覚を正常に保つ働きがあります。
ナイアシン
脂質、糖質、タンパク質の代謝に関する重要な働きをします。
アルコールの分解にも影響を与えます。
栄養面を見ると、妊婦さんにも良さそうですが、火が充分に通っていないという点から、やはり妊娠中は避けた方が良いですね。
妊婦は妊娠中はローストビーフを食べるのを避けたほうが良い?

ローストビーフをたべるのは、妊娠中のどの時期でも避けた方が良いでしょう。
特に妊娠初期はやめておきましょう。
なぜかというと、トキソプラズマに感染した場合、妊娠初期ほど赤ちゃんへの影響が重症になるとされているからです。
妊娠後期になるにつれて、感染率は上がりますが、赤ちゃんへの影響が少ないとも言われています。
可能性がゼロではないため、食べない方が良いでしょう。
妊婦が妊娠中にローストビーフを食べるが危険な理由
ローストビーフは、外側は焼けていても、中には充分火が通っていないので、トキソプラズマや食中毒のリスクがあります。
トキソプラズマ感染の可能性
トキソプラズマは、充分に加熱されていない肉や猫の糞便から感染する可能性があります。
生肉やローストビーフなども、加熱が不充分なため、その危険性がありますので注意が必要です。
食中毒のリスク
食中毒を起こす原因菌は、加熱によって死滅するものが多いのです。
生や加熱の不充分な食品には注意が必要です。
妊婦がローストビーフを食べてしまった時の対処方法
ローストビーフを食べてしまったら、かかりつけの医師に相談しましょう。
トキソプラズマの感染が気になるときには、抗体検査で感染の有無などを確認することが可能です。
では、トキソプラズマについて説明しましょう。
原因
トキソプラズマは、加熱の不充分な肉や猫の糞便からの感染で起こります。
ローストビーフも、よく加熱されていないので、原因になりかねません。
潜伏期間
潜伏期間は、10日から数週間ほどです。
症状
大人や子どもが後天的にトキソプラズマに感染した場合は、多くは無症状です。
発症した場合は、発熱、身体がだるい、リンパ節腫脹などの症状があります。
先天性トキソプラズマ症
妊婦さんがトキソプラズマに始めて感染した場合、胎盤を通して赤ちゃんに感染する可能性があります。
流産や死産を引き起こす可能性があります。
赤ちゃんへの感染率は、妊娠後期になるほど高くなります。感染が起こった場合の重症度は妊娠初期ほど高くなります。
先天性トキソプラズマ症では、水頭症、視力障害、精神運動発達遅延などの症状があります。
検査
トキソプラズマの抗体検査をすることが可能です。
治療
抗生物質の内服がありますが、国内ではトキソプラズマ症は適応外となっています。
海外で使用されている薬は、日本では未承認のため、個人輸入したり適応外使用で治療が行われるのが現状です。
妊婦がどうしてもローストビーフを食べたいときは?

ローストビーフがどうしても食べたい場合、次のことに注意しましょう。
生肉を扱うときには手袋をする
他の誰かが調理してくれる場合は、頼みましょう。
妊婦さんは、生肉を扱うだけでもトキソプラズマに感染してしまう可能性があります。
よく焼く
ローストビーフの中心の温度は焼く60℃程といわれています。
中心のピンク色の部分がなくなって、しっかりと焼けたのを確認して食べると良いでしょう。
妊婦にとって安全な食事を心がける

安全な食事を心がけることは、妊娠中に限らず普段から大事なことです。
ここでは、妊娠中は特に気をつけたいポイントをまとめました。
何が安全か確認する
妊娠中に食べられるもの、食べられないもの、注意が必要なものなどがあります。
どんなものを避けなければならないのか、どんな注意が必要なのかを確認しておきましょう。
基本的に、火が充分に通ったものを選びましょう。
新鮮なものを選ぶこと
常に新鮮なものを選び、よく加熱されているかどうかを確認するようにしましょう。
妊娠中は、抵抗力が落ちていますので食中毒を起こしやすい状態であることを覚えておきましょう。
加熱すること
よく加熱されているかどうかを確認するようにしましょう。
妊娠中は、抵抗力が落ちていますので、加熱されているものを食べたとしても、食中毒になったり体調をくずしたりしやすい状態です。
料理したら早く食べる
料理したものは、できるだけ早く食べるようにしましょう。
時間がたってしまうと、細菌が繁殖しやすくなります。
「買ったらできるだけ早く調理(加熱)する」「調理(加熱)したものはできるだけ早く食べる」ことを心がけましょう。
時間がたったものは処分する
時間がたってしまったものは、思い切って処分した方がいいですね。
特に梅雨の時期や夏には、温度や湿度が上がるため、食べ物が傷みやすくなります。
冷蔵庫を過信しない
リステリア菌など、冷蔵庫に保存していても繁殖するものもありますので、注意が必要です。
「冷蔵庫に入れていたから大丈夫」と思わず、早めに調理して食べましょう。
清潔を保つこと
調理に使用する調理器具や調理者の手を清潔に保つようにしてくださいね。
手洗いはもちろん、「肉や魚などを調理するまな板は、生野菜を切るものとは別にする」「鍋や調理台、ふきんなどを清潔に使用する」ことも心がけるといいですね。
念のために熱湯消毒をするのもいいですね。
保冷剤と保冷バッグの利用
買った食品は、保冷剤や保冷バッグを利用して、できるだけ冷やして持って帰り、すぐに冷蔵庫へ入れるようにしましょう。
まとめ
ローストビーフには栄養はありますが、火が充分に通っていないため、妊娠中は食べないほうが良いとされています。
トキソプラズマや食中毒を引き起こす可能性があるからです。
妊娠中は、ローストビーフに限らず、火が充分に通っていないものは避けておいたほうが無難です。
ローストビーフは、産後の楽しみにとっておくといいですね。